2024年11月22日

パスワード

購読会員記事

東武池袋本店に「ダイソー」ら3ブランド 都内最大級の規模

都心の百貨店に出店するのは初となる

東武百貨店池袋本店は22日、6階に100円ショップ「DAISO(ダイソー)」をオープンした。同じく大創産業が手掛ける、300円の価格帯を中心とした「Standard Products」、「THREEPPY」も導入。売場面積は計約2400㎡で、都内では最大級の規模となる。

同店の6階は、家具店「ニトリ」が入っていた。しかし、ニトリが昨年11月に旧東急ハンズ池袋店へ移転。大創産業はすでに池袋エリアに2店を構えていたが、3業態を展開できる大規模な店舗を出したいと考えていたため、出店へと至った。

「DAISO/Standard Products/THREEPY 池袋東武店」は、3業態の複合ショップとしては都内で2店目となる。売場面積は、昨年オープンしたマロニエゲート銀座店の約1.4倍。同社の旗艦店と位置付け、「売上げでも世界一を目指す」(執行役員店舗開発本部本部長の渡邊有和氏)構えだ。

目玉となるのが「推し活コーナー」。推しのカラーを選べる“メンカラ”グッズが並ぶ

ダイソーは売場面積が約1838㎡、約5万SKUを揃える。同店ならではの特色として、ダイソー初となる「推し活コーナー」を設けた。池袋はサブカルチャーの発信地のため、親和性が高いと考えた。うちわやシール、メンバーカラ―の小物などを揃え、推しのマスコットなどと一緒に写真を撮れるフォトスポットも用意する。

化粧品も豊富に揃える

加えてコスメ、食器・キッチン用品、リビング収納、キャラクターグッズ、食品、服飾雑貨、文具などを擁する。イベントコーナーも設け、現在は入学・入園など、シーズンに適したアイテムを用意する。

「Standard Products」は、ベーシックで洗練されたデザインに特化したブランド

Standard Productsは、売場面積約357㎡に約2000SKUを取り揃える。同ブランドはリビング用品・テーブルウエア・雑貨などの日用品を扱い、地域産業との協業にも力を入れている。今回は池袋に本社がある日本香堂とコラボしたお香(全5種、330円)を先行で販売する。

「THREEPPY」では、アクセサリーも数多く揃える

THREEPPYは「大人可愛い」を追求するブランドで、ブランドのコンセプトカラーであるくすみピンクやブルーのグッズを、カラーごとにディスプレイする。トレンドのボタニカル柄「トワルドジュイ」のプレートや、フラワーモチーフの収納ボックスなども登場。売場面積は約164㎡で、約2400SKUを扱う。

くすみカラーの大人可愛い雑貨が目を引く

同ブランドは「300円ではじまるハッピーな生活」というテーマで、2018年にスタート。2022年にリブランディングを行い、トレンドカラーを取り入れたインテリア、食器、ファッション雑貨などを拡充した。マロニエゲート銀座店の売上げは順調で、「手応えを得ている」(渡邊氏)という。

今回の出店は、各ブランドの認知度を高める狙いもある。ダイソーを普段利用しない客に加え、ダイソー目当てで来る客にStandard ProductsやTHREEPPYを浸透させることを期待する。渡邊氏は「今後も業態複合の大型店を全国に増やしていく。百貨店への出店もしていきたい」と意欲的な姿勢を示す。

東武池袋本店は1月末に、6階の他の売場も改装した。旧ニトリのショップ(3800㎡)の残りの区画には寝具売場を移設拡大し、「眠りと暮らし」ゾーンとした。新たに「テンピュール」を導入し、「西川ショップネムリウム」、「エアウィーブ」などは品揃えを充実させた。

また、7階で展開していた「カリス成城」、「生活の木」、「ハウスオブローゼ」、「エンハーブ」を6階へ移設。場所はパジャマやバスグッズなどを置くリラクシングエリアの隣で、併せて「癒しとくつろぎ」ゾーンとして相乗効果を狙う。

東武百貨店取締役常務執行役員営業本部長の田中尚氏は、「当店は、地域・沿線に住むお客様の〝マイストア〟を目指している。今回のリニューアルで利便性は格段に上がり、お客様の期待にも応えられると考える」と力を込めた。

(都築いづみ)