2024年10月18日

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2024年8月 東京・大阪地区百貨店売上高

台風や猛暑の影響あるも、盛夏商材が好調

日本百貨店協会の調査によれば、東京地区百貨店(12社・22店)の8月売上高は1210億円余だった。前年比(店舗調整後)は6.6%増と36カ月連続プラス、入店客数は2.6%減で前年を下回った。19年比では4.8%増だった。

記録的な猛暑や下旬の台風10号の影響などで入店客数が振るわなかったものの、引き続き高付加価値商材やインバウンドがけん引したほか、盛夏商材が好調だった。夏休みのファミリー向けや外商顧客向けの催事も盛況だった。

3カ月移動平均値は、直近の6~8月が10.5%増、5~7月が13.7%増、4~6月が14.8%増、3~5月が12.9%増、2~4月が13.2%増、1~3月が11.7%増だった。

商品別では、家庭用品(4.9%減)、食料品(4.5%減)を除いた3品目で前年をクリアした。主力の衣料品(10.2%増)は35カ月連続のプラスで、厳しい残暑の影響で、カットソー、Tシャツなど夏物衣料が高稼働した。婦人服の秋口まで着られるブラウスや、紳士服のポロシャツなどのカジュアル衣料も好調だった。夏期休暇の需要から、スポーツやアウトドア関連商材も動いた。

身の回り品(10.9%増)は36カ月連続のプラスで、ハンドバッグや財布を中心にラグジュアリーブランドの増勢が続いた。インバウンドは、為替相場が円高傾向を示すも購買意欲に大きな変化はなく、引き続き好調だった。サンダルや日傘、帽子など盛夏アイテムが高伸した。

雑貨(7.4%増)は36カ月連続のプラスだった。美術・宝飾・貴金属(7.7%増)では、外商顧客向け催事などで時計が好調に推移した。化粧品(7.6%増)は猛暑から秋物の季節需要が鈍かったが、口紅など一部商材が堅調だった。家庭用品ではECを中心に、南海トラフ注意報の影響で防災用品が動いた。

食料品(4.5%減)は、入店客数の減少と連動し2カ月連続減となった。全品目でマイナスを示したが、菓子(3.6%減)は帰省土産やインバウンドの手土産需要もあり堅調だった。