2024年11月22日

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大丸神戸店、旧居留地をパブリックスペースに

イメージ図

大丸神戸店は、空き物件に新たな価値を加えるプロジェクト「SKWAT」と組み、旧居留地の3つの空き区画をパブリックスペースとして展開する。6月14日に「20_01」区画が、28日に「20_02」が、7月12日に「17」がスタートする。同店は以前から旧居留地の街並みや建築を生かした周辺店舗開発を進めてきたが、さらに新たな価値を加え、街を文化の発信拠点にする。

店舗周辺のマップ。水色の区画が上から「20_01」、「20_02」、「17」となる

SKWATは都市の遊休施設を一時的に占有し、一般へ解放する運動として、2019年に設計事務所「DAIKEI MILLS」の中村圭祐氏を中心に始動した。現在は物理的な空間のみならず、オンラインや公共電波にも範囲を拡大。場づくりや発信活動に取り組んでいる。その手法は展示、出版、物販、レクチャーと様々だが、いずれも「不完全なものから生じる価値の転換」に焦点を当てている。

今回のパブリックスペースのコンセプトは、「新居留地」。旧居留地は鎖国時代長年閉ざされており、1868年の開国によって世界に開かれた。現在もコロナ禍によって人々の行動が制限され、再び国は閉ざされた。このタイミングで、再び街が開かれる”新居留地”としての在り方を考え、提案していく。

大丸神戸店は近代洋風建築によってつくられた街並みの良さを現代に継承し、「旧居留地」として世界に開かれた場所を築いてきた。SKWATは、店舗が抜けて新規店舗が入るまでの遊休場に焦点を当て、大丸神戸店が旧居留地で取り組んできた「継ぐ」と「開く」に着目。インスタレーションという手法を用い、場の価値転換を起こす。

美術展示ではなく、誰もが時間を過ごせるパブリックスペースへと「開く」

単なる観賞用の美術展示ではなく、誰もがその土地の歴史に触れ、休息できるパブリックスペースへと開く。インスタレーションを構築する素材には内装用資材であるLGS(軽量鉄骨)を使用し、大丸神戸店の一時的な内装用資材置場としての機能を持つ。その素材が必要になれば他テナントへ継承し、インスタレーションの形状は変化。こうして「開く」、「継ぐ」という役割を果たしていく。