2023年2月 全国百貨店売上高
売上高と入店客数が共に2桁増の12カ月連続プラス、セレモニー需要で春物商品好調
日本百貨店協会が調査した全国百貨店(70社・182店)の2月売上高は3803億円余で、前年比(店舗調整後)は20.4%増となり、12カ月連続でプラスだった。入店客数は22.5%増で、同じく12カ月連続で2桁プラス。同協会は「前年のまん延防止等重点措置の反動に加え、外出機会の増加やオケージョン需要から衣料品・服飾雑貨が好調に推移し、増勢が続く高額商材や急伸するインバウンドがけん引した」と総括した。各社が展開した外商催事、会員施策、バレンタインや恵方巻などの歳時記イベントも盛況だった。コロナ禍前との比較では、2019年比は6.8%減、入店客数は18.5%減だった。
3カ月移動平均値は12~2月が11.2%増、11~1月が7.1%増、10~12月が6.2%増、9~11月が11.1%増、8~10月が18.4%増、7~9月が17.6%増。昨年10月~今年1月はやや伸び悩んだが、再び2桁増のプラスに転じた。
国内と海外の顧客別では、水際緩和と円安の影響でインバウンドが314.3%増と11カ月連続で高い伸びを示した。シェアは国内が95.4%、インバウンドが4.6%で、国内は12カ月連続のプラスとなる16.5%増。19年比ではインバウンドが45.7%減、国内が3.5%減だった。
地区別では、全地区が2桁増で前年を超えた。インバウンドで都市が23.1%増と17カ月連続でプラス。地方は13.2%増と2カ月連続でプラスだった。
商品別では、全品目がプラスとなった。衣料品や服飾雑貨は、卒入学関連やブライダルなどのセレモニーの買い替えニーズに加え、春物商材などが好調だった。美術・宝飾・貴金属など高額品は、ラグジュアリーブランドや時計を中心に増勢が続いており、一部アイテムでは引き続き価格改定前の駆け込みもみられた。
食料品では、菓子と惣菜が18カ月連続増と好調に推移し、人気の物産展など食品催事が盛況だった。各社が趣向を凝らしたバレンタイン商戦は、限定品や自家需要、イートインや関連スイーツなどの企画が好評だった。
(北田幹太)