三菱地所とTBSホールディングス、「赤坂二・六丁目地区開発計画」で起工式 劇場やホール、ホテルなど整備
三菱地所とTBSホールディングスは先ごろ、共同推進する「赤坂二・六丁目地区開発計画」の起工式を行った。2021年11月に国家戦略特別区域、24年2月9日に民間都市再生事業計画の認定を受け、新築工事も開始。“赤坂エンタテインメント・シティ”をビジョンに掲げるTBSが、計画地内に劇場・ホールを整備し、エンタテインメント関連企業、スタートアップ企業、クリエイターが集う施設を設けるなど、世界に向け最高のコンテンツを届ける拠点を目指す。
同再開発事業では、東街区(敷地面積約8762㎡)に地下4階~地上40階、高さ約207m、延床面積約16万7650㎡の規模を持つ超高層ビルを建て、事務所、店舗、インキュベーション施設などで構成。西街区(同約5415㎡)に建てられる地下3階~地上18階、高さ約100mの高層ビルは、劇場・ホール、ホテル、店舗などが主要用途となり、28年3月末に竣工予定だ(東街区は全体竣工が28年10月末予定)。
同再開発事業における開発の主眼は①地下鉄駅を中心に、まちの回遊性を高める都市基盤の強化②国際競争力の強化に資するエンタテインメント産業拠点の形成③環境インフラの更新と都市防災機能の強化――の3つだ。
都市基盤の強化では、東京メトロ千代田線「赤坂駅」に直結し、地下2階から地上にかけて、駅と街の境界を感じさせない駅空間の賑わい・交流の場となる広場(合計約4900㎡)が整備され、赤坂駅から連続した空間で地上まで移動できるようにする。各街区の駅出入口(5番、6番)においては、駅と街を往来する利用者の回遊性・利便性の向上に向けて、エレベーターやエスカレーターなどのバリアフリー動線を整備。広場ではイベントの開催やオープンカフェの設置などで、駅から街の賑わいを感じられる環境を整える。交通機能についても、空港リムジンやバス、観光周遊バスを受け入れるバス乗降場を設け、来街者のアクセス性や周辺エリアとの回遊性の向上を図る。
エンタテインメント産業拠点の形成に向けて東街区に整備されるのが、スタートアップ企業やクリエイターの育成・交流拠点(約1000㎡のインキュベーション施設)。西街区には最新技術の活用、世界水準のエンターテインメントを提供・発信する劇場・ホール(約1万1000㎡)、赤坂エリアを代表する国際水準のハイグレードなホテル(約1万2000㎡)を整備する。加えて、赤坂駅周辺の来訪者に対しても、滞在時の拠点となる空間や劇場などと連携した文化体験の場を提供。赤坂サカス側とも連携を強め赤坂エリアでの“エンタテインメント・シティ”を目指す。
都市防災機能強化では、帰宅困難者を受け入れる一時滞在施設(合計約1100㎡、約660人収容可能)と防災備蓄倉庫(約100㎡、約650人分)を、屋外には災害時の一時待機場所(合計約1500㎡)を整える。そのほか、サイネージを活用した災害情報の発信、DHC(地域冷暖房)事業者と連携したCGS(コージェネレーションシステム)の活用と、非常用発電施設による電力を確保する。
(塚井明彦)