2023年5月 東京・大阪地区百貨店売上高
21カ月連続プラス、外出機会増加で衣料品や初夏商材が好調
日本百貨店協会の調査によれば、東京地区百貨店(12社・22店)の5月売上高は1205億円余で、前年比(店舗調整後)は8.0%増と21カ月連続でプラス。入店客数は3.3%増だった。新型コロナウイルスが5類に移行してから外出傾向が一層強まり、ゴールデンウイークの来街者増加や免税売上げの伸長などが寄与した。コロナ禍前の2019年比では1.6%減。インバウンドを除くと0.8%増でコロナ禍前を上回った。
3カ月移動平均値は、直近の3~5月が10.7%増、2~4月が14.5%増、1~3月が17.2%増、12~2月が14.6%増、11~1月が11.0%増、10~12月が10.3%増。依然として2桁のプラスが続く。
商品別では、主要5品目全てがプラスとなった。主力の衣料品は20カ月連続のプラスで10.9%増と2桁の伸び率。外出機会の増加からビジネス、カジュアル共に好調で、中旬の気温上昇から初夏商材も動きが良かった。紳士服ではジャケットやブルゾンなどの羽織物、婦人服ではブラウスやカットソー、パンツが好調だった。
身回り品は15.6%増で21カ月連続のプラスとなりラグジュアリーブランドの増勢が継続した。外出需要から靴やバッグも好調で、婦人靴ではサンダルやレインシューズなどが売上げを伸ばした。脱マスクの動きからイヤリングやピアス、ネックレスなどアクセサリーの需要も高くなっている。7.0%増で同じく21カ月連続プラスの雑貨は、化粧品(19.4%増)がリップやベースメイクアイテムなどが好調に推移し2桁増を示した。美術・宝飾・貴金属では高級時計の入荷数が減少して品薄や前年の値上げ前の駆け込みの反動もあり28カ月ぶりにマイナスとなった。
食料品は0.8%増で2カ月ぶりにプラスに回復した。手土産や贈答需要から引き続き菓子が好調で、母の日ではケーキの売れ行きが良く、コロナ禍前のように家族が祝いに集まる傾向がみられる。
(北田幹太)