アルビオン、「アンフィネス プランプブライト ライン」で美白とハリの両立に挑む
商品開発部の丸島陽子部長(右)と同部商品開発グループの中上奈南氏が開発の経緯や狙い、商品の魅力を語ってくれた
コラーゲンの常識を覆す革命の第2章だ――。アルビオンは3月18日、肌のハリを追求するエイジングケアシリーズ「INFINESSE(アンフィネス)」シリーズで、美白とハリを両立させた「プランプブライト ライン」を発売した。コラーゲンの研究で、「17型コラーゲン」が肌の美白とハリを同時に実現するための要となることを突き止め、プランプブライト ラインはその生成を促すとともに、メラニンを生成するメラノサイトの働きを正常化し、揺るぎない白さとハリに満ちた肌を叶える。アンフィネスは昨年、部分リニューアルを含めて4回目のリニューアルに踏み切り、「コラーゲン構造」に着目した独自の研究で肌がハリを失う原因を解明し、それを最速かつ強力に“再生”させる「プランプライン」を同8月18日に発売。「コラーゲン革命」を謳い、ヒットを収めた。ブライトラインの展開で、さらなる拡販につなげる。
3月18日に発売した「アンフィネス プランプブライト ライン」
アンフィネスは2010年、エイジングケアシリーズとしてデビュー。一品一品にこだわった少数精鋭のラインナップで、「エクサージュ」(シリーズ生産終了)と「エクシア」をつなぐブリッジの役割も果たしてきたが、転機となったのは17年だ。大阪大学との共同研究で、約320万通りものペプチド配列の中から導き出した美容成分「OSK9(オーエスケーナイン)」を配合し、“ハリ特化型”としてリニューアル。アカデミックな裏付けを得て存在感が際立ち、同時にターゲットを「30代以上」と明確化したのも奏功し、売上げは加速度的に伸びた。18年は過去最高実績となったが、新型コロナウイルス禍で暗転。在宅勤務や行動制限などの影響で買い控えが起こり、化粧品市場が冷え込むと、アンフィネスも苦戦を強いられた。
ただ、アフターコロナを迎えて売上げは回復。昨年はリニューアルが起爆剤になったほか、アイテムでは乳液がけん引し、売上げは前年比28%増を記録した。商品開発部部長の丸島陽子氏は「百貨店販路では1万円の美容液が中心だったが、プロモーションを乳液に集中させる戦略的な取り組みが結果につながった」と振り返る。40代を中心に、「分かりやすく即効的なハリ実感が支持されている」(丸島氏)のがアンフィネスだ。
今年3月18日には、上昇気流を強める革新的な商品が加わった。コラーゲン研究の粋を凝らした、プランプブライト ラインだ。「コラーゲンは真皮の主成分で、ハリの実現に欠かせないが、美白にも関わりがあるのではないかと考えた。化粧品業界の研究者にとってコラーゲンは『基礎中の基礎』とされるが、だからこそ研究されていない領域がある。実際、20型以上のコラーゲンが存在するが、まだまだ美肌との関係性が解明されていないものもある。当社は、17型コラーゲンが減少すると肌の白さやハリが低下するメカニズムを解き明かした。プランプブライト ラインは美白とハリの両立に挑む」(丸島氏)。
特長を際立たせた7品
ラインナップは、シワ改善・美白乳液の「ブライトニング コンセントレート ミルク」(200g、7700円)、シワ改善・美白化粧水の「ブライトニング コンセントレート ローション」(200mL、7700円)、シワ改善・美白美容液の「ブライトニング イノベーション」(40mL、1万1000円)、シワ改善・美白クリーム「ブライトニング ダーマ クリーム」(30g、1万3200円)、スペシャルケア美白美容液「ブライトニング チャージャー」(1mL×28個、8800円)、拭き取り・洗い流し両用の「メルトフォース V クレンジングオイル」(150g、4950円)、洗顔料の「フロートリリース ジェルウォッシュ」(150mL、4180円)の7品。いずれも特長を際立たせた。
それぞれについて、商品開発部商品開発グループの中上奈南氏が説明する。ブライトニング コンセントレート ミルクは「最近の夏は過酷で、気温は40度近い。エネルギーを注入して肌を復活させるものをつくりたかった。感触はみずみずしく、軽めだが、充実感のあるハリや明るさを実感でき、良い意味でギャップがある。私は試作品を1年ほど使っており、年末年始に祖父母に会った時に『肌がパンとした』と言われた」とエピソードも付いた、中上氏のイチオシだ。
中上氏のイチオシ、「ブライトニング コンセントレート ミルク」
ブライトニング コンセントレート ローションは「高機能ヒアルロン酸が肌を満たす。心地良い使用感で、肌が明るくなったと実感できる。一般的にもヒアルロン酸は肌に良いと認知されており、紹介しやすい」、ブライトニング イノベーションは「30代が近付くとシミが気になるが、どうアプローチしていいか分からない人は多い。皮膚科に行くとシミの種類に合わせた最適な処置を施してくれるが、日常的には難しい。この美白美容液は様々なシミにアタックできる」。
ブライトニング ダーマ クリームは「白さとハリを阻害する暴走状態の線維芽細胞正常化に働きかける。肌に塗布するとコク感もありつつ、みずみずしく伸び広がり、溶け込むようになじむ」、ブライトニング チャージャーは「アスタキサンチンを配合した。強力な抗酸化パワーと有効成分3種のビタミン配合で、あらゆるエイジングの悩みに対応する。使うと白さとハリに満ちる。分包式で使い切りやすく、持ち運びやすい」、メルトフォース V クレンジングオイルは「メイクを落としつつ、3種類のビタミン成分を配合し、キメの整った明るいハリ肌へ導く。拭き取りも可能で使いやすい」、フロートリリース ジェルウォッシュは「泡立て不要の洗顔。肌になじませるだけで、汚れを浮かせて落とす」。
7品には、イノベーションは「メラニンアタック美白美容液」、クレンジングオイルは「ビタミン配合クレンジング」、ジェルウォッシュは「ストレス脂質クリア洗顔」など、見た人のフックになる、あるいは店頭のビューティアドバイザー(美容部員)が接客で魅力を端的に伝えやすいワードも絡めた。客に特長を分かりやすく示し、購買意欲を喚起する。
安易な拡大路線でなく少数精鋭
プランプブライト ラインは、エビデンスや分かりやすい肌実感などから、発売前の時点でビューティアドバイザー、主要販路の化粧品専門店、美容家、インフルエンサーらから好評だ。丸島氏は「使い続けてこそ効果が表れるが、社内外から『毎日使いたくなる感触』という声が寄せられた。『透明感が出て、シミが分かりづらくなる』という感想も届いた。プランプラインをリニューアル発売した昨年8月の成功体験もある。現場には『いけるぞ』という雰囲気が漂い、お客様の期待も感じる」と手応えをつかむ。
新商品は初動が成否を分けるため、プロモーションにも注力。2月18日からはベースメイクシリーズ「アルビオン スタジオ」の商品を5500円以上購入した客にプランプブライト ラインのメルトフォース V クレンジングオイル(30g)をプレゼントして周知に努め、発売日からは店頭に「美白」や「ハリ」、「30代からの」といった謳い文句を配したコルトンを設置したり、接客でサンプルやリーフレットを配ったり、アンフィネスの商品を1万5400円以上購入した客にスペシャルキットを贈呈したり、PRに余念がない(なくなり次第終了)。
昨年、今年と進化を遂げてきたアンフィネス。今後について、丸島氏は「メインターゲットである『結果を重視する人』に選ばれ続けるためには、ムダにアイテムを増やすのではなく、インパクトがあるアイテムを追加していく。リニューアルから1年後(の戦略)が重要で、2年目は精鋭を送り出す」方針だ。安易な拡大路線は採らない。あくまでも革新性を伴うインパクトで、アンフィネスは化粧品市場での声価を高める。
(野間智朗)