三越日本橋本店、神田祭の開催に合わせ絵巻物や神輿を展示
三越日本橋本店は10~22日、「神田明神1300年 三越創業350周年―浮世絵や絵巻で見る―神田明神と神田祭展」を開催する。日本三大祭りの1つとされる「神田祭」が4年ぶりに行われるのに合わせて、神田明神が所蔵する神田祭に関する絵巻物や錦絵、浮世絵など約30点を、本館1階の中央ホールで公開・展示する。また20~21日の2日間、50年前に三越が神田明神に奉納し、神田祭の神幸祭で巡行する二の宮神輿も奉安(展示)する。創業時より氏子として神田明神の氏神のもと商売を営んできた同店は、歴史ある貴重な品々の展示を通して、江戸の“粋”を現代に伝える神田祭を紹介するとともに神田・日本橋エリアの街の魅力を伝える。主催は神田明神と神田祭展実行委員会で、入場料は無料。
同展は、新型コロナウイルスの流行による自粛期間を経て、4年ぶりに斎行される神田祭に合わせて催される。730年(天平2年)に創建し2033年に1300年目を迎える神田明神と、1673年(延宝元年)に創業し今年で350周年を迎えた三越。両者の長きに亘る歴史の節目にも触れ、展覧会に花を添える。
展示されるのは約30作品で、今回特別に公開される絵巻「神田明神祭礼絵巻 天・地・人」(3幅・全長約67mのうちの一部)をはじめ、歌川広重初代による浮世絵「名所江戸百景 神田明神曙之景」や、鳥居清長の描いた浮世絵「神田御祭礼 湯島六丁分 金沢町しうじやくの獅子おどりやたい」など、かつての神田祭の様子が伺い知れる貴重な品々が揃う。
20日と21日には、13日の神幸祭で巡行する二の宮神輿も展示される。二の宮神輿は1973年に、三越が創業300年を記念して神田明神に奉納し、75年より神幸祭で巡行している。少彦名命(すくなひこなのみこと)、通称えびす様の乗り物とされ、今年は「少彦名命奉祀150年」の記念すべき年でもあることから、2日間限定で展示される。
会場では、2019年(令和元年)5月に「天皇陛下御即位奉祝記念」として盛大に斎行された神田祭の様子を収めたDVDも放映される。絢爛豪華な大行列が、氏子の各町会を巡って町を祓い清める神幸祭や、神田の街を練り歩いて神田明神を目指す神輿宮入のダイジェスト映像などが観られる。