三陽商会、“五季”カレンダー2年目 さらに盛夏商材を強化
パンツスタイルの強化を目標の1つに掲げ、各ブランドから、機能性やトレンドを取り入れたパンツを発売する
三陽商会は今夏、盛夏向け商材を拡充する。6~8月の生産数を、前年比12%増に設定。春夏シーズンにおける後半の生産数の比重も5ポイント高める。昨年の盛夏商戦は売上高が前年を超えたものの、目標には未達。その反省を踏まえ、価格帯を広げたり、手薄だったパンツを拡充したりする。
同社は夏の長期化、酷暑化を踏まえ、夏を「初夏・盛夏」(5~7月)と「猛暑」(8~9月)に分けた「五季」のMDカレンダーを開始。盛夏向けジャケットやセットアップアイテムを強化した。しかし、他社に比べて価格が高かったことが影響し、6~8月の売上高は目標に届かなかった。加藤郁郎副社長は「秋冬物のアウターやコートと異なり、夏物は当用買いの傾向が強い。価格対応力が欠けていた」と振り返る。
そこで今季は、価格競争力のある商品を用意する。マッキントッシュ フィロソフィー(紳士)では、Tシャツのエントリープライスが昨年1万3200円だったが、今年は1万1000円に設定。ポール・スチュアートの婦人と紳士も、これまでより廉価な1万円台のカットソーやポロシャツを揃える。
涼しく軽量なビジネススタイルを提案する(写真は「ポール・スチュアート」婦人)
品揃え面では、パンツやジャケットアイテムを充実させる。これまで盛夏はドレスやスカートが中心で、パンツは手薄だった。今季は同社のパターン技術を駆使した高機能パンツ、トレンド感のあるワイドパンツやタックパンツなどを開発。全社生産数を、前年比で15%増やす。トップスと合わせたスタイリングで提案し、単価アップも狙う。
ジャケットは、昨年6~8月の定価商品の売上高が前年比25%増と好調だったのを受け、今季は同7%増で生産。暑い夏でも着用可能なビジネスジャケットに加え、軽量で涼しげなカラミ、シアー素材、ニットなどのジレや羽織りアイテムも拡充。猛暑でも快適かつきちんと見えるレイヤードスタイルを提案する。
(都築いづみ)