2024年11月22日

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23年以降に開業する主な大規模施設(後編)

「高輪ゲートウェイシティ」(仮称)のまちづくりで、まちのシンボルとなる「文化創造棟」(イメージ図)

今年に入り1月から商業施設のオープンが相次いでいる。24年以降も衰えはみられず開業が続く。商業施設の規模もデイリー対応型の小型店舗から店舗面積が6万㎡級の大型SCまである。それも商業施設単体だけでなく、複合型施設も多い。再開発事業などで建設される再開発ビルはオフィス・ホテル・住宅・商業、MICEなどが搭載された大規模複合型の高層ビルが目立つ。JRでは駅ビル建設、JRを含めた鉄道会社では立体交差事業で高架になった跡地に高架下商業施設を開設する動きが目立つ。

ここでは「マールク新さっぽろ」、「フォレストゲート代官山」、「ららテラス HARUMI FLAG」、JR東日本の「大井町駅周辺広町地区開発(仮称)」と「高輪ゲートウェイシティ(仮称)」、ジャパネットの「長崎スタジアムシティ」などの注目施設をクローズアップする。

前編はこちら

JR東日本グループが「高輪ゲートウェイシティ(仮称)」を中心に、浜松町駅から大井町駅に至る「東京南エリア」のまちづくりに注力している。その重要な柱となる開発事業「大井町駅周辺広町地区開発(仮称)」が今年4月、本体工事着工となった。同開発事業は品川区が策定した「大井町駅周辺地域まちづくり(2020年)」において、大井町エリアのまちづくりを牽引する役割を担う開発として位置づけられ、歩行者ネットワーク整備や防災分野などで品川区や周辺地域・事業者と連携して進めるまちづくり。JR東日本は大規模複合施設を、品川区は新区庁舎などを整備する。

賑わい、回遊性、防災などの向上に向けて整備するのが「歩行者ネットワークと広場の整備」。駅としながわ中央公園方面のエリアをつなぎ、周辺の高低差に対応した重層的な歩行者デッキを整備し、東西軸のアクセス性を高め、開発街区と南側のエリアをつなぐ東急大井町線高架下に新設する通路とも接続し、まちの回遊性を高める。また、賑わいと交流を生み出す場として複数の広場が整備される。

「大井町駅改良と交通広場整備」では、大井町駅東口駅舎の改良を行い、開発街区に直結する改札や出口の新設、コンコースの拡張を行う。また、駅の北側にバリアフリーでアクセスし、バスやタクシーなどが利用可能な交通広場を整備する。

「地域の防災力強化」では、品川区(新区庁舎やしながわ中央公園)との連携をとり、JR東日本が開発する街区では災害時に広域避難場所となる約4600㎡の広場を整備し、建物内に約3000人の帰宅困難者の受け入れを可能にする。

建設される大規模複合施設は、A-1地区に地下3階~地上26階の住宅・ホテル棟と、地下4階~地上23階のオフィス棟を、A-2地区に地下2階~地上2階の商業施設を整備。A-1街区の敷地面積は約2万2300㎡、延床面積が約25万㎡。A-2街区の敷地面積は約7100㎡、延床面積約9100㎡。

駅直結の利便性と開放的な空間を感じられる複合施設となり、高層部には東京南エリア最大規模となる基準階貸室面積約5000㎡のオフィスが、低層部に新しい働き方を支援するオフィスサポート機能が設けられる。オフィスゾーンの延床面積は約12万4000㎡、オフィス棟には約1万9700㎡の規模で商業施設も入る。

ホテルは(285室)は地域に開かれたラウンジ、都心の夜景や車両基地を一望できるルーフトップバーを備え、まちに開かれた、新しい大井町のシンボルとなるホテルを展開。賃貸住宅(290戸)は駅直結複合開発の利便性と高層階の眺望を兼ね備え、共用部には自然を感じられる開放的なエントランスやテレワークに対応したワークラウンジが設けられる。A-2地区の商業施設は低層部の緑豊かな歩行者ネットワーク沿いの開放的なアウトモールとなる。商業ゾーンにはシネマコンプレックスも加わる。

その他、憩いや交流の場となる広場が新設される。改札の前と歩行者ネットワークの中央に設けられる広場に加え、緑豊かで広々とした約4600㎡の広場も整備され、イベントや地域活動を通じて憩いの空間となり、災害時には広域避難場所として機能する。

敷地面積約7万4000㎡、総延床面積約84万9000㎡のまちづくりが進む品川開発プロジェクト(第Ⅰ期)の「高輪ゲートウェイシティ(仮称)」は、24年度末(25年3月)に「複合棟Ⅰ」及び高輪ゲートウェイ駅周辺エリア(広場、歩行者デッキ、高輪ゲートウェイ駅の全面開業)が開業の運びとなる。その他の「複合棟Ⅱ」、「文化創造棟」、「住宅棟」及び各棟周辺エリアが25年度中に開業の予定。

4街区の複合棟Ⅰは高輪ゲートウェイ駅前に国際交流拠点の象徴となるNorthとSoushのツインタワーが建設される。Northが地下3階~地上29階、Southが地下3階~地上30階。延床面積は両棟合わせて46万177㎡。両棟にはオフィス・ホテル・商業・コンベンション・カンファレンス・子育て支援施設・ビジネス支援施設などが入る。

3街区の複合棟Ⅱは泉岳寺に隣接する大規模複合棟。地下5階~地上31階、延床面積20万8164㎡のビルで、オフィス・商業・フィットネス・クリニック・子育て支援施設・エネルギーセンターなどが入る。

2街区の文化創造棟はまちのシンボルとなる施設。緑と木によって形作られたスパイラルの建物外装デザインはデザインアーキテクトの隈研吾氏が担当。文化創造棟(地下3階~地上6階、延床面積2万8952㎡)は展示施設、ホールなどを備え、次世代に向けた文化育成・交流・発信の拠点となる。

1街区にできる住宅棟(地下2階~地上44階、延床面積14万8294㎡)にはイクスパック(外国人ビジネスワーカー)にも対応した国際水準の高層高級賃貸住宅、テラス型住戸を含むレジデンス、低層部にインターナショナルスクール、商業施設が整備される。

その他、オープンスペースも充実され、高輪ゲートウェイ駅の改札から続く3.5ヘクタールのパブリックレルム(公共的領域)、総面積約2万㎡に及ぶ広場空間などが整備される。駅直結の約6500㎡の広場や、歩車分離された、南北に約1.1キロメートルの歩行者空間ができる。ちなみに街区内の商業施設はルミネがあたる。大井町駅周辺広町地区開発(仮称)の商業施設はアトレが運営。

24年に完成する「長崎スタジアムシティ」はジャパネットグループ(事業主:ジャパネットホールディングス、企画運営:リージョナルクリエーション長崎)が長崎駅近く(徒歩で10分)にサッカースタジアムを中心に、アリーナ・オフィス・商業施設・ホテルなどを民間主導で開発するプロジェクト。その規模は敷地面積約7.5ヘクタール、建築面積約4万4800㎡、延面積19万4000㎡、総工費約800憶円。

約2万席の客席が完備されるスタジアムはプロサッカークラブ「V.ファーレン長崎」の新たなホームスタジアムとなる。日本にこれまでなかった革新的なスタジアムの創造に挑戦し、試合前の選手たちに声援を届けられるプレイヤーズラウンジや観戦しながら飲食できるフードホールなどを設け、臨場感あふれる日本一ピッチに近いスタジアムとして新しい観戦体験を提供する。

約6000席の客席を完備するアリーナはプロバスケットボールクラブ「長崎ヴェルカ」のホームアリーナとなる。新しい体験を提供する多機能・可変型アリーナとして音楽コンサートやイベント会場としての機能も兼ね備え、アリーナ屋上にフットサル、サブアリーナ屋上に3×3コートが設置される。

ホテルは客室やプール、サウナ、レストランなどホテルの各所からスタジアムを望むことができる、開放感にこだわったスタジアムビューホテル(約243室)、スタジアムを一望できるプール・サウナをはじめ、長崎の夜景が望めるルーフトップBAR、アーティストのパフォーマンスとともに長崎を堪能できるライブレストラン、イベントと連動した朝食ブッフェなどがここならではの体験を提供する。

賃貸オフィスとシェアオフィスの2形態からなるオフィス棟(オフィス面積約1万3900㎡)は県内最大級。賃貸オフィスは1フロア660坪超あり無柱空間。スタジアムを一望できる最上階には企業間の交流を促す、入居者専用のシェアラウンジを設置。また、集中ゾーン、リラックスゾーンなど、働く人の生産性向上につながるワーキングスペースを整備。シティ内に託児所も設置される。

商業施設はスタジアムを回遊でき、試合がない日でも利用できるアウトモール型のショッピングモール。これまでにない新たな視点で長崎の魅力を伝えるセレクトショップや、地元ならではの味を気軽に楽しめる名店など、長崎の魅力が感じられる店舗を一堂に集結する。スタジアムシティ内にブルワリーカフェが設置されクラフトビールを堪能できる。屋外では季節限定のマーケットを始めとした多様なイベントが開催される予定。

 

■2024年以降に竣工・開業する商業施設・複合施設■
○Shibuya Sakura Stage(23年11月30日竣工、以降順次開業)

事業主体:東急不動産が参画する渋谷駅桜丘口地区市街地再開発組合 所在地:渋谷区桜丘町123番 他

渋谷駅桜丘口地区第一種市街地再開発事業で開発される「働・游・住」を兼ね備えた大規模複合施設(延床面積約25万4700㎡)。オフィス・商業施設・住宅・サービスアパートメント・子育て支援施設・国際医療施設・起業支援施設などからなる。A街区のSHIBUYAサイドに地上39階の「SHIBUYAタワー」と地下4階~地上17階の「セントラルビル」、B街区のSAKURAサイドに地下1階~地上30階の「SAKURAタワー」、C街区に教会等が建つ。商業施設は店舗面積約1万5200㎡に多種多様なテナントが出店する

○長崎スタジアムシティ(24年開業)

事業主体:リージョナルクリエーション長崎 所在地:長崎県長崎市幸町

ジャパネットグループがサッカースタジアムを中心にアリーナ・オフィス・商業施設・ホテル等の周辺施設を民間主導で開発するプロジェクト。約2000席を有するスタジアはプロサッカークラブ「V・ファーレン長崎」の新たなホームスタジアム。約6000席の客席を完備するアリーナはプロバスケットクラブ「長崎ヴェルカ」のホームアリーナ。その他、長崎県最大級のオフィス棟、約90店舗からなる365日利用できる商業施設、日本初のスタジアムビューホテル等が整備される。敷地面積約7.5ha、建築面積約4万4800㎡、延面積19万4000㎡

○先客万来施設(仮称)(24年2月1日開業)

事業主体:万葉倶楽部 所在地:ゆりかもめ・市場前駅前

豊洲市場の場外エリアに開業する同施設は、商業棟の「豊洲場外江戸前市場(仮称)」(地下1階~地上3階、延床面積約1万4690㎡)と温泉棟の「東京豊洲万来倶楽部(仮称)」(地下1階~地上9階、同1万9095㎡)からなる。商業棟では豊洲ならではの新鮮な食材を活かした飲食・物販店舗を展開し、伝統的な建築素材や木造建築によって江戸の古い街並みを再現したオープンモールを計画。温浴棟では箱根・湯河原温泉の湯を運搬して提供。屋上には豊洲の景観を一望できる展望足湯庭園を2カ所設置する

○青森駅東口ビル開発(24年度開業)

事業主体:JR東日本 所在地:JR青森駅東口駅舎跡地

青森駅東口に建設される新駅ビルは10階建て、延床面積約1万7800㎡。1階~3階までが商業施設(JR東日本青森商業開発が運営)、4階に行政施設(青森市の市民美術展示館)、5階機械室、4階一部と6階~10階までがホテル(4階フロント、6階~9階・客室145室)。青森駅の駅ビル「ラビーナ」と2~3階が連絡通路で接続される

○横浜シンフォ ステージ(仮称)(24年竣工)

事業主体:みなとみらい21中央地区53街区開発事業者共同事業体 所在地:53街区(横浜市西区みなとみらい5丁目1番1 他)

みなとみらい大通りと、すずかけ通りに面するオフィスビルで、地下1階~地上30階、高さ約158mの「ウエストタワー」(オフィス、ホテル、店舗等)と、地下1階~地上16階、高さ約90mの「イーストタワー」(オフィス、オープンイノベーションスペース、店舗等)からなる大規模複合施設。2棟の延床面積は約18万3132㎡。低層部に飲食・物販等の店舗、オープンイノベーションスペースといったアクテビティ施設を整備

○三井ショッピングパーク ららテラスHARUMI FLAG(〈仮称〉晴海選手村商業棟計画)(24年春開業)

事業主体:三井不動産 所在地:HARUMI FLAG内(中央区晴海5丁目)

2020年東京五輪選手村跡地の新築住宅として整備されるHARUMI FLAG内に立地。晴海エリアの“新たな日常”を支えるライフスタイル型商業施設として、HARUMI FLAG及び周辺地域居住者を対象に、生活便利機能が揃う日常を演出するMDを展開。店舗数は約40店舗。敷地面積は約1万3000㎡、延床面積は約1万9800㎡、店舗面積は約1万100㎡。HARUMI FLAGは5632戸に約1.2万人が居住する大規模住宅開発

○(仮称)垂水駅南ビル開発事業(24年春開業)

事業主体:JR西日本アーバン開発 所在地:JR垂水駅南側(神戸市垂水区)

エリアに住む人や駅利用者などを対象に、より豊かな暮らしを創出するライフサポート型の駅ビルとして、デイリーユースの物販店舗やカフェ・クリニック等を誘致する。地上4階建て、建物面積約995㎡。23年5月中旬に工事着手予定

○(仮称)nonowa国立SOUTH(24年春開業)

事業主体:JR中央線コミュニティデザイン 所在地:JR国立駅南口

駅密着商業施設「nonowa国立」のある国立駅の南口に建設される木造商業ビル。大林組の中高層木造建築の技術を導入し、ビルの構造部等へ木材を使用することでCO2の固定化、森林資源の循環利用を促進する。内装仕上げ等には地域木材の多摩産材を使用する。地上4階建て、延床面積約2450㎡。主要用途は物販・飲食・サービス等

○プリズム福井(24年春開業)

事業主体:金沢ターミナル開発 所在地:JR福井駅高架下

24年春の北陸新幹線の敦賀延伸・福井駅開業に合わせ、新たな新幹線高架下及び在来線の高架下を一体利用した新商業施設をオープンする。店舗面積は現在の約2700㎡に新幹線高架下の約1000㎡が加わり、合計で3700㎡となる。プリズム福井は23年5月末に閉館となり工事に入る

○竹ノ塚駅高架下商業施設計画(24年春開業)

事業主体:東武鉄道 所在地:竹ノ塚駅高架下

22年3月に東武スカイツリーライン竹ノ塚駅が高架になり、その跡地に開発される高架下商業施設。同跡地をⅠ街区・街区街広・Ⅱ区街・Ⅲ区街に分けて施設づくりを進める。「彩りを日常に」を開発コンセプトに、人が集い、賑わいを生み出し、未来へのファーストステップとなるような個性豊かな商店街を目指す

○(仮称)牛島パークWEST(24年春頃開業)

事業主体:富山ターミナルビル 所在地:JR富山駅西側エリア

富山駅西の複合商業施設計画。富山駅周辺の立体交差事業によって高架化になり、その跡地に商業施設が開発される。開発場所は旧北陸本線の敷地やあいの風とやま鉄道高架下等を対象に、エリアを西・東・中央の3つに分け、ゾーンごとに店舗が誘致される

○(仮称)向ヶ丘遊園商業施設計画(旧ダイエー向ヶ丘店跡地)(24年春頃開業)

事業主体:野村不動産 所在地:川崎市多摩区登戸

分譲住宅(総戸数168戸)+商業施設一体型の複合開発プロジェクト。地域密着型ショッピングセンターを開業予定。商業施設の敷地面積約5653㎡(住宅約5577㎡)、地上3階建て、延床面積約9448㎡

○グラングリーン大阪(GRAND GREEN OSAKA)(うめきた2期地区開発事業)(24年夏頃先行まちびらき)

事業主体:三菱地所を代表企業とするうめきた2期開発事業者JV9社 所在地:大阪駅前の貨物ヤード跡地(大阪駅北大深西地区)

先行開発した大規模複合施設「グランフロント大阪」に続く貨物ヤード跡地の大規模複合開発(地区面積約9万1150㎡)。約4万5000㎡の都市公園(〈仮称〉うめきた公園)、オフィス(総貸室面積約3万4000坪の大規模オフィス)、イノベーション施設等の中核機能、ホテル(3ホテル)、商業施設(南街区と北街区の低層部に約1万5500㎡の規模で配置)、住宅等を有するまちを誕生させる。全棟(5棟)合わせた延床面積約54万4050㎡。24年夏頃に北街区のホテル・中核機能施設・商業施設及び都市公園の一部が先行開業。25年春頃に賃貸棟(南街区のオフィス・ホテル・中核機能施設・商業施設)が全面開業。27年度に全体まちびらき

○ゆめが丘大規模集客施設(24年夏開業)

事業主体:相鉄アーバンクリエイツ・相鉄ビルマネジメント 所在地:相鉄いずみ野線ゆめが丘駅前(横浜市泉区)

泉ゆめが丘センター地区地権者会から相鉄グループが開発事業者に選定され、「泉ゆめが丘地区土地整理事業」の一環となる大規模集客施設を開発。同土地整理事業のエリア内に分譲・賃貸マンションの建設、ゆめが丘駅のリニューアル、駅周辺の高架下空間の開発等を行う。地上3階建ての大規模集客施設、地上1階建て+屋上駐車場の大規模集客施設、立体駐車場棟が建てられる。街区面積約4万3000㎡、延床面積約9万6800㎡、店舗面積約4万2700㎡(約140店舗を予定)

○所沢駅西口開発計画(24年秋開業)

事業主体:西武リアルティソリューションズ・住友商事・住商アーバン開発 所在地:所沢市東住吉(西武鉄道所沢車両工場跡地)

約3万4000㎡の敷地に店舗面積約4万3000㎡、店舗数約150店舗、駐車場台数約1700台、地上7階建て(商業フロア1~4階までの4層)の広域集客型商業施設を開発する。都市と郊外の2つの魅力を享受できる「所沢スタイル」を創造・発信する施設として、多様な店舗が集積され、映画館、フードコート、広場空間、屋上広場等も設けられ、自然・体験・体感・エンターテインメント等を提供する

○京橋一丁目東地区計画(24年9月竣工、同年秋に街区全体が完成)

事業主体:戸田建設 所在地:中央区京橋1-7-1

TODA BUILDING(ビル名、街区名は京橋彩区)と、アーティゾン美術館が入る隣接の「ミュージアム京橋」(19年7月竣工)とでなる大規模開発。戸田建設が本社建て替えを機に建設されるTODA BUILDING(地下3階~地上28階、延床面積約9万4813㎡)は高層部の賃貸オフィスと低層部の芸術文化エリアで構成され、1~6階の美術文化エリアにミュージアム、ホール&カンファレンス、ギャラリーコンプレックス、創作交流ラウンジ、アートショップ&カフェ等で構成される。8~12階が戸田建設オフィスフロア、13階がビジネスサポート施設、14~27階がテナントオフィスフロア

○広島駅ビルの建替え計画(25年春開業)

事業主体:JR西日本・JR西日本不動産開発・中国SC開発等 所在地:広島県広島市南区

商業・ホテル・駐車場からなる駅ビル(地下1階~地上20階、延床面積約11万1000㎡)。商業は店舗面積約2万5000㎡のショッピングセンター(運営は中国SC開発)及びシネマコンプレックスを予定する。多種多様な店舗を揃え、広島への来街者、駅利用者、地域住民が利用できる施設に。ホテルは高層階に400室規模の「ホテルヴィスキオ」が入る。駐車場は駅ビル直結(約500台)と駅北西に別棟駐車場(約400台)を計画

○原宿クエスト建替え計画(25年春竣工)

事業主体:NTT都市開発 所在地:渋谷区神宮前

新生・原宿クエストは「ウィズ原宿」(20年開業)近くの表参道に面し、ウィズ原宿同様、敷地内に奥原宿に抜けるパサージュ(路地)を設けて回遊性を高め、緑豊かな、歩いて楽しい街づくりをする。地下2階~地上6階の7フロア(延床面積約7800㎡)で構成される複合施設。個性あふれる世界の原宿カルチャーを追求する多様なテナントが誘致される

○金町SCプロジェクト(第Ⅰ期=25年春、第Ⅱ期=30年夏開業)

事業主体:三菱地所・三菱地所プロパティマネジメント 所在地:葛飾区東金町1丁目3700

「東金町一丁目西地区第一種市街地再開発事業」によってJR金町駅北口の西側に位置する3.0haのエリアに、Ⅰ期(地下1階~地上5階)に商業棟・自動車教習所、Ⅱ期で商業棟(地下1階~地上4階)と住宅棟(地下1階~地上40階、約900戸)が建設される複合再開発。全延床面積は約15万9330㎡。商業についてはⅠ期の商業棟に店舗、Ⅱ期の商業棟に店舗と葛飾区の公益施設、住宅棟の低層部にも店舗が入る。店舗面積は約1万9970㎡、店舗数約120店舗を計画。家電などの大型専門店から大型スーパー、飲食・食物販・物販店・サービス、フードコート等が入居予定

○FIRSTA koiwa(ファスタ小岩)(Ⅰ・Ⅱ街区=竣工済み、Ⅲ街区=25年11月竣工)

事業主体:南小岩六丁目地区市街地再開発組合 所在地:JR小岩駅前(江戸川区南小岩6丁目及び7丁目)

南小岩六丁目地区第一種市街地再開発事業で進められているファスタ小岩(街区名)は100年栄える街づくりを目指している。小岩の魅力を発信するⅠ街区(地上10階、延床面積約7100㎡)の商業ビルは「FIRSTA Ⅰ」として営業中。生活サービスの拠点となるⅡ街区(地下1階~地上22階、同約2万9000㎡)は住宅(プラウドタワー小岩ファースト)・商業・業務等が入る。賑わい拠点となるⅢ街区(地下1階~地上33階、同約5万2700㎡)は住宅・商業・駐車場で構成され、26年3月期に開業予定

○大井町駅周辺広町地区開発(仮称)(23年4月工事着手、25年度末開業)

事業主体:JR東日本 所在地:品川区広町2丁目及び大井町1丁目各地内

大井町エリアのまちづくりをけん引する役割を担う開発で、JR東日本が大規模複合施設を、品川区が新区庁舎等を整備する。品川区が整備する街区と一体で施設整備や機能の配置を行い、賑わいと回遊性、防災力の強化を目指す。A-1街区(地下3階~地上26階、延床面積約25万㎡)にオフィス・商業・ホテル、賃貸住宅・駐車場が入る。A-2街区(地下2階~地上2階、約9100㎡)は商業・駐車場の用途となる。商業(運営:アトレ)は開放的なアウトモール型の商業施設を展開。シネマコンプレックスも搭載する

○(仮称)心斎橋プロジェクト(26年2月竣工)

事業主体:ヒューリック、心斎橋開発特定目的会社、パルコ等5社 所在地:大阪市中央区南船場

同プロジェクトは心斎橋プラザビル(本館・東館・新館)と心斎橋フジビルを建て替え、大阪・心斎橋のランドマークとなるエリア最大級の複合施設を開発する。地下2階~地上28階、延床面積約4万6241㎡の規模で、店舗・宿泊施設・事務所で構成され、低層階にはラグジュアリーブランドが入るメゾネット店舗(2~3階)を計画。上層階にはヒューリックグループが運営する「ザ・ゲートホテル」が誘致される

○HARBOR EDGE PROJECT(26年9月竣工予定)

事業主体:BMD62 所在地:62街区(横浜市西区みなとみらい6-3-2 他)

グローバルラグジュアリーホテル&ホテルコンドミニアムを中核として、水族館、商業施設等を併設するウォーターフロントの立地を活かした複合施設。敷地面積約2万2000㎡、地下2階~地上14階、延床面積約8万2660㎡。水族館は1~3階に入る模様

○中野駅新北口駅前エリア拠点施設整備事業(28年度竣工予定)

事業主体:野村不動産(5社JVの代表事業者) 所在地:中野区中野4丁目2-47 他

現中野区役所・中野サンプラザを含む約2.3haに及ぶ大規模複合再開発。主要用途はホール・オフィス・住宅・ホテル。中野の新たなシンボルとなる文化やコミュニティ形成の拠点を目指す。現中野サンプラザ(約2200席)の3倍超となる最大約7000人収容の大ホールが計画されている。延床面積は約29万8000㎡

○西麻布三丁目北東地区第一種市街地再開発事業(28年度竣工)

事業主体:野村不動産、ケン・コーポレーションが参加している西麻布三丁目北東地区市街地再開発組合 所在地:港区西麻布3丁目及び六本木6丁目各地内

「六本木ヒルズ」に隣接する約1.6haの複合再開発事業。地下4階~地上54階建ての超高層棟(高さ約200m、延面積約9万7010㎡)に住宅・事務所・商業機能を導入するのをはじめ、六本木エリアに相応しい外資系ラグジュアリーホテルブランドを誘致する。併せて都市計画道路のテレビ朝日通りの拡幅や六本木ヒルズを含む周辺地区との回遊性を高める歩行者デッキの整備、地域の拠点となるオープンスペース(広場)を整備。また、地区内の3つの寺を再整備して街の歴史を継承していく

○キャナルシティ博多イーストビル建替え計画(開業未定)

事業主体:福岡地所 所在地:福岡市博多区祇園町

博多イーストビルを建て替えて新たに建設するのは、都心部の洗練されたライフスタイルを実現する商業施設やハイクラス賃貸レジデンス、短期から長期滞在まで国内外客の幅広い需要に応えるサービスアパートメントなどからなる複合施設。現在のイーストビルは23年5月に閉館予定

 

(塚井明彦)