三越伊勢丹HD、タイの不動産開発事業へ参画
三越伊勢丹ホールディングスは21日、タイ・バンコクの複合開発プロジェクト「One Bangkok」のオフィス事業と小売事業に参画すると発表した。タイ財閥大手のTCCグループの不動産開発企業「TCC アセッツ」、不動産大手フレイザーズ・プロパティ子会社の「ワン バンコク カンパニー」と共同で行う。4月5日に合弁契約を締結し、5月17日にタイ・バンコクにて調印式を開催した。
「One Bangkok」は、総面積約17万3000㎡、投資額約1200億バーツ(約5000億円)を超えるバンコク中心部最大の複合開発。オフィス、商業施設、高級住宅、ホテル、アリーナ、広場などで構成される。立地はバンコク中心部の主要幹線道路に位置し、急成長するバンコクの物流・交通網とも直結する。
オフィス事業は、オフィスタワーのうちの1棟に出資し、開発・運営に参画する。小売事業はワン バンコク カンパニーとの合弁で、日本の「デパ地下」をイメージした高級スーパーマーケットを商業施設に出店する。
三越伊勢丹グループは現中期経営計画(22~24年度)で、国内小売事業で培ったノウハウとのれんの力で不動産の価値向上と収益拡大を目指す新たな海外事業に着手している。すでに第1弾としてフィリピン・マニラで、分譲タワー型コンドミニアムと商業施設が一体となった複合開発を野村不動産、フィリピン大手不動産のフェデラルランド社と共同で行った。
今回は第2弾に当たる。同グループは不動産事業を成長領域と位置付けており、こうした海外事業を通じて不動産の知見を獲得することも目指す。