2023年2月 東京・大阪地区百貨店売上高
18カ月連続プラス、マスク着用緩和で口元アイテムやベースアイテム好調
日本百貨店協会の調査によれば、東京地区百貨店(12社・22店)の2月売上高は1111億円余で、前年比(店舗調整後)は20.4%増と18カ月連続でプラス。入店客数は19.3%と売上高とともに2桁増となった。同協会は「前年のまん延長防止等重点措置の反動に加え、各社の組織顧客向け施策が奏功したほか、歳時記やインバウンド需要が売上げを押し上げた」と総括した。コロナ禍前との比較では、2019年比が4.6%減と回復傾向は続いている。
3カ月移動平均値は、直近の12~2月が14.6%増、11~1月が11.0%増、10~12月が10.3%増、9~11月が16.2%増、8~10月が26.3%増、7~9月が26.5%増。昨年9月以降は10%台の伸び率が続き、やや勢いに陰りがみられたが、同12月~今年2月では盛り返した。
商品別では、主要5品目全てプラスとなった。主力の衣料品は17カ月連続のプラスとなる31.2%増。卒入学などのオケージョン商材が好調だった。婦人服ではブラウス、セットアップ、ジャケットなどが伸長したほか、紳士・婦人はトラベル需要からカジュアルウエアやシューズに動きがみられた。また、平年より気温が高めに推移したことで春物アイテムが動いた一方、急な気温の低下からコートなど重衣料の需要も生じるなど、天候要因は端境期の商材双方にとって好影響をもたらした。
身回り品は、ラグジュアリーブランドのギフト需要もあり31.9%増で18カ月連続プラスの増勢が続き、スーツケースなどの旅行用品も好調だった。21.5%増で同じく18カ月連続プラスの雑貨は、高級時計を中心に好調を維持し、化粧品はマスク着用緩和を受けて、口元のアイテムなどベースアイテムにも動きがみられた。
食料品は18カ月連続のプラスとなる5.8%増で、行動制限がない中で実施された各社のバレンタイン商戦が大幅に伸長し、特設したイートインスペースも盛況で顧客の店頭回帰が顕著にみられた。菓子は個人・法人の手土産需要の増加、惣菜は恵方巻の好調もあり、共に24カ月連続増となった。生鮮食品は価格高騰や寒波の影響などもあり、5カ月連続減と苦戦している。
(北田幹太)