三越伊勢丹HD、包装紙をデザインする教育プログラムを提供
三越伊勢丹ホールディングスは、包装紙をデザインする「みんなでつくる華ひらく 共創包装紙教育プログラム」の提供を開始する。三越が今年創業350周年を迎えるにあたり、地域社会との連携や日本文化振興を目的に企画された。三越の店舗がある各地域の教育機関で、日本独自の文化である「包む」に関する様式や、包装紙のデザイン背景を通してデザインやアートの力を学ぶ講義を実施。実際に子供達が包装紙をデザインするワークショップも行う。プログラムの監修は、丸亀市猪熊弦一郎現代美術館(MIMOCA)で、講師はグラフィックデザイナーの岡本健氏が努める。三越の長きに亘る歴史を伝えると同時に、地域貢献を果たす百貨店の姿を示す。
同プログラムは、約90分のワークショップとして三越店舗のある各地域の小学校や特別支援学校で開催する。授業の前半は、贈り物を「つつむ」際に込められた相手を慮る様式美や、三越の包装紙「華ひらく」のデザイン背景などを通して、デザインやアートの力について講義形式で学ぶ。後半は実際に包装紙をデザインするグループワークを開く。子供達と制作した包装紙は、三越で使用している包装紙と同様の紙とインクを用いて印刷し、主催する三越の各店舗で客に提供する包装紙の一部として、期間限定で使用する。
プログラムの監修は、包装紙のデザインを手掛けた猪熊弦一郎が幼少期を過ごした香川県の丸亀市猪熊弦一郎現代美術館(MIMOCA)。猪熊氏は戦後間もない頃、千葉の犬吠埼を散策中に海岸で波に洗われる石から着想を得て、「波にも負けず頑固で強く」、「自然のつくる造形の美しさ」をテーマに華ひらくを制作した。講師は、三越の包装紙の関連商品について監修し、サイトデザインなども担うグラフィックデザイナーの岡本健氏が担当する。相手の気持ちに配慮する「日本文化」の様式美や、「自然の持つ美しさや力強さ」、「身近な包装紙を題材にデザインを知るきっかけを得る」といった3つを軸に、子供達にレクチャーする。
開催スケジュールは、6月に銀座店主催の中央区京橋築地小学校、福岡店主催の福岡県立太宰府特別支援学校、7月に高松店主催の香川大学教育学部付属高松小学校がすでに決定している。8月には日本橋本店主催で、中央区教育委員会が後援し区内の各小学校から参加者を募集する。同月に札幌店と名古屋店でも開催を予定している。
「みんなでつくる華ひらく 共創包装紙教育プログラム」は、文化庁が中心となって推進する、日本の美を国内外に発信し次世代に伝え、さらなる未来創生を目指す「日本博2.0」参画プログラムに認証されている。三越伊勢丹HDは、地域社会との連携を強めるとともに、文化芸術教育への意義ある取り組みとして推進する。