コーセー、「コスメデコルテ」の最高位スキンケアラインを6年ぶりに刷新
コーセーは、ハイプレステージブランドと位置付ける「コスメデコルテ」で最高位のスキンケアライン「AQ」を6年ぶりに刷新する。最新の研究や理論に基づき、新たに「金香木エキス」や「コンドロイチン硫酸」を配合。肌そのものが光を放つような生き生きとしたツヤ、ふっくらと柔らかに湧き上がるようなハリと弾力感をもたらす。ラインナップは乳液、化粧水、クリーム、日中用クリーム、アイクリームなど6品目・12品種で、価格は1万450円~3万3000円。9月16日から全国の百貨店、化粧品専門店、公式のインターネット通販サイト、日本以外では14の国と地域で販売する。
新生・AQは「心の幸福感と美しい肌の関係」を検証。心の幸福感によって分泌される「オキシトシン」が、真皮における肌再生に寄与すると発見した。そのオキシトシンの受容体の発現を高め、肌のバリア構造の形成を促進する独自成分が金香木エキスで、世界有数の植物研究機関と共同開発した。
また、再生医療分野で注目されるコンドロイチン硫酸を配合。高い保水力に加え、コラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸を産生する線維芽細胞を増殖させる。そのほか、「ホワイトムクナエキス」、「白檀エキス」、「白樺水」など厳選した成分を組み込んだ。
キーアイテムは乳液「アブソリュート エマルジョン マイクロラディアンス」(1万1000円、付け替え用は1万450円)で、角層の深部まで解きほぐし、キメの一つ一つをふっくらとした弾力感で満たす。“肌の土台づくり”に最適という。
7月12日に開かれた発表会で、藤永あすかブランドマネージャーは「(使うと)2週間で肌の弾力、シワ、キメ、ターンオーバーに変化がみられる。(6品目は)一品一品が美容液級で、重ねると相乗効果を発揮する。全てが究極で、透明感のその先、光り輝くツヤ肌へ導く」と力を込めた。化粧品の枠を超えて「心の多様性に寄り添い、人生そのものを輝かせる」(藤永氏)革新的な化粧品でもある。
皮膚・薬剤研究室の小林豊明氏は「乳液と美容液だけでも28日後にシワの改善効果がみられた。同様にキメは14日後、口元は28日後に改善効果がみられた」と検証の結果を説明した。今後も肌と心の研究を続けるという。
AQは1990年に誕生。以来、「肌と心の究極のリラクゼーション」をベースに、「心と身体の両面を満たすエイジングケア」を提案し、コスメデコルテのプレステージ性をけん引してきた。33年目を迎える中、「満を持して」(牧島伸彦執行役員DECORTÉ事業部長)刷新し、新客の獲得や既存の「コスメデコルテ」の利用者の“ステップアップ”を狙う。その一環として、来春を目途に百貨店内のショップにAQ独自のコーナーを設ける方針だ。
コスメデコルテの売上高は好調に推移しており、2023年度(23年1~12月)の目標に掲げる1000億円は達成する見通しだ。海外は横ばいだが、国内が20年度比で75%増と大きく伸ばしている。ターニングポイントは21年度で、9月に発売した美容液「リポソーム アドバンスト リペアセラム」が大ヒット。国内累計販売数は150万本を突破した。新型コロナウイルス禍で始めた、インターネット通販やオンラインカウンセリングも奏功。Z世代の売上げ構成比が大きく上昇した。広告への大谷翔平選手の起用も当たり、男性の購入者は約13倍に増加。牧島氏は「コスメデコルテの信頼感、プレゼンスが向上した」と手応えを掴む。
実際、ブランドの認知度は19年度から23年度にかけて15ポイントもアップ。直近では、さらに3~5ポイントほど上がっているという。AQのリニューアルにとどまらず、「今後も挑戦を続け、さらなる成長を目指す」(牧島氏)。
(野間智朗)