日本ファッション協会、「日本クリエイション大賞 /シネマ夢倶楽部表彰」表彰式を開催
2023/04/04 12:28 pm
日本ファッション協会は3月28日、「日本クリエイション大賞 2022/第20回シネマ夢倶楽部表彰」の表彰式を開催した。魅力的な映画や上質な作品を応援するシネマ夢倶楽部表彰は、石川慶監督の「ある男」がベストシネマ賞1位を受賞。クリエイティブな視点で生活文化の向上に貢献した人物や事象を表彰する日本クリエイション大賞は、新潟県燕市のツインバードが大賞に選ばれた。
シネマ夢倶楽部表彰は、その年に一般公開された推薦映画作品の中から“心に沁みる”ベストシネマを選出する「ベストシネマ賞」、映画を通して文化や生活、社会の発展などに貢献のあった団体に贈る「シネマ夢倶楽部賞」、新しい時代の映画や新進気鋭の若い才能に贈る「推薦委員特別賞」などがある。
今回、ベストシネマ賞の第1位に「ある男」、第2位に「マイ・ブロークン・マリコ」、第3位に「ベルファスト」が選ばれた。シネマ夢倶楽部賞は渋谷の独立系ミニシアターの「シアター・イメージフォーラム」、推薦委員特別賞は早川千絵監督、伊東蒼さん、磯村勇斗さん、「20周年記念賞」は山田洋次監督、安藤サクラさんが受賞した。
山田監督は受賞にあたり、「私が映画界に入ったのは1950年代後半ですが、その頃の邦画は本当に輝いていました。『羅生門』、『東京物語』、『雨月物語』といった世界の映画史に残る傑作が続々と誕生していた時代です。今の日本の映画界は厳しい状況にありますが、私は『この国の映画を何とかしたい、輝かしい時代に戻したい』という想いで働いています。今日ここにいる皆様にも、日本の映画のために力を貸して頂きたい」と日本の映画界に対する想いを語った。
安藤さんは「私が初めて映画に出たのは9歳の頃で、その時に改めて映画の現場に憧れを抱きました。そして15歳の時に映画の現場に心底惚れて、今もその憧れを持ち続けています。これからもずっとそのまま、ワクワクした気持ちを持ちながら頑張っていきたいと思います」と話した。
日本クリエイション大賞 2022は、ツインバードが大賞を受賞。同社は2003年、環境に優しい冷却システム「FPSC(フリーピストン・スターリングクーラー)」の商用量産化を、世界に先駆けて成功していた。
FPSCの技術は様々な場で活用されてきたが、20年のコロナ禍でワクチンを保管する技術として注目され、運搬庫の1つに選ばれた。同社はワクチン運搬・保管用に改良された「ディープフリーザー」を21年2月までに厚生労働省に5000台、4月に製薬会社に5000台を納品した。
野水重明社長は「FPSCの開発は、先代社長である父(野水重勝氏)が決めました。父や社員は開発を決して諦めることなく、それがワクチン運搬庫の採用へとつながり、今回の受賞に至りました。社員の皆や燕三条地域の協力企業をはじめ、ご支援頂いた全ての皆様に感謝しております」と挨拶を述べた。
日本クリエイション大賞 2022は、加えて「インフラ技術賞」、「よりどころ賞」、「きらり技術賞」の3件を選考。インフラ技術賞の西日本高速道路と三井住友建設は、さびない橋を世界で初めて高速道路で実用化した。よりどころ賞の一般社団法人ともしび at だんだんは、12年に東京都大田区にこども食堂を開き、地域のよりどころとなっている。きらり技術賞のYSテックは従業員が25人の中小企業だが、1000度の高熱に耐えるバーコードラベルを開発し、世界シェア100%を誇る。
(都築いづみ)