2025年04月16日

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「エキュート秋葉原」開業、接客ロボットやゲーム機を備えた次世代型施設に

接客ロボットなど最新技術を導入することで、人手不足の解消と顧客体験価値の向上を目指す

JR東日本クロスステーションデベロップメントカンパニーは7日、JR秋葉原駅改札内に「エキュート秋葉原」を開業した。売場面積は約900㎡で、食品を中心とした23の常設ショップとイベントスペースで構成。全てキャッシュレス決済で、セルフレジ・集中レジも導入し、人手不足対策と顧客体験価値の両立を目指す。秋葉原生まれの接客・案内ロボットの採用、同店をバーチャル空間で再現した「Parallel ecute -Akihabara-」のローンチなども行い、新技術を取り入れた次世代型の商業施設を目指す。

出店ショップは、鶏惣菜専門の「ビッグオーブン チキン・アサヒ」、海鮮弁当ショップ「サカナバッカ」、サラダデリ専門店「サラダデリ マルゴ」、江戸前天丼専門店「日本橋 天丼 天むす 金子半之助」、フルーツデザートの「アローツリー」など。アニメやゲーム、音楽アーティストなど様々なコンテンツとのコラボグッズを展開する新業態の「トッパ!!! ベース アキバ」も登場した。

地域貢献プログラムとして、「PLAY FOR THE FUTURE -AKIBA DONATION-」をスタートした。レトロゲームを遊べる機体を店内に3つ設け、プレイ料金の一部が秋葉原周辺地域の活性化の取り組みに寄付される仕組み。

セルフレジとキャッシュレスで店員の業務を削減

エキュート秋葉原のメインターゲットは、同駅を乗り換え拠点にするオフィスワーカー。同駅は中央・総武線、山手線と京浜東北線の3路線に加えて東京メトロ日比谷線、つくばエクスプレス(TX)も乗り入れ、乗り換えに使う客は多い。サブターゲットは秋葉原のカルチャーを楽しむ趣味型のビジター、旅行者に定めた。

こうした客が短時間でスムーズに買い回れるよう、複数ショップの商品をまとめて会計できる集中レジをフードエリアに設置した。バーコードの読み取りや会計、袋詰めまで全て客が行うセルフ仕様になっている。また、同社のエキナカ施設としては初めて全ショップをキャッシュレス化し、これまでの約半分の人員で運営できるようになった。

乗り換え客に向けては、PCやスマートフォンであらかじめ注文し、駅構内のロッカーや店頭で受け取れるモバイルオーダーシステムも取り入れる。例えば秋葉原駅に向かう電車の中で注文し、着いたらすぐに受け取ることが可能だ。乗り換え客や、次の予定が詰まっている来街者に便利なソリューションを提供する。導入するモバイルオーダーサービスはJR東日本が手掛ける「JRE MALL オーダー」で、4月中の開始を予定。一部商品がサービス対象となる。

店内の様子

インバウンド客向けの外国語対応も充実

駅近隣の在住者、ワーカーに向けてはデリバリーアプリ「menu」への出店を行った。駅から半径6km以内に、注文から60分以内で商品を届ける。弁当や惣菜、パン、スイーツなど13のショップが対象で、複数ブランドをまとめて購入できるのが強みとなる。

人手不足解消のため、接客・案内用のロボットの採用、バーチャル空間の提供も行う。ロボットは秋葉原に本社を構えるugo社のロボット「ugo Pro」を商業施設として初めて導入。ugo Proには大規模言語モデルを活用した「案内ロボットソリューション」を搭載しており、訪日客など他言語話者にも幅広く対応する。店内案内、簡単な接客、緊急時の一次対応などが期待できる。

バーチャル空間のParallel ecute -Akihabara-は、同店を完全再現した3Dワールドを、スマートフォンやパソコンを通じて体験できる。AIコンシェルジュであるマスコットキャラクター「エキュートのリス」が、施設情報や商品について会話形式で案内。エキュートのリスは日本語、英語、中国語(簡体字、繁体字)、韓国語の4言語に対応できる。

(都築いづみ)