2024年11月22日

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高島屋、金融アプリにバーコード決済

7月1日より「高島屋ネオバンク」のアプリで、新たなバーコード決済サービスがスタートする

高島屋は7月1日、金融サービスアプリ「高島屋ネオバンク」(以下、ネオバンク)を活用したバーコード決済を始める。買い物時に「銀行口座払い」か「スゴ積み払い」かを選択し、レジでバーコードを提示すると販売員が端末で読み取り決済が完了する。店頭とインターネット通販サイトの「高島屋オンラインストア」、「タカシマヤファッションスクエア」で利用可能。スマートフォン1つで決済が完結する利便性を打ち出し、次世代顧客層の利用拡大を狙う。

ネオバンクは、住信SBIネット銀行が提供するBaaS(=Banking as a Service)「NEOBANK(ネオバンク)」を活用したアプリ。若年層の顧客化を目的に、友の会のデジタル版として2022年6月に配信を開始した。預金から決済、融資、ECサイトでの買い物、12カ月間一定金額を積み立てると1カ月分のボーナスを得られる「スゴ積み」まで利用できる。

7月1~31日の期間中に「銀行口座払い」を利用すると、通常は決済金額の1%分のポイントが5%分付与される

7月1日にはバーコード決済を開始。利便性を高める。銀行口座払いは、ネオバンク内で開設した口座から利用金額が即時に引き落とされ、支払いが完了する決済方法。利用時には、決済金額の1%分が「タカシマヤネオバンクポイント」として貯まる。

7月に積み立ての満期を迎えた客が利用できる「スゴ積み払い」

スゴ積み払いは、友の会のスゴ積みの機能をアプリに搭載し、その残高を利用する方法。7月に満期を迎える客からが対象となる。アプリ上で利用履歴や残額の確認もできる。

高島屋の平野泰範執行役員金融事業推進プロジェクトリーダー

バーコード決済の導入について、高島屋の平野泰範執行役員金融事業推進プロジェクトリーダー(以下、平野氏)は「スゴ積みに対応し、店内での特典やサービスをアプリでより便利に使ってほしい」と説明した。

スゴ積みは、初年度目標に掲げた2万7000口座開設に約9割と届かなかったものの、1人当たりの平均積立額は1万6000円で友の会の約1.6倍に上り、金額的には目標をほぼ達成。友の会と比べて利用者の平均年齢も約20歳若く、男性比率も友の会が約1割に対して4割ほどと高い。好調に推移するスゴ積みとバーコード決済を連動させ、さらなる利用を促す。

高島屋は、百貨店業と商業開発に次ぐ事業成長の第3の柱として20年に金融事業を本格化。保険や資産相続などをサポートする「ファイナンシャルカウンター」を大型店に構え、現在は日本橋店、大阪店、横浜店、京都店の4カ所を擁する。定期開催する無料セミナーは毎回好評で、百貨店ならではの安心感や信頼感、土日営業の利便性などが支持されている要因だという。昨年には、資産運用を案内するソーシャルレンディング事業も開始した。

平野氏は「百貨店による銀行サービスの提供は、時代の流れもあり、もう違和感はなくなってきた」と明言する。実際、住信SBIネット銀行がBaaSで提携する企業は増加傾向にあり、25年には20社以上になる想定だ。急速な拡大が見込まれる中、高島屋は百貨店に求められる金融サービスを追求し、支持を確立する。

(中林桂子)

高島屋、銀行と百貨店の融合型アプリを配信