中学2年生が佐野プレミアム・アウトレットの仕事を学ぶ
三菱地所・サイモンが運営する佐野プレミアム・アウトレットは、佐野市内に所在する佐野市立南中学校の2年生に向けて授業を行う。文部省の推奨する「キャリア教育」および「ふるさと教育」のカリキュラムの一部として開催するもので、9月25日から10月にかけて5クラス分、合計約150名に向けて実施する。佐野市内で商業施設が中学校の学年全員に向けた授業を担うのは初めて。
佐野市立南中学校では、子供達が主体的に社会に参画し、先の未来を自分達の手で共に創造していけるようにという考えのもと、学生がふるさとの社会や産業などに触れ、将来のキャリア形成に役立てることを目的としたキャリア教育とふるさと教育を融合した3年間のカリキュラムを計画している。佐野プレミアム・アウトレットは、三菱地所グループの一員として三菱地所と社会の持続可能性4つの重要テーマの1つである「次世代に誇るまちのハードとソフトの追求」に基づき、地域社会を担う人材育成の機会創出に貢献するため、同中学校からの相談に応え、このカリキュラムへの協力を決めた。
授業は佐野プレミアム・アウトレットの社員が講師となり、1クラスにつき150分間行う。「SEKAI NO TOBIRA」をテーマに、生徒達にとって身近な地元の商業施設である佐野プレミアム・アウトレットを通じて未知の世界である職業や業務内容を説明、紹介する。授業内容は「アウトレットモール(デベロッパー)の仕事」「ショップ(販売)の仕事」「グループディスカッション」「バックヤードの見学」の4科目を予定している。
アウトレットモール(デベロッパー)の仕事(30分)では、三菱地所・サイモン社員が施設の成り立ち、社員の業務、マーケティング施策などを説明。ショップ(販売)の仕事(30分)では、ショップスタッフや出店ブランドの社員などをゲスト講師として招き、店舗での仕事や仕事のやりがい、スタッフ自身の入社理由などを説明する。ゲスト講師(店舗・会社名)は、9月25日がスコッチグレイン、ギャップ、26日がシップス、スタッフブリッジ(販売代行会社)、10月3日がスタイリングライフ・ホールディングス、プラザスタイル カンパニー、ユナイテッドアローズ、21日がスコッチグレイン、31日がシチズン、スターバックスが登壇を予定する。
グループディスカッション(60分)では「アウトレットにあったら良いイベントや店舗」をテーマに、グループごとに考え、生徒がアウトレットの企画を考えて発表する。バックヤード見学(30分)では普段は見ることができない管理室や従業員休憩室、ゴミ処理施設、貯水槽などを見学する。
同事業の実施にあたって、佐野プレミアム・アウトレットで営業課マネージャーとしてカスタマーサービスや営業企画などに携わっている増田ひろこ氏は「様々な方々の業務により成り立っているアウトレットでの仕事にフォーカスし、将来に就職を考える際の選択肢、および施設の未来の雇用促進になればという考えで授業にあたる。普段は見ることができないアウトレットの裏側も紹介し、楽しく心に残る授業となるように努めたい」とコメントした。
ゲスト講師となるスコッチグレインは「中学生という若い方々に、革靴の話をするという貴重な機会をいただいたことを嬉しく思っている。この登壇を通じ、当ブランドのことや、提供する側の目線での接客という仕事について、何か少しでも興味を持ってもらえるよう、その魅力を存分に伝えられるよう努めたい」と語り、ギャップは「授業を通して、働いてみてわかる実際の仕事のやりがいや達成感はもちろん、ギャップならではの業務内容や企業理念、独自のキャリア形成を自身の経験を踏まえてお話ししたい。様々な働き方や生き方を選べる時代であっても、この事業をきっかけに“アパレルスタッフ”という仕事が学生の皆さんの将来の選択肢に入ることを期待している」と述べた。
(塚井明彦)