2024年5月 東京・大阪地区百貨店売上高
夏物衣料が稼働、高額品の駆け込み需要も
日本百貨店協会の調査によれば、東京地区百貨店(12社・22店)の5月売上高は1414億円余だった。前年比(店舗調整後)は17.3%増と33カ月連続でプラス、入店客数は2.8%増の17カ月連続プラスとなった。引き続きインバウンドが好調で全体をけん引したほか、各社企画のイベントや物産催事も寄与した。2019年比でも15.5%増(8カ月連続プラス)の2桁増となり、プラス基調が継続している。
3カ月移動平均値は、直近の3~5月が12.9%増、2~4月が13.2%増、1~3月が11.7%増、12~2月が9.7%増、11~1月が7.4%増、10~12月が7.8%増だった。
商品別では、主要5品目のうち、食料品(2.0%減)を除く4品目で前年をクリアした。主力の衣料品(15.2%増)は32カ月連続のプラスで、気温上昇に伴いブラウスやカットソーといった初夏物が好調に推移し、Tシャツなど夏物も本格的に動いた。服飾雑貨では、ゴールデンウィークの外出需要や母の日需要から、帽子やサングラスなどの季節商材が好調だった。
身の回り品(37.6%増)は33カ月連続のプラスで、ラグジュアリーブランドは一部価格改訂前の駆け込みの影響もあり高伸した。外出機会の増加から晴雨兼用傘やカジュアルシューズ、スニーカー、サンダルが好調だったほか、スーツケースやトラベルバッグなど旅行用品も国内外共に動いた。
雑貨は33カ月連続のプラスで30.1%増だった。高額商材の美術・宝飾・貴金属(43.4%増)は、12カ月連続でプラスが継続している。価格改訂前の駆け込み需要もあり、増加率は先月より19.1ポイントアップした。化粧品(18.8%増)はUV関連商品を中心に、国内外のブランド共に好調だった。
食料品(2.0%減)は2カ月連続のマイナスとなった。カテゴリー別では、新型コロナウィルス5類移行後の需要高の反動や物価上昇の影響から、生鮮食品(4.2%減)、惣菜(1.6%減)がマイナスだった。菓子(1.7%増)は、国内外の手土産や母の日ギフト需要で好調が続いている。酒類もインバウンドの手土産需要を中心に伸長した。