2024年11月22日

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京王新宿店、2~7階を新装 生活提案や「トキ消費」に的

カフェとコワーキングスペースからなる「LOUNGE K」(イメージ)

京王百貨店は11月末までに新宿店の2~7階を新装する。新規に28のショップと2種類のサービスを導入。好調な非衣料品を拡充するとともに、いわゆる「コト消費」や「トキ消費」への対応も強化し、ターゲットに据える30~50代を取り込む。同社は、小田急電鉄と東京地下鉄が事業主体の「新宿駅西口地区開発計画」の進展に伴う変化をにらみ、約8年ぶりに新宿店の大規模改装に着手。今春は5階のゴルフやアウトドアなどの売場をリニューアルしたが、今秋に続き2023年度(23年4月~24年3月)以降も食品やギフトなどを段階的に刷新する。

11月末までの改装のテーマは「FUN(よろこび・楽しさ)とFAN(ファン・愛好者)が集まる場」。ファンが多いブランドを誘致するほか、衣料品と非衣料品のバランスを見直したり、コワーキングスペースを併設するカフェラウンジを立ち上げたりして、「世界有数の乗降客を誇る新宿駅上に位置し、西口のオフィス街をつなぐ往来の要衝にある利便性をさらに追求」(京王百貨店)し、次世代顧客と位置付ける30~50代を開拓する。

主に婦人服を扱う2階~4階は、ファンが多いブランドを入れて衣料品を活性化させる一方で、バッグやアクセサリー、ライフスタイル雑貨などを充実化。買い回りを促す。

2階には「クラスカ ギャラリー&ショップ“ドー”」(新宿地区初、21日)、「トワミー&バルーン」(同、8月25日)、「イア パピヨネ」(関東百貨店初、21日)、「マザーハウス」(21日)、「ラシット」(同)、「WISP」(同)、「BLOOM」(同)、「ゲンテン」(29日)、「ビアズリー」(10月6日)が、3階には「M&KYOKO」(8月4日)、「ズッカ」(8月25日)、「加圧ビューティテラス」(8月26日)、「エヘラ」(1日)、「銀座マギー」(2日)、「スーパーハッカ」(8日)、「シビラ」(10月6日)、「ゲラルディーニ」(同)が、4階には「ローズティアラ」(同)、「レリアンプラスハウス」(同)、「LOUNGE K」(11月下旬)が、それぞれオープンする。

4階のLOUNGE Kは新業態で、主にカフェとコワーキングスペースからなり、カフェのメニューは定期的に入れ替えて「通いたくなるようにする」(京王百貨店)。週末にはセミナーやワークショップを開き、客が集う場としても役立てる。利用料は1時間とワンドリンクで1000円~。

3階では既存の「オンワードクローゼットセレクト」が8月30日にオンワードのインターネット通販サイトの全商品を取り寄せ、試着できる「クリック&トライ」を、同じく「ワコール」が10月6日に3D計測器とAIを用いて最適な下着の選び方をサポートする「ワコール3Dスマート&トライ」を始めるなど、サービスも向上させる。

紳士服やスポーツ、趣味の売場などで構成する5階には「伊東屋」が10月13日に登場。家庭用品や寝具などからなる6階には「ホットマン」(10月4日)、「ワイズフォーリビング」(10月6日)、「アフタヌーンティー・リビング」(10月20日)を誘致し、生活提案を強める。子供関連と大催場がメインの7階は「リボンハッカキッズ」(21日)を入れ、ベビー休憩室と「丸善」をリニューアル。ベビー休憩室は男性も気兼ねなく利用できるように完全個室を設け、離乳食用のベビーチェア、掴まり立ちの姿勢でおむつを交換できる着替え台も配し、プレイスペースを一新する。丸善は9月3日に増床オープンし、コミックや新刊の品揃えを増やした。

5階に10月13日にオープンする「伊東屋」(イメージ)

2~7階で新装した部分は、オープン後の1年間で前年比8%増の売上げを見込む。

(野間智朗)