2024年11月22日

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東神開発、住宅開発を加速 全9件に

左は「(仮称)大阪日本橋3丁目計画賃貸マンション」(イメージ図)

東神開発はグループのまちづくり戦略の深化に向けて、高島屋の既存不動産を活用し、大阪市浪速区日本橋3丁目に「(仮称)大阪日本橋3丁目計画 賃貸マンション」を新たに建設する。また、同時に進めている稼働物件の取得において、東京近郊の賃貸住宅4棟を取得した。今回の施策により東神開発の保有する住宅物件は9件となった。

東神開発はまちづくり戦略における街のアンカーとしての役割を担い、住宅やオフィスといった商業以外のアセットの開発や稼働物件の取得を加速させている。多様化する街のニーズに対応するとともに、コロナ禍においても商業アセットと比較して景気変動を受けにくく、安定性の高いオフィス事業や住宅事業に積極的に取り組むことで、まちづくり戦略の推進とともに利益基盤の強化に乗り出す。

開発物件については、立地特性やマーケットニーズに考慮し、立地のポテンシャルを最大限に生かせるような取り組みを強める。稼働物件については、街の利便性が高く、安定的に稼働している物件を取得するほか、東神開発が開発・運営を行っているショッピングセンターのサービス提供など、既存施設とのリレーションの構築などを勘案しながら取得を進めていく予定。

2024年2月末竣工予定の自社開発物件の(仮称)大阪日本橋3丁目計画 賃貸マンションは、大阪府の鉄道の要所であるなんば駅および日本橋駅近くに立地し、以前は高島屋が2層式の駐車場として使用していた場所。東神開発は立地を検証し、高い容積率を活用した土地全体の有効活用の可能性が大きいことに注目し、マーケットリサーチをした。結果、当該地の位置するなんば駅(南海電鉄・大阪メトロ御堂筋線)や日本橋駅(近鉄・大阪メトロ堺筋線・千日前線)周辺は賃貸マンションとしてポテンシャルの高いエリアであることから、賃貸マンション建設を決めた。同賃貸マンションは地上15階建て、延床面積約4172㎡、住戸は88戸(1LDK・2LDK)で店舗も入る。

21年に竣工している杉並区宮前の「T-FLAT久我山」は、高島屋の倉庫跡地を活用した物件で、同住宅(延床面積1755㎡、地上4階建て、1LDKで戸数28戸)は2路線2駅(京王井の頭線・久我山駅とJR中央本線・西荻窪駅)の徒歩圏に立地しており、若い世代やDINKsをターゲットに開発され、満室で竣工した。

取得賃貸住宅については、東神開発が開発・運営している「玉川高島屋S・C」のある二子玉川を中心に、東京近郊の賃貸住宅4棟(稼働物件)を取得した。1つ目が川崎市宮前区野川台にある「フィール野川」(敷地面積5937㎡、延床面積4845㎡、戸数80戸〈2LDK〉)、2つ目が大田区中央にある「ランドワークレジデンス蒲田」(同730㎡、同1979㎡、同23戸〈2DK・2LDK〉)、3つ目が川崎市多摩区菅北浦の「ユーコート稲田堤」(同890㎡、同1810㎡、同27戸〈2DK・2LDK・3LDK〉)、4つ目が町田市南町田の「パーク・ノヴァ南町田」(同3229㎡、同3378㎡、同50戸〈3DK〉)。

高島屋グループの商業デベロッパーを担う東神開発はこれまで通り、商業施設の開発を進める一方、街の付加価値をさらに高めるオフィスや住宅の開発・取得にも取り組み、それぞれの立地に適したまちづくりを進めていく意向だ。

(塚井明彦)