2025年04月19日

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虎ノ門ヒルズステーションタワーの再開発が完了へ

森ビルなどで推進してきた虎ノ門ヒルズステーションタワーの再開発事業が「グラスロック」(虎ノ門一・二丁目地区第一種市街地再開発事業A-2街区)の開業によって完結する。グラスロックには1月31日と4月9日の2段階に分け、7店舗(約2700㎡)が開業。これにより「虎ノ門ヒルズ」の商業空間は約170店舗・約2万6000㎡の規模に拡大する。

虎ノ門ヒルズは東京都心部における新たな交通結節点として環状2号線、大規模バスターミナル、東京メトロ日比谷線「虎ノ門ヒルズ駅」と一体的に整備した広大な駅前広場、幅員20mの大規模歩行者デッキなど、地上・地下・デッキレベルの重層的な交通ネットワークを強化・拡充してきた。「森タワー」と「ステーションタワー」の中心に位置し、2階部分を大規模歩行者デッキ「T-デッキ」が貫通する地下3階~地上4階、延床面積約8800㎡のグラスロックが開業することで、ステーションタワーの再開発事業が完結。虎ノ門ヒルズの交通結節機能と回遊性がさらに向上する。

飲食・物販の7店舗はグラスロックの地下2階~地上3階に開く。1月31日に、東京メトロ日比谷線「虎ノ門ヒルズ駅」に直結する地下2階に「BANANA REPUBLIC」と「OWNDAYS」がオープンした。BANANA REPUBLICは1978年にサンフランシスコで創業したグローバルライフスタイルブランドで、OWNDAYSは日本、シンガポール、台湾など全世界13カ国・地域で570店舗以上を展開しているアイウェアブランドだ。

4月9日にオープンするのが、国内書店大手の丸善ジュンク堂書店の新業態書店「magmabooks」(2、3階)、桜田通りに面する地上1階の「TULLY’S COFFEE &TEA」、「BENOIT NIHANT」、「ROSE GALLERY」、2階のクラフトビールカフェ「Uchu Brewing 虎ノ門」。「知は熱いうちに打て」がコンセプトのmagmabooksは従来の書店が提供する販売のみの場を超え、知との出会いを軸とした体験型の空間を提供する。

具体的には、多様な“問い”を書籍に紐付け、本との出会いを創出する「問い散歩」や、編集型書棚である「知の森」などの新たなインタラクティブな要素に加え、有料ラウンジ「magmaLOUNGE」が設けられる。書籍については、これまでの“本を探す”書店から“本と出会う”書店を目指し、既存のジャンル別構成の売場(3階)のほか、テーマごとに編集し、本棚を通じて新たな世界観を提示する売場(2階)を設置する。

3店舗からなる1階のTULLY’S COFFEE &TEAはフレーバーティー、フルーツティー、ダージリンといった産地茶などを提供する旗艦店。BENOIT NIHANTは元エンジニアという異色の経歴をもつショコラティエ、ブノワ・ニアン氏が単一農園・単一品種のカカオ豆を厳選してつくり上げるチョコレートショップだ。ROSE GALLERYは1975年に世界でも珍しいバラの専門店として東京に出店。虎ノ門ヒルズはそれから50年後に誕生する店となる。虎ノ門ヒルズ店発のエシカルブランド「re:ROSE」も併設予定。2階のUchu Brewingは八ヶ岳の美しい自然の中で宇宙をテーマに醸造されたクラフトビール醸造所「うちゅうブルーイング」の首都圏初の常設店となる。

(塚井明彦)