2024年11月22日

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2020年7月 主要百貨店大手7社 売上速報

7月の主要百貨店の売上げは6月に続き前年比8割程度まで回復してきた。インバウンド需要がほぼ見込めない中、国内需要はおおむね復調してきた傾向だ。大都市圏の苦戦は続いているが地方・郊外店はマイナスが一桁台としているところも多い。EC需要が過去最高となる企業も。7月の売上げの軸となる中元商戦も前年並み~前年プラスとなっている傾向だ。

高島屋

大阪店 -28.3
堺店 -6.2
京都店 ※1 -19.1
泉北店 -2.8
日本橋店 -17.9
横浜店 ※2 -18.7
港南台店 22.4
新宿店 -35.0
玉川店 -11.8
立川店 -0.2
大宮店 -23.0
柏店 ※1 -14.7
㈱髙島屋単体13店舗 -20.5
岡山髙島屋 ※1 -12.5
岐阜髙島屋 -2.9
高崎髙島屋 -4.5
㈱髙島屋単体および国内百貨店子会社 計 -20.2
㈱髙島屋単体および国内百貨店子会社 既存店計 ※3 -19.6

※1.京都店の売上高は「洛西店」、柏店の売上高は「タカシマヤフードメゾンおおたかの森店」、岡山髙島屋の売上高は「タカシマヤフードメゾン岡山店」を含む。※2.横浜店の売上高は「タカシマヤフードメゾン新横浜店」を含む。横浜店の前年比は2020年2月に営業を終了した「タカシマヤスタイルメゾン海老名店」の売上を含む前年実績との対比。※3.2020年3月に全株式を譲渡した米子髙島屋の前年実績を控除している。

【概況】

店頭売上げは免税売上げの大幅な減少に加え、引き続き外出を控える傾向や天候不順、夏セール前倒し開催の影響などにより、前年実績を下回った。免税売上げは前年比-92.2%、免税を除いた売上げは同-15.0%となった。中元はオンライン売上げの好調により、前年並みに推移している。店舗別では、港南台店が閉店セールの効果により前年を上回った。商品別売上げ(高島屋分類による16店舗ベース)では、全ての商品群が前年を下回った。

 

大丸松坂屋百貨店

大丸心斎橋店 -51.2
大丸梅田店 -20.3
大丸東京店 -46.3
大丸京都店 -22.0
大丸神戸店 -10.1
大丸須磨店 -7.5
大丸芦屋店 -22.2
大丸札幌店 -26.0
大丸下関店※2
松坂屋名古屋店 -15.0
松坂屋上野店 -21.9
松坂屋静岡店 -19.8
松坂屋高槻店 -22.1
松坂屋豊田店 -16.1
大丸松坂屋百貨店合計 ※3 -24.9
(除く下関店) -26.4
(除く心斎橋店・下関店) ※5 -22.3
博多大丸 -23.2
高知大丸 -7.4
百貨店事業合計 ※3 -25.9
(除く心斎橋店) ※5 -22.2

1.大丸山科店は、2019年3月末日をもって営業を終了。2.㈱大丸松坂屋百貨店は、2020年3月1日付で㈱下関大丸を吸収合併。3.合計の増減率は、大丸山科店の前年実績を除く。山科店を含む3~7月度累計の増減率は、大丸松坂屋百貨店合計対前年▲48.6%減、百貨店事業合計同▲49.5%減。4.2019年9月20日の大丸心斎橋店本館オープンに伴い、大丸心斎橋店は従来と比較し、賃貸面積が拡大している。参考数値として、心斎橋店の商品売上高とテナント売上高を合計した取扱高の対前年増減率を記載。5.合計から、大丸心斎橋店の本年・前年実績を控除した増減率を記載。

【概況】

3密回避の目的でセールを分散開催したことや、新型コロナウイルスの感染再拡大により外出を控える傾向が強まったことで入店客数減少のマイナス影響を受け、衣料品を中心に苦戦した。一方で、ラグジュアリーや宝飾などの生活に彩りを添える商品カテゴリが健闘した。大丸松坂屋百貨店合計では対前年-24.9%減、関係百貨店を含めた百貨店事業合計では同-25.9%減。大丸松坂屋百貨店合計の免税売上高(速報値)は対前年-97.7%減(客数同-99.2%減、客単価同175.5%増)。

 

三越伊勢丹

伊勢丹新宿本店店頭 -31.4
三越日本橋本店店頭 -17.0
三越銀座店 -50.8
伊勢丹立川店 -19.3
伊勢丹浦和店 -13.0
国内百貨店計 -34.0
国内百貨店既存店計 ※ -29.1
札幌丸井三越 -17.4
函館丸井今井 -10.8
仙台三越 -15.7
新潟三越伊勢丹 -23.7
静岡伊勢丹 -11.0
名古屋三越 -12.9
広島三越 -5.8
高松三越 -14.6
松山三越 -19.7
岩田屋三越 -17.4
国内グループ百貨店計 -16.3
国内グループ百貨店 既存店計 ※ -13.5
三越伊勢丹計 -26.8
三越伊勢丹既存店計 ※ -22.6

※2019年9月末日営業終了した伊勢丹相模原店・伊勢丹府中店と、2020年3月22日営業終了した新潟三越の実績を除く

【概況】

国内グループ百貨店(既存店計)の売上は6月売上前年比を上回る一方で、首都圏三越伊勢丹の店舗ではコロナ禍による外出自粛要請等により客数が減少し、売上は6月売上前年比を下回る。カテゴリーとしては、室内でより快適に豊かに暮らしたい消費傾向から、家具インテリアや食品(生鮮・惣菜・菓子)等は堅調に推移。大都市圏や東京都心店舗では、宝飾時計やラグジュアリーブランドのハンドバッグ等の高額品への関心が高まってきている傾向も見られる。首都圏三越伊勢丹では、オンライン(EC)の売上が前年比約1.4倍と引き続き好調で、ワインなどの酒類やハンドバッグ・財布等が人気。6月に刷新した三越伊勢丹オンラインでは、「マイバッグ」や「洋菓子関連」の特集が反響が大きい。来店客数が伸び悩む中、東京都心の店舗を中心に一部の婦人ファッション(衣料やアクセサリー)のオンライン接客もスタートしている。免税売上は依然として低調で、もともと免税売上シェアの高い店舗はマイナス幅が大きい。

 

そごう・西武

西武池袋本店 -15.5
そごう・西武全社(15店)計 -20.7

【概況】

新型コロナウイルス感染拡大が大きく影響した。定額給付金支給による需要でプレステージブランドは前年伸張。また先月に続くイエナカ需要の拡大により、インテリアは前年並みの売上げを確保した。一方、高級雑貨や衣料品は前年売上げの8割弱に留まった。

 

松屋

銀座店 -40.0%
浅草店 -17.3%
銀座本店(銀座店、浅草店合計) -38.5%

【概況】

7月の銀座店は、クリアランスセールにおいて衣料品が苦戦した等で、月累計の売上高は前年に対して約4割減となった。新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、入店客数も前年に対して約5割減等が要因になり、月間を通して苦戦した。インバウンド売上がほぼ消失した中、引き続き、国内客による海外ラグジュアリーブランド(売上高前年比+8.7%)や、時計(同+3%)が堅調に推移する等、高品質・高価格帯商材へのニーズの高さを示した。7月の売上げの軸となる中元商戦では、前年に対し約2割増と好調に推移し、館全体を牽引した。月後半から開催した「誕生65周年記念 ミッフィー展」は、館全体の回遊・買回りを促し、強い来店促進策として好調に推移している。7月の浅草店は、化粧品の特注や、ミセスを軸とした盛夏衣料品の消化が好調に推移したこと等により、売上高減は銀座店に比べ軽微に留まった。

 

阪急阪神百貨店

阪急本店 -26.0
阪神梅田本店 -34.1
支店計 ※ 13.3
全店計 -14.2

※神戸阪急、高槻阪急は本年実績のみ

【概況】

7月1日から阪急本店・阪神梅田本店など都心店の閉店時間を19時から20時へ、15日からは開店時間を11時から10時に戻し、21時までの営業日を除きほぼ全店通常の営業時間となった。ただし、集客につながる催事や販促施策については3密回避の観点から自粛を継続している。クリアランスの6月前倒し開催による分散化や、梅雨の長雨や豪雨災害による消費マインドの減退などにより、前半2週間の売上げは、前年比69%と低調であった。中盤10日間は88%と復調傾向に向うも、25日以降は、新型コロナウイルス新規感染者数の急拡大により前年比72%と減退した。都心店の売上高前年比73%に対し郊外店は85%と、いまだ年配層やファミリー層を中心に都心の混雑を避ける方が多く、自宅近くの店舗でお買物をされる傾向が目立つ。郊外店の食品は前年比97%と堅調だった。中元は売上高前年比102%と好調を継続。店頭前年比90%、EC前年比129%と、ECが店頭をカバーした。インバウンド売上は、前年比-87%と厳しい状況が続く。

 

近鉄百貨店

あべのハルカス近鉄本店単独 -15.6
(あべのハルカス近鉄本店Hoop等を含む) -15.3
上本町店 -7.9
東大阪店 0.9
奈良店 -5.2
橿原店 -8.9
生駒店 -3.1
和歌山店 -6.2
草津店 0.3
四日市店 -7.8
名古屋店(近鉄パッセ) -35.1
合計 -11.5

【概況】

7月は、長雨の影響や、新型コロナウイルス感染拡大により外出を自粛する傾向が続いたものの、近鉄百貨店アプリを活用した情報発信強化などにより、売上高は対前年-15.6%にとどまり、前月より2.3%改善した。商品別では、自宅用の生菓子やケーキ、土用の丑などが堅調に推移し、家で過ごす時間を充実させる「家中消費」に動きが見られた。中元ギフトは、ネットショップでの売上げが引き続き好調に推移した。越境事業ではコロナ禍で、インターネットでの売上げも大きく伸び、事業全体の実績は過去最高となった。