2024年11月22日

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ラグジュアリーブランドなど高額商品が好調

 

大手百貨店4社の11月売上高は、全て前年比でプラスとなった。三越伊勢丹は8.9%増、高島屋は6.0%増、大丸松坂屋百貨店は8.7%増、阪急阪神百貨店は11.1%増。10月に引き続きラグジュアリーブランドをはじめとする高額品が好調だった。

高島屋の6.0%増には法人事業(0.1%増)やクロスメディア事業(4.3%減)が含まれており、それらを除くと5.3%増。店舗別では新宿店(27.6%増)のみが2桁増となった。同社によれば「入国規制の緩和によるインバウンド売上げの大幅な増加もあり、前年実績を上回った」という。免税売上げは320.9%増と前年から急増したが、コロナ禍前の19年比では20.7%減。入店客数は1.4%増だった。

商品別では、大半のカテゴリーがプラス。中でも身のまわり品(23.9%増)が10月に続き大きく伸ばした。

三越伊勢丹は、法人外商事業やEC事業、小型店舗を含む伊勢丹新宿本店、同じく三越日本橋本店、三越銀座店、伊勢丹立川店、伊勢丹浦和店の合計が13.9%増、地域事業会社の合計が0.7%増、全体で8.9%増。同社によれば「高額品の購買意欲が高く、宝飾、時計、ハンドバッグなどが好調を維持した。伊勢丹新宿本店では、婦人のコートやジャケットなどの重衣料も伸長したほか、独自性の高いイベントが売上げを下支えした」という。

商品別では、半分以上のカテゴリーがプラス。雑貨(20.5%増)、見回り品(16.6%増)、婦人服・洋品(11.8%増)、食堂・喫茶(10.3%増)が2桁伸長した。

大丸松坂屋百貨店は、直営店の合計が8.5%増(既存店は8.5%増)、法人・本社等が24.8%増、関係百貨店の博多大丸と高知大丸を含めた百貨店事業の合計が8.7%増(既存店は8.7%増)。前年比では心斎橋店(29.3%増)と東京店(16.2%増)の伸びが特に目立つ。入店客数は百貨店事業合計が11.8%増(既存店は11.8%増)だった。

商品別では、衣料品、雑貨、食堂・喫茶、サービス、その他が2桁のプラス。「ラグジュアリーブランドが大きく売上げを伸ばし、けん引した。見回り品では婦人靴が苦戦したが、ハンドバッグ、アクセサリーは前年実績を上回った。雑貨では現代アートなどの絵画が売上げを伸ばした。」(同社)という。

阪急阪神百貨店は、阪急うめだ本店が11.4%増、阪神梅田本店が49.1%増、支店の合計が3.7%増、全店合計が11.1%増。支店では阪急メンズ東京(18.0%増)、博多阪急(10.3%増)が2桁増、神戸阪急(4.5%増)、宝塚阪急(4.0%増)、高槻阪急(3.7%増)、あまがさき阪神(2.3%増)も前年を上回った。入店客数は全店計で8.6%増。

商品別は、その他衣料(8.8%減)を除いてプラス。前年比ではサービス(22.1%増)、身回り品(20.1%増)、食堂・喫茶(19.1%増)、雑貨(17.1%増)、と続き、衣料品では婦人服・洋品(10.2%増)が最も伸びた。

(北田幹太)