2024年11月22日

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ニトリ、21年2月期 健闘光る

コロナ禍で国内の各業界が厳しい局面に立たされている中にあってニトリが健闘している。もちろん、ニトリにとっても新型コロナウイルスの影響度合いは少なくない。4・5月は最大で110店舗が臨時休業を余儀なくされ、緊急事態宣言に合わせて営業時間の短縮(4月29日~5月31日)もあった。このような逆風下にありながらニトリは増収増益を確保している。

ニトリホールディングスが先頃発表した21年2月期第1四半期(20年2月21日~20年5月20日)の連結業績は、売上高が3.9%増の1737億8000万円、営業利益が22.3%増の372億1600万円、経常利益21.6%増の373億6100万円、四半期純利益25.4%増の255億1900万円。

月別売上高でみると、3月は既存店(10.9%増)・全店(14.0%増)ともプラス。4月は既存店(4.0%減)・全店(1.9%減)ともマイナスとなったが、5月は既存店(0.6%増)・全店(1.9%増)もプラスに。3カ月を累計すると既存店が2.0%増、全店が4.1%増。買上客数は4月の既存店を除いてプラスとなり、3カ月累計で既存店買上客数が5.7%増、全店買上客数が8.5%増。コロナ効果で通販売上げもアップした。その実績は40.9%増の168億円。通販の売上構成比も2.5%上げ、9.7%のシェアを確保した。

ニトリ会長兼最高経営責任者の似鳥昭雄氏は「新型コロナウイルス感染の広がりで3密やソーシャルディスタンスの問題で外食の機会が減った。多くの店が臨時休業になったりしてアパレルへの関心も薄れる一方で、テレワークなどによる家の中での生活時間が多くなり、部屋の中の家具やホームファッションが見直された。その在宅需要で机や椅子、キッチン用品などの売上げ増につながった。加えて1カ所でまとめ買いができるデスティネーションストア(特定の商品の最終購買地として来店する店舗)としてニトリの便利さが再認識されたことも強みとなった」としている。

なお、21年2月期通期で掲げている売上高6532億円(1.7%増)、営業利益1122億円(4.4%増)、経常利益1133億円(3.4%増)、純利益757億円(6.0%増)の業績予想に変更はない。