「麻布台ヒルズ」のA・C街区が竣工、330mの日本一高いビルに
森ビルおよび日本郵便が参加組合員として参加する虎ノ門・麻布台地区市街地再開発組合が推進する「麻布台ヒルズ」のA街区(麻布台ヒルズ森JPタワー)とC街区(ガーデンプラザ)が、6月30日に竣工した。「アークヒルズ」に隣接し、「文化都心・六本木ヒルズ」と、「グローバルビジネスセンター・虎ノ門ヒルズ」の中間に位置する。文化とビジネス両方の個性を備えたエリアに立地する麻布台ヒルズは、“緑に包まれ、人と人をつなぐ「広場」のような街-Modern Urban Village-”をコンセプトに掲げる。約8.1haの広大な計画区域に、A街区をはじめとする複数の超高層建築を建て、足元には緑豊かで広大なオープンスペースを創出。住む・働く・学ぶ・遊ぶ・憩うなど、多様な都市機能が徒歩圏内に集約された「立体緑園都市(ヴァーティカル・ガーデンシティ)」を実現するもの。
麻布台ヒルズは、延床面積約86万1700㎡、オフィス総賃貸室面積21万3900㎡、住宅戸数約1400戸、就業者数約2万人、居住者数約3500人、想定年間来街者数2500~3000万人で、六本木ヒルズに匹敵するスケールとなる。広大な計画区域は圧倒的な緑に包まれ、約6000㎡の中央広場を含む緑化面積は約2.4haにも上る。
竣工したA街区の敷地面積は約2万4100㎡。そこに建つ「麻布台ヒルズ森JPタワー」は延床面積約46万1770㎡、地上64階・地下5階、高さ約330mを誇る超高層タワーだ。総貸室面積約20万4000㎡・基準階面積約4600㎡の大規模オフィス、世界有数のラグジュアリーリゾートを手掛けるアマンとのパートナーシップによる「アマンレジデンス 東京」、最新の医療機器を導入し高度な専門性を持つ大学院スタッフが提供する人間ドック「慶應義塾大学予防医療センター(仮称)」、50カ国以上、約700人の生徒が在籍する都心最大規模のインターナショナルスクール「ブリティッシュ・スクール・イン東京」に加えて、多彩な店舗が揃う大規模な商業施設を併設する。
同じく竣工したC街区の敷地面積は、C-1・C-2・C-3・C-4の4街区合わせて1万3690㎡、延床面積は同4万5650㎡。街区別の用途はC-1街区が店舗、美術館、駐車場など、C-2街区が住宅、事務所、店舗、駐車場など、C-3街区が店舗で、C-4街区が寺院、専用住宅、駐車場などとなる。C街区のユニークな建築は、ロンドンオリンピックの聖火台など、数々の独創的なプロジェクトを手掛けてきたデザイナー兼クリエイターのトーマス・ヘザウィック氏(英国)がデザイン。C街区を含む麻布台ヒルズの低層部デザインは、ヘザウィック・スタジオが日本で初めて手掛けた建築プロジェクトだ。
7月3日の「麻布台ヒルズ 森タワーJPタワー・ガーデンプラザ」竣工式で、森ビル社長の辻慎吾氏は次のように挨拶(要旨)した。
「本事業は1989年に街づくり協議会が発足し、2019年に着工。そして本日、麻布台ヒルズ森JPタワー、ガーデンプラザが竣工しました。約35年の長きに亘って理事長という重職を務められ、様々な難局を乗り越えて事業を進めてこられた曲谷再開発組合理事長、そして組合員の皆様の強い決意と団結力に、心から敬意を表すと共に改めて感謝を申し上げます」
「私共森ビルにとりましても、本事業は大変難易度の高い再開発事業でしたが、皆様と共に挑戦を続けることができました。森稔も最後の最後までこのプロジェクトのことを考えておりました。特別に思い入れの深いこのプロジェクトがついに現実の街になる。そう思うと誠に感無量です」
「麻布台ヒルズは『Modern Urban Village-Green & Wellness』という、今、世界の人々が切望している環境と健康をテーマに、2万4000㎡もの緑に包まれ、多様な都市機能を複合させた世界に類を見ない街となります。私共は今、このコンセプトに共感して参加いただいた世界の第一線を走る素晴らしいパートナーの方々に、この街をもっとも良い形で世に送り出すべく、全力で取り組んでいるところです」
「私共森ビルは『都市を創り、都市を育むことで、社会に貢献する』。このことを使命に都市づくりにまい進してきました。麻布台ヒルズ全体の完成までしっかりとつくり上げ、竣工・開業のタイミングでは街に新たな息吹を吹き込み、生き生きとした街を立ち上げ、組合員の皆様と共に、この街を大切に育み続けていく所存です」
(塚井明彦)