日清オイリオの「日清ヘルシークリア」、酸化を抑制する新技術搭載
日清オイリオグループは28日、酸化を抑制する新技術「ウルトラ酸化バリア製法」を採用した「日清ヘルシークリア」を発売した。つくりたての油のおいしさが開封後も持続し、一定期間経過してもすっきりと油っこくなく、加熱時の匂いが少ないのが特長。顧客の不安や関心の1つでもある「油の酸化」を解消し、油本来の新鮮なおいしさが続く画期的な商品として訴求する。
日清ヘルシークリアは「鮮度長持ち、サビないオイル」をコンセプトに開発された。2021年春に新商品開発プロジェクトがスタート。当初はクッキングオイルにニーズを見出そうとしたが、顧客から「油の劣化や酸化」に関する問い合わせが多いことに着目。これまで「Neoナチュメイド製法」「酸化ブロック製法」「フレッシュキープボトル」と、数々の酸化防止技術を開発してきたことから、これらを上回る技術へのチャレンジに踏み切った。
酸化とはそもそも「酸素が他の物質に結び付く化学反応」のこと。ほとんどが不飽和脂肪酸である植物油は構造上、炭素原子が二重結合になっていることが多い。酸素は主に二重結合部分に結び付きやすく、これにより分子構造が変化すると、物質の機能や性質も変化してしまうという。例えば、カットしたリンゴをそのままにしておくと、色が変わり風味や味が異なってしまうのも、こうした酸化メカニズムによるもの。油も同様に、味や匂い、色などが変化し、おいしさが損なわれてしまう。
そこで今回誕生したのがウルトラ酸化バリア製法だ。さらに高真空化させ、酸化油脂の生成を抑制するNeoナチュメイド製法と、容器のヘッドスペースにある酸素を除去する酸化ブロック製法に、新たに開発した「日清ウルトラファインバブル製法」を組み合わせた。ウルトラファインバブルとは国際規格で定義されている“超微細な泡”で、近年は魚の鮮度維持や植物の成長促進など様々なカテゴリーで活用されている。この技術を応用し、製造工程だけでなくボトルに油を充填した後も超微細な窒素の泡を油に吹き込み、油の中の酸素を徹底的に追い出すことに成功。開封後の油の酸化を抑え、すっきりとした脂っこくないおいしさを実現した。
ボトルの設計や油の容量にもこだわった。ボトルの側面には手で掴んで持ちやすいよう溝を施し、取っ手不要の形状とした。容器の素材は環境にも配慮し、再生プラスチックを使用。油の容量は使い切る期間を考慮し、同社が最適量とする800gに設定した。
今年は、日清オイリオが日本初となるサラダ油「日清サラダ油」を発売して100年という節目の年でもある。20日に都内で開かれた日清ヘルシークリアの発表会で、久野貴久代表取締役社長は「当社はこれからも“植物のチカラ”を価値創造の源泉として、生きるエネルギーを全ての人に届けられるよう油脂を極め続けていく。新たな価値を市場に先駆けてつくり続け、今後も油脂の健康やおいしさの魅力、当社のこだわりや取り組みを発信していく」と述べた。
長年に亘り培ってきた酸化防止技術を結集させた日清ヘルシークリア。「油を通して食卓をもっと豊かでおいしいものにしたい」という想いも届ける新商品だ。
(中林桂子)