2023年5月 全国百貨店売上高
売上高と入店客数が共に15カ月連続プラス、「5類」移行で勢いに弾み
日本百貨店協会が調査した全国百貨店(70社・181店)の5月売上高は4111億円余で、前年比(店舗調整後)は6.3%増となり、15カ月連続でプラスだった。入店客数は6.3%増で、同じく15カ月連続でプラス。新型コロナウイルスが5類に移行したことで外出機会が増加し人の流れが回復した。旅行需要やオケージョン、ビジネスなどから衣料品や身の回り品、化粧品が好調に推移。高伸長が続くインバウンドも嵩上げの要因となった。各社の物産展や催事は活況を呈しゴールデンウイークを中心に多くの客で賑わい、売上げと集客に寄与した。コロナ禍前の2019年との比較では売上げが4.9%減、入店客数は17.9%減と前月とほぼ同水準で、回復傾向にある。
3カ月移動平均値は直近の3~5月が8.3%増、2~4月が12.4%増、1~3月が14.6%増、12~2月が11.2%増、11~1月が7.1%増、10~12月が6.2%増。プラス基調が続く。
国内と海外の顧客別では、円安と入国制限の終了からインバウンドが249.1%増と14カ月連続でプラス。シェアは国内が94.7%、インバウンドが5.3%で、国内は15カ月連続のプラスとなる2.3%増。19年比ではインバウンドが32.2%減、国内が2.7%減だった。
地区別では、インバウンド効果や株高などで7地区が前年を超え都市が8.5%増と20カ月連続のプラス。地方は0.1%減と僅かに前年に届かず5カ月ぶりにマイナスに転じた。
商品別では、主要5品目のうち4品目がプラスとなった。中でも、身の回り品(11.1%増)はラグジュアリーブランドを中心に、バッグや財布、靴などの売れ行きが良く2桁増。衣料品は気温上昇によって初夏商材が好調だった。化粧品(15.8%増)は脱マスクの動きからメイクアイテムやUVケア商品が良好で、インバウンド効果もあり高伸長した。食料品は菓子と惣菜が共に21カ月連続増となった。催事や手土産、歳時記需要から引き続き売上げを伸ばした。
(北田幹太)