大和ハウス工業、つくば駅直結の複合施設を着工
大和ハウス工業は6月1日、つくばエクスプレス(以下TX)「つくば駅」直結の複合施設「(仮称)つくば市吾妻20街区プロジェクト」に本格着工した。同プロジェクトはオフィス・店舗が入る南棟、10月に着工するオフィスが入る北棟、4月に着工した立体駐車場の3棟からなり、24年9月に竣工が予定されている。
大和ハウス工業はつくば市内ならびにTX沿線に大型複合施設「iias(イーアス)つくば」をはじめ、商業施設や物流施設、戸建住宅、賃貸住宅、分譲マンションなどの開発を手掛けている。今回本格着工となった(仮称)つくば市吾妻20街区プロジェクトは、敷地面積約7639㎡、建築面積約5025㎡、延床面積は地上5階建ての南館が約1万188㎡、地上4階建ての北棟が約3337㎡、地上5階建ての立体駐車場(駐車台数353台)が約7404㎡となる。
「賑わいと緑が溢れだすエキウエ施設が、マチの様々な交流の拠点となる」をコンセプトに掲げた複合施設は、TXつくば駅直結の好立地に誕生する。TXつくば駅は快速の場合、約45分で秋葉原駅とを結ぶ始発駅で、都内からもアクセスしやすい。敷地内には、地下1階の改札口とつながる24時間利用可能な屋外デッキ接続エレベーターが設置され、南棟へ直接アクセスできる。
「d_ll(ディール)」の名称がつく南棟の1・2階には、飲食店やクリニック、フィットネスクラブなど16店舗が入居予定。3~5階はオフィスフロアとなり、うち3階はシェアオフィススペースで、スタートアップ企業の交流拠点として、つくば市や周辺施設などと連携を図る計画だ。
北棟にはダイワハウス工業茨城支店と大和ハウスグループ会社5社(大和リビング・大和ハウスリアルティマネジメント・大和ハウスリフォーム・大和ハウス賃貸リフォーム・大和ランテック)が入居予定。24年10月からは、約240名のグループ従業員が勤務する拠点として本格稼働する。同北棟オフィスには仕事内容によって働く場所や時間を選ぶ概念「ABW(アクティビティ・ベースト・ワーキング)」を取り入れ、全席フリーアドレス対応の次世代型オフィスを具現化するほか、清掃サービスの品質向上と省人化を図るため、南棟も合わせ自律移動型の清掃ロボットを導入予定。施設の運営管理は、南棟・北棟を大和ハウスリアルティマネジメント、駐車場を大和ハウスパーキングが当たる。
同複合施設は回遊性や賑わいの創出にも注力している。南棟と道路を挟んだ向かいには、駅に直結し、マンションやオフィスを併設した複合型商業施設「トナリエつくばスクエア」がある。南棟2階の屋外デッキ接続エレベーターとペデストリアンデッキで、南棟ともつながるため、回遊性が高まるとみられる。
また、環境に配慮した建物として、南棟・北棟の建物の屋上には太陽光発電システム(南棟:約40kWの予定、北棟:約30kWの予定)を設置。発電した電力と大和ハウス工業が供給する再生可能エネルギー由来の電力を使用することで、再エネ100%を達成する。あわせて大和ハウス工業が供給する電力は、同社グループの発電所から再生可能エネルギー価値(トラッキング付非化石証書)を付加することなどで、南棟・北棟は「BELS」(5つ星)、「ZEB Ready」、北棟は「CASBEE」(Sランク)を目指す。さらにEV充電設備を立体駐車場に10基、北棟の駐車場に6基(普通充電5基、倍速充電1基)、南棟の駐車場に1基設置する予定。
(塚井明彦)