2024年11月21日

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三陽商会、3~8月は営業減益も粗利率上昇

下期は百貨店への出店、改装も順次行っていく方針だ

三陽商会の2024年3~8月期の連結業績は、純損益が4億5700万円の黒字だった。前年より38.5%減だが、計画値を約1000万円上回っている。繰越品の減少に伴うセール販売値引き幅の圧縮によって、粗利率が改善した。売上高は前年比0.9%減の279億200万円(計画比4億円減)、営業利益は同16.5%減の5億9900万円(同1億円増)、経常利益は同13.8%減の6億7800万円(同1億3000万円増)だった。

第1四半期(3~5月)の売上高は、前年のリベンジ消費の反動があり、前年比96%となった。第2四半期はクリアランスセールの開始が6月に前倒しになったことから、6月が同113%と高伸長。7~8月は盛夏ジャストシーズン商材や初秋プロパー品を投入したが、価格設定に課題があり、7月が同94%、8月が同102%と伸び悩んだ。

大江伸治社長は「他社と比べて高額に設定したのが要因。その分素材や意匠にこだわったが、価格で比較するお客様が多かった。当社が得意とする秋冬コートは嗜好品としての要素が強く、高額でも購入されるが、盛夏商材は“実用品”としてみられることが分かった」と述べる。

他方で粗利率は62.9%となり、前年より0.8ポイント改善。計画値に対しても0.3ポイント上回った。プロパー販売比率と原価率は前年並みだったが、繰越品の減少に伴うセール販売値引き幅の圧縮が寄与した。

これらの結果を踏まえ、大江社長は「MDサイクルの短縮化は進めるが、不確定な要素が多い。期中の修正をいかに軽いフットワークで、細やかに対応していくか」と下期の指針を語った。

(都築いづみ)