2021年3月 東京・大阪地区百貨店売上高
全国同様に18カ月ぶりプラス、主要5品目が全て増
東京地区百貨店(12社・24店)の3月売上高は1101億円余で、前年比(店舗調整後)は、前年の新型コロナウイルス感染拡大防止に伴う臨時休業や時短営業の反動増で、18.5%増となり、18カ月ぶりに前年実績を上回った。入店客数はマイナス(4.1%減)が続いたが、前月(37.1%減)より大幅に回復した。とはいえコロナ禍の影響を受けない前々年比では売上高が22.4%減、入店客数が41.7%減となっており、前月とほぼ同水準の厳しい環境が続いている。
3カ月移動平均値は、7~9月30.8%減、8~10月24.3%減、9~11月20.5%減、10~12月13.7%減、11~1月21.7%減、12~2月21.0%減、1~3月12.4%減。コロナ禍の2巡目に入り、10%台のマイナスまで改善してきた。
売上高のうち店頭(構成比89.5%)は20.6%増となり、前月(15.2%減)から大幅に改善。非店頭は3.5%増で、前月(0.8%減)より4.3ポイントの改善にとどまった。
商品別では主要5品目が全てプラスに転じた。衣料品が18カ月ぶりのプラスで、身のまわり品と食品が14カ月ぶり、雑貨と家庭用品が5カ月ぶりに各々前年実績を上回った。
最も伸長率が高いのが身のまわり品で、ラグジュアリーブランドのバッグや財布などがけん引。雑貨のうち美術・宝飾・貴金属が1.5倍超も伸びており、高級時計などの売れ行きが良く、概ね富裕層の消費が好調だった。次いで家庭用品では4カ月連続増の家電と5カ月ぶりプラスのその他家庭用品が健闘。イエナカ需要の高まりに伴い、食器、調理用品、高級家具などが堅調だった。
18カ月ぶりにプラスだった衣料品は婦人服がけん引。新生活需要や、前年に購入機会がなかったビジネス関連のスーツやシャツなどに動きが見られた。また、14カ月ぶりプラスの食品は、生鮮食品が30カ月連続減だが、菓子や惣菜、その他が復調。惣菜では高額弁当が好調。前年に開催できなかった物産展や食品催事が健闘した。