2025年03月10日

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Jフロント、宮崎県の老舗菓子製造販売会社に出資 事業承継ファンド第1号

「九州純バタークッキー」などで知られる、お菓子の昭栄堂

J.フロント リテイリングは、日本政策投資銀行およびイグニション・ポイント ベンチャーパートナーズと設立したファンドを通じて、宮崎県都城市の老舗菓子製造販売会社、お菓子の昭栄堂に出資した。ファンドは後継者不足などの問題を抱える中小規模の食品企業を中心に投資する方針で、第1号となる。昭栄堂の株式の過半数を取得。JFRグループの人材や販路、情報などを生かし、新商品の開発、経営体制の強化、売上げの伸長につなげる。

JFRと日本政策投資銀行、イグニション・ポイント ベンチャーパートナーズは昨年3月に事業承継ファンド「Pride Fund(プライド・ファンド)」を設立。運営規模は約30億円、運用期間は10年間で、3~4年以内に7~8社への投資を目指す。JFRの子会社化を前提に、後継者に課題や悩みを持つ中小企業、食品や工芸品をはじめ地域に根差した商品を手掛ける企業を調査してきた。

そうした中で、昭栄堂に着目。同社は1901年に創業し、添加物が含まれていない素材を生かした和洋菓子が幅広く支持されている。近年は卸売にも注力しており、「九州純バタークッキー」や和風ソフトクッキー「菓心なごみ」などはスーパーマーケットや空港店舗などに並ぶ。一方で、さらなる事業の拡大には経営管理体制の強化、人財の拡充などが課題となっていた。なお、昭栄堂の遠武憲明社長は当面続投する。