2024年11月22日

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NEWoMan横浜、CIAL横浜などが入る「JR横浜タワー」

2020年は東京オリンピック・パラリンピックの開催と、年間4000万人を見越したインバウンド人気を背景にホテルやMICEなどを搭載した大規模複合施設や大型商業施設の出店が集中した。しかしながら新型コロナウイルスの感染拡大で東京五輪は延期になり、訪日外国人も激減。新規オープン店舗も予定通りの開業ができず延期を余儀なくされた。既存店舗も臨時休業や時短を強いられている。

大型複合施設や大型商業施設は4月の開業に集中していた。4月にかかわらず新型コロナウイルスの感染拡大が続いていたが、4月は政府から7日に東京・神奈川・埼玉・千葉・大阪・兵庫・福岡の7都府県に発令されていた「緊急事態宣言」が全国に拡大され、あらゆる施設に対する休業要請が一層高まり新施設にとっても開業どころではなくなった。先がみえず当初の開業日をすぎても開業を見合わせ、延期を続けざるを得なかったが、5月25日には緊急事態宣言が解除され、6月11日には新型コロナウイルスの感染拡大に警戒を呼びかける東京都の「東京アラート」も解除になり、休業要請などがほぼ全面解除になったことからオープン待ちしていた大規模複合施設や大型商業施設などの新たな開業日が相次いで決定した。

4月10日にまちびらきを予定していた「GREEN SPRINGS」は開業に遅れはなかったが、まち全体の一斉開業ができず、4月10日からの順次開業となった。GREEN SPRINGSは立飛ホールディングスによる大規模複合開発によって客席数約2500席の地区最大規模の立川ステージガーデン、6月8日に後ろ倒しオープンとなったソラノホテル、オフィス、ショッピング&レストラン、約1万平米の緑豊かな中央広場などを誕生させた。順次開業とはいえ、6月に入っても商業施設の多くの店が閉まっており、立川ステージガーデンで開催されるイベントも中止や延期に。それでも同施設への来館者が少なくない。長さ約120メートルに及ぶカスケードは圧巻で、階段状のカスケードには水が流れ、そこで多くの子供たちが遊んでいる。施設内にある水と緑の豊かな空間を楽しんでいる人もみられる。

浜離宮恩賜庭園側からみたウォーターズ竹芝の外観

浜離宮恩賜庭園側からみた「ウォーターズ竹芝」

今春はJR東日本グループの開業が多い。延びていたJR関連施設の開業が決定した。「ウォーターズ竹芝」、「JR横浜タワー・JR鶴屋町ビル」をはじめ、「グランスタ東京」の増床、高架下商業施設の「日比谷OKUROJI」、「シャル桜木町アネックス」など。「横浜駅西口駅ビル開発」で竣工したのは駅ビル「JR横浜タワー」(地上26階・地下3階)と「JR鶴屋町ビル」(地上9階)で、JR横浜タワーにNEWoMan横浜(売場面積約1万3000平米、116店舗)、T・ジョイ横浜、CIAL横浜(61店舗)が、JR横浜鶴屋町ビルにホテルメッツ、CIAL横浜ANNEX(6店舗)がオープンへ。当初の開業はNEWoManもCIAL横浜も5月30日。それがNEWoMan横浜が6月24日開業になり、CIAL横浜が6月18日に地下1階と地下2階。地下3階のフードホール「バル&キッチンハマナカ」は7月1日の開業。6月5日開業予定だったCIAL横浜ANNEXは6月18日に1階文化堂、6月27日に3階のビストロカツキと三河屋が開業となる。

大規模複合施設の「ウォーターズ竹芝」に入るアトレ竹芝は第Ⅰ期が4月13日、第Ⅱ期が7月14日の開業を予定していたのを第Ⅰ期(開業テナント6店舗)が6月17日、第Ⅱ期を20年秋から順次開業に決めた。アトレ竹芝以外の施設の開業スケジュールは、4月1日にオフィス、4月27日にホテルが開業しており、10月にはJR東日本四季劇場〔秋〕、21年1月にJR東日本四季劇場〔春〕が開業となる予定。

JR東京駅でエキナカ商業空間・グランスタをはじめとした商業施設を運営している鉄道会館はJR東京駅の北通路周辺エリアの整備によるグランスタの増床によって新設される66店舗のショップ&レストランのうち54店舗が開業延期となった(すでに7店舗が先行オープン、5店舗が6月17日オープン)。変更した8月に全面開業するとグランスタ全体の店舗面積は約1万1300平米、店舗数154店となる。同じく北通路周辺エリア整備で実施した待合空間(地下1階スクエアゼロ)、新改札口(地下1階グランスタ地下北口)、北通路の改良(1階)、バリアフリールートの増設(エレベーターの増設)などの駅サービス機能も延期となった。

全面改装して7月15日にオープンする「エキュート日暮里」

全面改装して7月15日にオープンする「エキュート日暮里」

エキナカ商業施設のエキュートを展開しているJR東日本リテールネットは今春~今夏にかけてエキナカ商業施設の新設、リニューアルを進めている。やはりコロナウイルスの感染拡大の影響から見合わせていた開業日がこのほど決定した。6月17日に開業する「エキュート上野新エリア」にはエキナカ初出店の台湾カフェや和カフェなど4ショップが新設された。7月15日にリニューアルオープンするのが「エキュート日暮里」。店舗を閉鎖して全面改装したエキュート日暮里は通勤だけでなく、谷根千散策や空港利用者なども視野に入れ、エキナカ初出店や新業態などを含め28ショップを集積する。7月22日に開業が決まったのがJR大宮駅中央改札(北)内の商業エリアを改装して立ち上げる「エキュート大宮ノース」。青山フロマージュ(チーズスイーツ)、ブックコンパス(書店)など6店舗構成となる。

施設名

()は事業者・運営会社等

開業決定日

()は当初の開業予定日

施設の特徴

コースカベイサイドストアーズ(モール・リーシング合同会社) 6月5日より順次(4月24日) 「ショッパーズプラザ横須賀」跡に新商業施設開設。イオンスタイル横須賀を中心に100店舗が出店。他に700席超のオーシャンビューフードコート、10スクリーンのシネコン等搭載
WITH HARAJUKU(NTT都市開発) 6月5日より順次(4月25日) 地上10階・地下3階建て、賃貸レジデンスと商業施設からなる複合施設。JR原宿駅前に立地。ユニクロ、IKEA等全14店舗。商業施設面積約1万300㎡
LUXS FRONT〈ラクシス フロント〉(京浜急行電鉄) 6月29日 新庁舎商業施設運営事業者になり横浜市新庁舎低層部に商業施設を開業する。新庁舎の全面供用開始となる6月29日、全19店舗のうち4店舗オープン。残る15店舗は今夏オープン
京都「新風館」(NTT都市開発) 6月11日(4月16日、5月21日に開業再延期) 京都市指定登録文化財の旧京都中央電話局を活かしたホテル、店舗、映画館からなる複合施設。商業施設ゾーンは全20店舗(店舗面積約2300㎡)、ホテルはエースホテル
ところざわサクラタウン(KADOKAWA) 角川武蔵野ミュージアム8月1日、11月6日グランドオープン(ミュージアム6月6日、サクラタウン7月17日) KADOKAWAが所沢市に開設する博物館・美術館・図書館・アニメミュージアム・神社・ショップ&レストラン等からなる文化複合施設。クールジャパンの拠点施設に。土地面積約4万㎡、建築面積約2万5000㎡、延床面積約8万4000㎡
GREEN SPRINGS(立飛ホールディングス) 4月10日より順次 立川駅北側約3万9000㎡の広大な敷地に新街区を開発。SORANO HOTEL(5月12日を6月8日開業に)、オフィス、2500席規模のホール、約1万㎡の広大な広場、約1万1000㎡規模のショップ&レストラン等からなる大規模複合施設
有明ガーデン(住友不動産) 商業施設6月17日、グランド―プン8月1日(4月24日、5月15日を開業再延期) 都内最大の開発面積(約10.7ha)となる大規模複合施設。その中核となるのが延床面積約8万7600㎡の大型商業施設(200店舗超)。他に約8000名収容の劇場型ホール、749室のホテル、総戸数約1500戸のタワーマンション等
羽田エアポートガーデン(住友不動産) 20年夏(4月21日) 羽田空港国際線ターミナル直結の複合施設。国内最大級1717室を有するエアポートホテルをはじめ、1日800本のバスが往来する巨大バスターミナル、90店舗が入る商業施設からなる。敷地面積4万3000㎡、延床面積9万1700㎡
日比谷OKUROJI(JR東日本都市開発) 9月頃を予定(6月下旬) 有楽町駅〜新橋駅間の300mに及ぶ高架下通路を整備し、100年以上の歴史を持つ煉瓦アーチ高架橋と東海道線・東海道新幹線の高架下が一体となった商業施設に。約50店舗配置
シァル桜木町アネックス(JR東日本) 6月27日 桜木町駅新南口にオープンするホテルと商業施設からなるシァル桜木町アネックス。同アネックスを運営する横浜ステーションビルは、飲食店、保育園、旧横濱鉄道展示「旧横ギャラリー」を運営
日比谷グルメゾン(東京ステーション開発) 7月9日(5月下旬) 有楽町駅~新橋駅間に高架下商業施設開発(有楽町側区画が日比谷グルメゾン、新橋側区画が日比谷OKUROJI)。ラーメン・フードホール、ドイツビアホール等6店舗
阪急阪神銀座3丁目ビル(阪急阪神ホールディングスグループ) 4月8日より順次 同クループにおいて銀座エリア初となる商業施設。地上11階・地下1階建て。地下1階~地上2階までの3フロアに初のブランド旗艦店「SHISEIDO」が出店。他にヘルス&ビューティ等
Otemachi One(三井物産・三井不動産) 6月17日より順次(2月23日竣工、5月12日オープン) 三井物産・三井不動産による大手町エリア最大規模の複合開発(敷地面積約2万900㎡、延べ床面積約35万7700㎡)。地上31階・地下5階の三井物産ビルと地上40階・地下5階のOtemachi Oneタワーからなり、同タワーで商業施設(30店舗)を展開
トナリエ宇都宮(日本エスコン) 2月1日 「ララスクエア宇都宮」店舗跡にオープン。店舗は地上11階・地下1階、商業施設面積2万6398㎡。ヨドバシカメラを核に約80店舗が出店。地域密着型SCのトナリエは東日本初
三井アウトレットパーク横浜ベイサイド(三井不動産) 6月4日(4月10日) 98年9月開業。2018年9月に閉館して全面建て替え。延床面積約1万9700㎡が約5万3000㎡に、約80店舗が172店舗に増大。賃貸面積約2万6500㎡。フードコート、広場も充実
MIYASHITA PARK(三井不動産) 7月28日~物販・サービス店舗、8月1日ホテル、8月4日~飲食・食物販と段階的開業 公園面積約1万740㎡、延床面積約4万6000m、全長約330mからなる公園・駐車場・商業施設(90店舗・店舗面積7913㎡)・ホテルが一体となった低層複合施設
豊洲ベイサイドクロスタワー(三井不動産・IHI) ベイサイドクロスタワー〈ららぽーと3〉6月1日より順次(4月24日)、ららぽーと豊洲1・2 5月29日から順次 豊洲二丁目駅前地区における豊洲駅直結の大規模再開発。街区の中核となる豊洲ベイサイドクロスタワーは地上36階・地下2階・高さ177m・延床面積約18万4800㎡の規模で、商業施設ららぽーと豊洲3が入居。隣接する既存のららぽーと豊洲1・2と合わせると店舗面積約6万7000㎡、店舗数214
横浜北仲ノット(三井不動産レジデンシャル等) 6月25日(4月23日、スーパーは4月23日に開業済) 横浜北仲プロジェクトは横浜市最大規模・最高層を誇るマンションと長期・短期滞在型宿泊施設、商業・文化施設の「横浜北仲ノット」(店舗数19店舗)で構成
ハレザ池袋(東京建物・サンケイビル) 7月1日のハレザタワー、7月3日シネコンのオープンで、全体開業 豊島区庁舎跡地及び豊島区公会堂跡地等を開発し8つの劇場を備える新複合商業施設開発。オフィス棟・新ホール棟・新区民センターの3つの棟でなり、オフィス、シネコン、ショップ&レストラン、多目的ホール、公園等を有する
東京ミズマチ(東武鉄道) 東京ミズマチウエストゾーン・すみだリバーウォーク6月18日(4月17日) 東武スカイツリータウンライン浅草駅~とうきょうスカイツリー駅間に誕生した鉄道高架下複合商業施設。コミュニティ型ホステル、レストラン、スポーツ施設等全14店舗。イーストゾーンの開業は未定
御殿場プレミアム・アウトレット第4期増設(三菱地所・サイモン) ヒルサイド6月1日(4月16日) 2000年7月開業。20周年の節目となる第4期増設は新設エリアの「ヒルサイド」に1万7000㎡の店舗面積を充て、88店舗オープンする。既存エリアと合わせた店舗面積は6万1000㎡となり日本最大のアウトレットセンターとなる。駐車場は約7000台に
JR横浜タワー・JR鶴屋町ビル(東日本旅客鉄道グループ) NEWoMan横浜6月24日(5月30日)シァル横浜6月18日(5月30日)、シァル横浜アネックス6月27日(6月5日) JR東日本が地上26階建ての駅前棟「JR横浜タワー」と地上9階建ての「JR横浜鶴屋町ビル」を開発。JR横浜タワーにはNEWoMan横浜(1階~10階)とシァル横浜(地下1階~地下3階)、T・ジョイ、オフィス。JR横浜鶴屋町ビルにシァル横浜アネックスやホテルメッツが入居。NEWoMan横浜は売場面積約1万3000㎡
ウォーターズ竹芝(東日本旅客鉄道グループ) 4月1日オフィス、4月27日ホテル、6月17日アトレ竹芝(Ⅰ期)、8月~9月アトレ竹芝(Ⅱ期)、10月24日四季劇場[秋]、2021年1月四季劇場[春](4月13日) 施設は地上26階建てのタワー棟・劇団四季が入るシアター棟・10階建てのパーキング・芝生広場などで構成される。商業施設の「アトレ竹芝」(シアター棟1~3階とタワー棟1~3階)は店舗面積約7800㎡、全22店舗
グランスタ東京(鉄道会館) 8月3日(6月17日) JR東京駅の北通路周辺エリア整備によって待合空間、新改札口開設等による駅サービス機能が充実され、増床によって駅改札内に59店舗が加わり、既存のグランスタと合わせ全154店舗に。30店を超える約1000席の飲食店群が誕生
虎ノ門ヒルズエリアプロジェクト(森ビル) ビジネスタワーの商業施設6月11日(目標より2か月遅れ) 虎ノ門ヒルズビジネスタワー(地上36階建て)が20年1月に竣工。日比谷線新駅・虎ノ門ヒルズ駅にも直結。同ビジネスタワーの低層階に誕生した商業空間「虎ノ門横丁」を主体に全59店舗・約7600㎡の規模。スーパーマーケットも開設
キーノ和歌山(南海電気鉄道・和歌山市) 商業ゾーン・図書館6月5日、ホテル7月3日(4月24日) 南海電鉄と和歌山市とで和歌山市駅活性化計画を推進。その第2期で先行開業しているオフィスビル、駐車場に加え、商業棟・ホテル棟・和歌山市民図書館が加わり複合施設に。商業施設に29店舗、図書館に蔦屋書店が入る
イーアス沖縄豊崎(大和ハウス工業) イーアス6月19日(4月21日)、水族館5月25日(4月21日) ショッピングモールと水族館(DMMかりゆし水族館)、ミニチュアテーマパークからなる大型複合商業施設。イーアス沖縄豊崎(店舗面積約4万7600㎡)には155店舗が出店。展示生物約190種の水族館の初年度入場者目標は210万人
あいの風とやま鉄道富山駅高架下商業施設(富山ターミナルビル) 6月1日(4月27日開業を5月9日に延期) あいの風とやま鉄道富山駅高架下に商業施設を開発。同高架下商業施設はとやマルシェのれん横丁、とやマルシェEATS de Meets、セブンイレブンハートインからなり、ときとき市場とやマルシェを合わせ全51店舗に
msb Tamachi(東京ガスグループ・三井不動産・三菱地所) msb Tamachi田町ステーションタワーNは7月竣工予定 田町駅東口北地区の街づくりの中心に位置するオフィス街区のmsb Tamachiは田町ステーションタワーSとホテル(プルマン)が18年5月に竣工。残る田町ステーションタワーN(地上36階・地下2階)が今夏竣工する