東急プラザ原宿「ハラカド」4月17日開業 原宿カルチャーの創造・体験の場に
東急不動産が手掛ける東急プラザ原宿「ハラカド」が4月17日に開業する。同社は広域渋谷圏の原宿・神宮前エリアを世界に向けた文化創造・発信拠点とするため、東京地下鉄とまちづくりに取り組んできた。ハラカドはその核となる。これに伴い、神宮前交差点にある「東急プラザ表参道原宿」を東急プラザ表参道「オモカド」に改称する。
ハラカド(地下3階~地上9階、延床面積約1万9940㎡)は「多様な人々の感性を刺激する、新たなカルチャーの創造・体験の場」を目指す。これまで様々なカルチャーを生み出してきた原宿・神宮前エリアが持つヒストリーや、SNSを通じて誰もが発信や自分なりの表現を行う現在の時代背景を踏まえた。
ハラカドには75店舗が出る。地下1階から屋上テラスまでの全フロアに「多様な人々の完成を刺激する、新たな原宿カルチャーの創造・体験の場」を実現するため、感度の高いヒト・モノ・コトと「出会う」「つながる」「体験する」「楽しむ」を掛け合わせた、チャレンジマインドあふれる個性的な店が揃う。
ハラカドの文化創造・発信拠点としての中心的役割を担うのが、3階の「クリエイターズプラットフォーム」。クリエイティブマインドを持つ多様な人々や企業が出会い、共創することで新しい文化を生み出し、世界に向けて発信できる機能を実装する。会員制のクリエイティブラウンジ「BABY THE COFFEE BREW CLUB」は、クリエイター達が共創を促す“クリエイティブな社交場”を目指す。
ほかにも、OOAACCが手掛ける角打ちスタジオ「STUDIO SUPER CHEESE」、博報堂ケトルのソーシャルクリエイティブ専門のスタジオ「STEAM STUDIO」、ラジオ局のJ-WAVEによるポッドキャストスタジオとアートギャラリーを併設した新しい形のスタジオ「J-WAVE ARRTSIDE CAST」などが、個人や企業のクリエイティブ活動をサポートする。
コラボレーションやコミュニケーションの拠点として、コクヨの「COPY CORNER」、カンロの「KanroPOCKeT ラボ」が新業態でオープン。うなぎパイの春華堂が手掛けるクリエイティブカフェ&ラボラトリー「HOW´z」、BookLiveの初リアル店舗「OSHI BASE Harajuku」なども出店する。様々なクリエイティブカンパニーによる全17店舗は、これまでにない挑戦的な展開が期待される。
「原宿のまちの食堂 多様な食文化やアートを体感し、感性と出会い・集う」フロアとなるのが5~7階だ。飲食フロアとなる5~6階は、新しい食文化や人との出会いを生み出す新しい「原宿のまちの食堂」。これまで原宿・神宮前エリアにはない過ごし方や体験価値を提供する。5階はクリエイティブマインドを刺激するような内装の店舗が、横丁のように軒を連ねアートも点在。6階は緑豊かな芝生ゾーンと開放的な屋上テラスがシームレスにつながり、自分らしい時間の過ごし方を提供する。5、6階共に11~23時の営業時間で、ランチならびにディナーのニーズに対応する。
7階の屋上テラスは神宮前交差点が見下ろせ、都市の喧騒を感じながらも美しい景色と緑豊かなリラックスした雰囲気を楽しめる。5~7階一体を「HARAJUKU KITCHEN & TERRACE」と名付け、飲食フロアと屋上テラス約860坪に全23店舗を集積。5階には日常的に通いたくなる飲食店や路地裏のような雰囲気のある居酒屋など、個性的で多様性のある食の要素を集める。「東京肉しゃぶ家」がプロデュースする、150種以上の豚肉から選び抜かれた銘柄豚をしゃぶしゃぶやサムギョプサル、とんかつで味わえる「PRETTY PORK FACTORY & KATSU プリポー」、鮮度感抜群のスタイルで店内仕込みの職人がいる「まぐろ問屋 恵み」など個性的な11店舗が開く。
6階は「神宮前の交差点でゆったりしよう」がテーマ。開放的な屋上テラスとシームレスにつながり、最先端のモノが集まる神宮前だからこそ、のんびり過ごせる神宮前交差点の“たまり場”をつくる。11の個性的な飲食店から、多人数でシェアできる料理や酒などをテイクアウトして、1人でも仲間とでも自由に過ごせるフロアとなる。店主自ら狩猟した食材を使ったカレーやジビエのコースが話題の「Beet eat」や、Leading Communicationが初めて手掛けるカジュアル中華ダイニング「ハオハオチー(好好吃)」などが登場。本場のナポリピッツァ、アボカドを使ったメキシカングリル、ファラフェル、バインミー、イタリアンジェラートなど多彩な食が楽しめる。
多様なカルチャーや新しいエンターテインメントを原宿らしく編集し、国籍・性別・年齢にかかわらず誰もがボーダーレスに体験できる場所を目指すのが4階。第1弾として、フロア全体を「ハラッパ」と題し、「自然・チルアウト」×「原宿で体験」をテーマにした企画が登場する。焚火を囲うようなインスタレーションなどの自然や、サステナブルを感じるコンテンツが神宮前交差点前の約312坪で展開。さらに代官山駅前にある「TENOHA 代官山」(Forestgate Daikanyama内)とも連携していく。ハラッパを手掛けるメンバーとして、各方面で活躍するクリエイターの参画も決まった。
G階、1階、2階、および地下1階には、物販やサービス店舗を中心に、これまでECサイトや地方に出ていたブランドがリアル店舗初や原宿初として登場。ハラカドで新しいチャレンジをする店舗が多数揃い、「ハラカド」らしい「楽しむ」が詰まった個性的なラインナップを実現する。
G階には国内外の著名人やファッションデザイナーが集まり、東京カルチャーを夜からつくり上げてきた会員制バー「CASBA」が、多くのクリエイターとのコラボレーションによるアパレルブランドとして出店。1階には原料や製法、デザインワークなど自社内でこだわってつくるクラフトチョコレートを販売する「rit.TOKYO」が、広島から東京に初進出する。「ヒトツブカンロ」は、東京駅に次いで都内2店舗目となる常設店を開く。「ALL GOOD FLOWERS」は、ロスを出さないサーキュラーフラワーショップを展開。本来捨てられてしまう花を3階のLABで新しいアイテムにつくり直し、1階店舗で販売する。
2階には「Glam Lips」「SEPLÚMO」「THREE TREASURES」といった、これまでオンライン中心だったブランドがリアル店舗初出店。ビルの老朽化により惜しまれながら閉店した「YUBUNE」も原宿初出店を果たすなど、ハラカドにしかないラインナップが揃う。地下1階には高円寺の老舗銭湯の「小杉湯」が、神宮前交差点で銭湯を中心とした暮らしを提案する「小杉湯原宿」をオープンする。表参道と明治通りに面した区画には、英国発のフレグランスライフスタイルブランド「ジョー マローン ロンドン」の世界最大規模の旗艦店が、24年秋にはパリの旗艦店「30 モンテーニュ」にインスパイアされた空間が魅力の「ディオール 神宮前」が入る予定だ。
ハラカドでは、リアルの価値を最大限活用するため、3つの異なるタイプの発信力の高い体験型メディアを展開する。OOH単体ではなく、魅力的な場所で行うイベントやサンプリングを併せて提供するメディアで、リアルでこそ実現する人々の集いや生まれる会話に着目し、体験価値を高める取り組みだ。ハラカドの館内にとどまらず、オモカドとも連動。神宮前交差点の目の前で、メディアと体験が掛け合わさった新しい価値を来街者および事業者双方に提供し、相乗効果を生み出す。
7階の屋上テラスで展開されるのは、年間約8900万人が通行する神宮交差点全体を使った唯一無二の交差点メディア。都心において稀少な緑豊かな庭園空間と、飲食提供可能なPOP UP SPACEとが連動し、多様な企業やブランドとのコラボレーションイベントを開催する。加えて、オモカドのメインエントランス上部に設置されるサイネージ「オモカドビジョン」は、ハラカドの屋上からも視認でき、交差点を挟んだ両施設で連動した立体的なプロモーションにも活用していく。
2階での様々な雑誌の紙面と連動したリアル体験メディアでは、イベントスペース「COVER」が登場。出版社の枠を超えたあらゆる世代・ジャンルにまたがる、雑誌特集記事とのコラボレーションイベントが行われる。神宮前交差点に面した窓面スペースを活用し、雑誌の紙面と交差点への広告、リアルな体験を連動させたプロモーションを実現する。地下1階でも、日本特有の「湯上がり文化」を満喫して実現する新たな体験型メディアが展開される。
(塚井明彦)