2024年11月22日

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売上高と入店客数が共に11カ月連続プラス、全地区が前年越え

日本百貨店協会が調査した全国百貨店(71社・185店)の1月売上高は4311億円余で、前年比(店舗調整後)は15.1%増となり、11カ月連続でプラスだった。入店客数は14.4%増で、同じく11カ月連続でプラス。同協会は「前年のまん延防止等重点措置の反動に加え、行動制限のない初商は盛況で、クリアランスや、各社が企画した物産展等の催事も集客と売上げに寄与した。季節商材の福袋も、物価高を受け食料品など生活必需品を中心に好調だ」と総括した。昨年10月の水際緩和以来、回復傾向を強めているインバウンドも売上げを押し上げた。コロナ禍前との比較では、消費増税の反動が残る2020年比では6.2%減、特殊要因のない19年比では9.5%減だった。

3カ月移動平均値は11~1月が7.1%増、10~12月が6.2%増、9~11月が11.1%増、8~10月が18.4%増、7~9月が17.6%増、6~8月が14.7%増。伸びは鈍くなっているもののプラス基調が続く。

国内と海外の顧客別では、水際緩和と円安の影響でインバウンドが331.5%増と高伸長と10カ月連続で前年を上回った。シェアは国内が95.5%、インバウンドが4.5%で、国内は11カ月連続のプラスとなる11.3%増。20年比ではインバウンドが39.1%減、国内が3.8%減だった。

地区別では、全地区で前年を超えた。インバウンドの効果もあり都市が18.4%増と16カ月連続でプラス。地方は6.2%増と3カ月ぶりにプラスに転じた。

商品別では、主要5品目全てプラスとなった。外出機会の増加や気温低下で好調だった防寒商材と、引き続き需要の強い高付加価値な特選商材がけん引。衣料品ではコートなど重衣料のほか、オケージョンアイテムも動いた。身のまわり品や美術・宝飾・貴金属などの高額品は、ラグジュアリーブランドのバッグや時計を中心に増勢が続いており、価格改定前の駆け込みもみられた。食料品では、生鮮食品が年始需要などから5カ月ぶりにプラスとなり、惣菜と菓子は共に17カ月連続増。菓子は帰省、手土産のほか、インバウンドも好調に推移している。バレンタイン商戦では、インターネット通販の先行販売や限定品、サステナブルなどテーマ性のある商品の人気、旺盛な自家需要で好調な滑り出しとなっている。

(北田幹太)