キリンビール、人気のクラフトビールが中元ギフトに登場
キリンビールは、今年の中元ギフトセットを発売した。合計22種類のラインナップで、クラフトビールブランド「SPRING VALLEY」のビールが入ったセットも初登場する。中元・歳暮市場は年々縮小傾向にあるものの、今夏は例年以上に気温が上がるとの予測が出されている。よく冷えたビールのニーズが高まりそうだ。
同社の調査によると昨年の中元ギフト市場は、贈答者が減ったものの、1人当たりの贈答件数と購入金額は2021年と比べて増加したと推定される。カテゴリー別では2番目にビールギフトが選ばれており、同社の「キリン一番搾り生ビール(以下、一番搾り)」を中心としたギフトも市場全体に比べて好調だった。
ビールギフトでは“ちょっと良いもの”や“こだわり”を感じられる商品が選ばれる傾向にあり、直近ではクラフトビールのニーズが高まっている。こうした顧客動向を踏まえ、クラフトビールセットの販売を始めた。
クラフトビールブランド「SPRING VALLEY」は、基幹商品の「SPRING VALLEY豊潤<496>」(以下、豊潤<496>)と「SPRING VALLEYシルクエール<白>」(以下、シルクエール<白>)の2種類を展開。豊潤<496>は豊潤ながらすっきりとしたバランスの良い味わいが特徴。シルクエール<白>は、きめ細かな泡とまろやかな口当たりになっている。
今回の中元では、豊潤<496>の詰め合わせ「SPRING VALLEY 豊潤<496>セット」と、豊潤<496>とシルクエール<白>が入った「SPRING VALLEY 豊潤<496>・シルクエール<白>2種セット」を用意する。
豊潤<496>はさらなるおいしさを追求し、今年3月にリニューアルを実施している。希少な「日本産ホップ」を含む5種類のホップの比率を調整し、ホップを7日間漬け込む技術「ディップホップ製法」のホップを増量。これによりホップの華やかな香りを引き出し、苦味の質を穏やかにして、より心地よい後味へ進化した。顧客調査では、これまでクラフトビールを飲んでいなかったノンユーザーからも「満足感ある素晴らしい味わい」、「後味がよく食事にも合いそう」など高い評価を得ている。
中元ギフトではそのほか、「一番搾りセット」、「一番搾り プレミアムセット」、「一番搾り・一番搾り プレミアム飲みくらべセット」など、一番搾りシリーズを中心としたラインナップを揃える。同社は今年度(1~12月)の事業方針を「強固なブランド体系の構築」と「新たな成長エンジンの育成」の2つに定めており、「強固なブランド体系の構築」は一番搾りシリーズが中心となる。
今年1月から一番搾りをリニューアルし、さらにおいしさを進化させた。麦汁の仕込み工程を見直し、麦本来の澄んだうま味を最大限に引き出すことで、飲みごたえを向上。雑味と渋みを抑えた、飲みやすい後口を実現した。すると、4月の販売数量は前年比1割増で推移。客からは「麦芽のコク・苦味とのどごしの良さがしっかりあって良い」、「飲みやすく、後味が良くおいしい」と好評の声も多い。
4~5月にはリニューアルした一番搾りを体験できるリアルイベントを全国4都市で開催し、顧客接点の拡大も積極的に行っている。
5月8日に新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが5類へ移行するなど、コロナ禍は収束に向かっている。同社はビールを販売するだけでなく、コロナ禍で希薄になった「人と人とのつながり」をビールを通じて強め、ビール市場の活性化と同社のプレゼンスを高めていく方針だ。