2024年10月18日

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インバウンドは同月対比で過去最高、国内市場もプラス

日本百貨店協会が調査した全国百貨店(70社・179店)の8月売上高は4034億円余で、前年比(店舗調整後)は3.9%増、2019年比でもほぼ同水準で推移している。入店客数は1.8%増となり、売上げと共に30カ月連続でプラスだった。

台風10号による一部店舗の臨時休業や時短営業などのマイナス要因があったが、引き続き高付加価値商材とインバウンドがけん引した。記録的な猛暑により盛夏アイテムが動いたほか、帰省や旅行需要の関連商品が好調だった。各社の外商催事や会員施策も活況で、夏休みのファミリーイベントや物産展などの食品催事も奏功した。

顧客別では、インバウンドが45.7%増の463億円(19年比80.9%増)と29カ月連続プラス、購買客数は45.3万人(44.8%増)で、いずれも同月対比で過去最高を記録している。免税売上げの1~8月累計は4441億円(133%増)で推移した。

国内市場は、食料品が苦戦したものの高額商材と盛夏アイテムが好調で、前月から1.5ポイントアップの0.2%増(シェア88.5%)とプラスに転じた。19年比では5.9%減だった。

地区別では、大都市は富裕層顧客向け催事が盛況で、インバウンドが高額消費、盛夏商材もけん引し、9地区でプラスを示した。札幌(11.8%増)は、リニューアル効果も寄与し2桁増を維持している。そのほか増加率上位の都市としては、大阪(7.8%増)、東京(6.6%増)、福岡(6.4%増)、京都(5.7%増)がある。地方は5地区で前年に届かず、2カ月連続のマイナスとなった。台風や大雨による臨時休業や、主要顧客層の外出自粛などが響き苦戦した。

商品別では主要5品目のうち、食料品(1.2%減)、家庭用品(2.0%減)を除いた3品目で前年実績を上回った。ラグジュアリーブランドのバッグや時計など美術・宝飾・貴金属(9.7%増)が高伸した。衣料品(4.1%増)や服飾雑貨は盛夏商材やUV関連アイテムが好調だったほか、一部秋物商材も動いた。菓子(0.2%減)は帰省や旅行、手土産需要が健闘し、ほぼ前年並みとなった。