阪急うめだ本店、“自然共生型ライフスタイル”を提案する売場を新設へ
阪急阪神百貨店は阪急うめだ本店の8階の約4割を刷新し、生活提案型の売場を4月12日に開く。自主編集売場、ショップ、レンタルや修理、リメイク、不要品の下取りなどのサービスを手掛ける拠点、イベントスペース、販売を主目的としない「b8ta Osaka – Hankyu Umeda」(以下、ベータオオサカ)からなり、「人と自然の共生」をコンセプトに、衣料品や雑貨、化粧品、食品を集積。装飾には間伐材を、レストスペースにはアップサイクルした資材を、柱と床には空気中の二酸化炭素を吸収する漆喰を使用するなど、品揃えから環境、サービスまで“自然共生型ライフスタイル”を提案し、環境問題などに関心が強い客を呼び込む。
売場の名称は「GREEN AGE(グリーンエイジ)」で、面積は約2300㎡。阪急阪神百貨店が「ワールド」と呼ぶ、同一のコンセプトでまとめられたゾーンだ。自主編集売場「GREEN AGE EDIT(グリーンエイジエディット)」は「都会的な感覚でアウトドアや農作業を楽しむ、自宅で自然を感じる、自然の中での遊びの幅を広げる。“家、自然、街の中を行き来しながら、自然と共生するライフスタイル”の実現をサポートするブランドを集める」(同社)。E-BIKEやカヤックなども扱うという。内装にはタイニーハウスを活用する。
ショップは「プラダ」や「ミュウミュウ」、「メゾン キツネ」、「ニュートラルワークス.」、「ニューバランス」、「プーマ」、「イソップ」、「アスレティア」、「エイディーエイ ラボ ウメダ」、「ベアフット ドリームズ」、「エーグル」、「ベス」など約40に上る。新しいコンセプトショップも多く、中でも「ステラズ ワールド バイ ステラ マッカートニー」は阪急阪神百貨店とステラ マッカートニーが共同開発した「世界初の体験・実験型コンセプトストア」(同社)。ヴィーガンやベジタリアンに向けたメニューを提供するカフェとサステナブルな素材でつくられた商品を販売するショップで構成する。
イベントスペース「COMMUNITY PARK(コミュニティパーク)」は「“自然との触れ合いを楽しむ”、“ウェルビーイングを叶える”、“持続可能な暮らしを叶える”ための体験や学びを臨場感たっぷりに提供し、自然共生の価値観を共有できるコミュニティ・ハブを目指す」(同社)という。
また、レンタルやリユース品の販売、修理、リメイク、不要品の下取りなどを行う「RE CONCIERGE(リ コンシェルジュ)」も設ける。
ベータオオサカは8階の中央に位置し、約40の商品をラインナップ。空気から水をつくり出すウォーターサーバー「Kara Pure」をはじめ、日本に初上陸する商品も含まれる。
売場の環境にも人と自然の共生を組み込んだ。中央の天井に設置する櫓(やぐら)には、大阪府内で出た間伐材を採用。将来的な再資源化を見据え、できるだけ釘や接着剤を使わず、伝統的な木組みの技術を生かす。レストスペースには阪急うめだ本店の建て替え工事で土中から出てきた木材を用い、そのイスの一部には阪急阪神百貨店の各店から回収した、廃棄予定だった衣料品をアップサイクルした資材を使う。什器も従来と異なり、部品を組み替えて様々な用途に対応できるようにして、ムダを省く。
グリーンエイジは「ミレニアルファミリーをコアターゲットに、パートナーや仲間との絆を大切にする都市生活者に向けた新しい自然共生型ライフスタイルを提案し、人と社会と環境が調和した豊かな未来を共創したい」(同社)という。