2024年9月 東京・大阪地区百貨店売上高
37カ月ぶりにマイナス。衣料品、雑貨、食料品が伸び悩み
日本百貨店協会の調査によれば、東京地区百貨店(12社・22店)の9月売上高は1258億円余だった。前年比(店舗調整後)は0.6%減と37カ月ぶりにマイナスに転じ、入店客数も7.0%減で前年を下回った。長引く残暑や各社が企画した上顧客向け催事の開催時期のずれ、一部店舗の改装工事などがマイナス要因となった。為替相場は円高に振れたものの、影響は限定的で、免税売上げは引き続き高付加価値商品が好調を維持した。
3カ月移動平均値は、直近の7~9月が4.8%増、6~8月が10.5%増、5~7月が13.7%増、4~6月が14.8%増、3~5月が12.9%増、2~4月が13.2%増だった。
商品別では、衣料品(0.2%減)、雑貨(1.9%減)、食料品(5.4%減)の3品目が前年を下回った。主力の衣料品は36カ月ぶりのマイナス。残暑が続き、前半はニットやコートなど秋冬物の動きが鈍く、カットソーやブラウスなどの軽衣料が伸びた。後半は気温の低下に伴い、ジャケットやアウターなどが動いた。紳士服は買い替え需要でスーツが稼働した。子供服はインバウンド需要がけん引し、3カ月ぶりにプラス(2.7%増)となった。
身の回り品(3.5%増)は37カ月連続のプラスで、ラグジュアリーブランドが引き続き伸長した。インバウンド需要のほか、各社の上顧客向け催事も全体を押し上げた。残暑の影響で、ブーツや防寒シューズは振るわなかったが、サンダル、スニーカーなどカジュアルアイテムが好調だった。
雑貨は37カ月ぶりにマイナスだった。化粧品(2.0%増)は国内ブランドが好調に推移したほか、秋の新作投入で需要を喚起した。アイテム別では、スキンケア、ベースメイク、フレグランスに動きがみられた。美術・宝飾・貴金属は微減(0.4%減)だったが、外商が伸長した。
食料品は、価格高騰の影響から3カ月連続でマイナスとなった。菓子(1.8%減)は、前月より1.8ポイント回復した。物産展や外国展が好調で、彼岸のおはぎやお団子、和菓子が動いた。