2024年11月22日

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基幹店が軒並み高伸長、高額品需要が底堅く、衣料品も伸びる

大手百貨店4社の3月売上高は、コロナ禍による外出自粛の影響が続いているものの、感染症拡大によって前年が大きく落ち込んでいた反動増によって、前年実績を大幅に上回った。特に前年反動増が大きかった大都市部の基幹店の伸長率が目立つ。商品では引き続きラグジュアリーブランドや時計、美術などの富裕層に支えられた高額品需要が堅調だった。

4社の中で最も売上高伸長率が高い大丸松坂屋百貨店(関係百貨店含む)は34.1%増となり、前月(10.6%減)から大幅に改善。入店客数も10%超の2桁伸長した。店舗別では心斎橋(61.3%増)を筆頭に、神戸(43.9%増)、札幌(54.3%増)、名古屋(34.6%増)、梅田(33.1%増)などの大都市圏が3割以上の伸長率で、加えて昨年春に改装オープンした下関(42.6%増)も健闘した。商品別では、緊急事態宣言が解除された関西や名古屋の店舗を中心にラグジュアリーブランド、高級時計や美術の高額品が好調だった。ラグジュアリーブランドは前々年比でも2桁増となり、婦人服が1.5倍超も伸長した。さらにダイニングやキッチン関連が好調だった家庭用品は4割超も伸びた。食品では生鮮、菓子、惣菜、その他がいずれも前年実績を上回った。免税売上高は122.7%増まで復調したが、客数は64.1%減。

阪急阪神百貨店の売上高前年比は32.6%増となり、前月(11.7%減)のマイナスから大幅なプラスに転じた。特に前年に新型コロナウイルスの影響が大きかった都心店が、阪急本店の44.8%増を筆頭に37%増でけん引。郊外店は20%増だった。ただ既存店の前々年比は17%減で、免税売上高を除くと10%減となり、まだ回復途上だ。支店では西宮(32.2%増)と博多(39.9%増)が高伸長した。商品別では全品目がプラス。特に高額品需要がけん引した身のまわり品が1.6倍超も伸びた。特に阪急本店のラグジュリアリーでは100万円以上のまとめ買いが見られ、500万円クラスのバッグが動くなど、富裕層を中心に高額品需要が好調だった。結果、国内売上高は前々年比で5%減まで戻ってきた。

髙島屋(国内百貨店子会社含む)は26.6%増で、前月(4.7%減)のマイナスからプラス転じ、全店が増収を遂げた。店舗別では、大阪の36.1%増をはじめ、京都(33.3%増)、横浜(38.7%増)、新宿(32.6%増)など、基幹店が高い伸長率だった。入店客数も大阪(12.8%増)、横浜(33.3%増)、玉川(12.4%増)、立川(10%増)、柏(11.4%増)が2桁伸長した。ただ、全店の店頭売上高の前々年比では18.3%減で、免税売上高を除くと12.2%減となり、まだ復調途上の段階。また法人事業が前年のコロナ禍の影響の反動増により35.5%増、クロスメディア事業は巣ごもり需要によって16.9%増だった。商品別では、身のまわり品が1.5倍超も伸びた。さらに婦人服が1.4倍超でけん引した衣料品が33%も伸びた。

三越伊勢丹(国内百貨店含む)は19.1%増となり、同社も前月(8.5%減)のマイナスから大幅なプラスに転じた。首都圏の三越伊勢丹(5店舗)に限ると23.6%増を計上し、このうち都内3店舗では24.3%増だった。伊勢丹新宿本店と三越日本橋本店では、前月に続きロイヤリティの高い顧客を中心に宝飾・時計、ラグジュアリーブランドなどへの購買意欲が高く、高額品が好調だった。食品では年度末の挨拶用途での進物需要、卒業・入学の祝いやホワイトデーなどの需要が底堅かった。オンライン売上高は店頭の期間限定イベントと連携した企画などが好調で、前年比約1.8倍となり、前月を上回る伸長率だった。