2024年11月 東京・大阪地区百貨店売上高
3カ月ぶりにプラスへ、冬物衣料品が伸長
日本百貨店協会の調査によれば、東京地区百貨店(12社・22店)の11月売上高は1560億円余だった。入店客数は先月に引き続き7.6%減だったが、前年比(店舗調整後)売上高は2.7%増と3カ月ぶりにプラスに転じた。月後半に気温が低下し、コートなどの重衣料に動きがみられた。各社が企画した食品催事や優待企画なども売上げに寄与した。インバウンドは訪日客数が同月で過去最高を記録し、依然として増勢が続いている。
3カ月移動平均値は、直近の9~11月が0.5%増、8~10月が1.4%増、7~9月が4.8%増、6~8月が10.5%増、5~7月が13.7%増、4~6月が14.8%増だった。
商品別では、食料品(2.1%減)、家庭用品(5.2%減)を除いた3品目が前年を上回った。主力の衣料品(9.3%増)は3カ月ぶりにプラスとなった。気温の低下に伴いコート、ジャケット、セーターなどの防寒商品が伸長し、中でもコートはウール、非ウール共に好調。婦人服・洋品(11.3%増)は売上げを大きく伸ばした。子供服・洋品(4.3%増)は、インバウンド需要もあり2カ月ぶりにプラスに転じた。その他衣料品(4.5%増)では、ゴルフ関連や冬物寝具も動いた。
身の回り品(4.5%増)は39カ月連続のプラスで、ラグジュアリーブランドを中心に好調が続く。特にハンドバッグや財布などの革小物が好調だった。婦人靴ではショートブーツにも動きがみられた。ホリデーギフトやボーナス需要の影響で、アクセサリーが高伸した。
雑貨(4.8%増)は3カ月ぶりにプラスとなった。高付加価値商材が好調に推移し、美術・宝飾・貴金属(7.7%増)が伸長した。化粧品(13.1%増)は国内外共に好調で2桁の伸びを示し、限定品などクリスマスコフレが活発に動いた。
食料品(2.1%減)は、価格高騰の影響で全品目が前年割れとなった。菓子(0.1%減)はギフト需要がみられたほか、和洋酒ではインバウンド需要も目立った。おせちはネット受注が増加傾向だった。