2025年2月 全国百貨店売上高
大都市が41カ月ぶりのマイナス転換
日本百貨店協会が調査した全国百貨店(70社・179店)の2月売上高は、4254億円余で前年比(店舗調整後)は1.5%減となり、4カ月ぶりにマイナスに転じた。前年の閏年による営業日数減に加え、降雪や寒波など天候要因による入店客数減が響いた。衣料品や服飾雑貨は春物商材の動きが鈍かったが、卒入学などのオケージョン需要は堅調に推移した。インバウンドは、今年の2月の春節期間(1月28~2月4日)が4日間だったものの、前年を上回り好調だった。バレンタイン商戦は、豊富な商品展開や関連イベント、SNSを活用した施策が奏功し活況を呈した。
インバウンドは、為替相場の円高傾向や春節の前倒しなどがマイナス要因となったが、売上高は35カ月連続プラスで538億円(14.5%増)、購買客数は54.1万人(29.0%増)と、共に同月対比で過去最高を更新した。売上げに占めるシェアは12.6%だった。中国本土の購買客数と売上げが伸長した。
地区別では、大都市は前年実績にわずかに届かず0.7%減と、41カ月ぶりにマイナスに転じた。6地区でマイナスとなり、札幌(6.1%増)、大阪(2.2%増)、神戸(0.7%増)、名古屋(0.2%増)の4地区はプラス。インバウンドは活況が続いている。品目別では化粧品が2桁増を示し、美術・宝飾・貴金属もプラスだった。地方は全地区でマイナスで、大雪や悪天候による交通機関の運休・遅延、主要顧客層の外出控えなどが響いた。
商品別では主要5品目のうち、雑貨(2.3%増)を除く4品目で減収だった。衣料品(2.3%減)と身のまわり品(4.3%減)は、天候要因から季節商材の動きが鈍く、外商催事の月ずれなどもマイナス要因となった。食料品(2.7%減)は、物価高騰や客数減もあり生鮮食品や惣菜が苦戦したものの、バレンタイン商戦では自家需要や関連スイーツ、イートインなどが人気で盛況だった。雑貨は、美術・宝飾・貴金属(0.7%減)が微減となったが、化粧品(9.3%増)が国内外共に好調で全体をけん引。限定品や新作が好評だったほか、一部価格改訂前の駆け込み需要もみられた。