2024年11月23日

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大丸松坂屋百貨店の「明日見世」、第11弾は新生活を彩る“NEW”

新しい価値観とライフスタイルに注目した第11弾。期間は2月7日~4月30日となる

大丸松坂屋百貨店が大丸東京店の4階で運営するショールーミングスペース「明日見世」で7日、第11弾がスタートした。明日見世は3カ月ごとに内容を一新しており、今回は「TOKYO NEW VIEW -あしたのくらし-」をテーマに展開する。新生活のスタートを迎える時期に「自分の感性や時間の中に贅沢を見出す」「好きな場所で働く」という新しい価値観とライフスタイルに注目。「New Know-How-新しい出会い-」「Inner Luxury-内なる豊かさ-」「Anytime Anywhere-いつでもどこでも-」の3つをキーワードに、19のD2Cブランドを集積する。

本社経営戦略本部DX推進部デジタル事業開発担当の長谷裕香氏は「今回は新生活が始まる時期で、暮らし方も変わると思う。東京は新しい文化が集まる場所でもあるので、新しい価値観や暮らし方を東京に店を構える私達から発信したい」とテーマの意図を話す。加えて、テーマに「TOKYO」を組み込んだ理由について「明日見世は魅力的なものづくりを行う日本の各地域にフォーカスしてきたが、東京も実はものづくりが盛んな地域」と明かした。

香水のサブスクサービスは、1回当たり3980円で3本を試せるため、お得感もあるという

1つ目のキーワード、New Know-How-新しい出会い-では「“パーソナライズ&アップデート”自分にピッタリが見つかる・今あるものがもっと便利になるサービス」を提案する。

「ERAM(エラム)」はポーラ・オルビスHDが手掛ける香水のサブスクサービス。オンラインで自身がイメージする香りや、好きなファッションなど質問に答えると、推奨された香水が月に1回、3種類届く。試して診断を受けていくうちに「香りの好みの解像度を上げる」、すなわち自分に合う香水を見つけられる。「香りは“言語化”するのが難しい。何となく好き、好きではないという部分を助けてくれる」と長谷氏。香りは「フローラル」「シトラス」「ウッディ」「オリエンタル」と4つのカテゴリーで、全20種類を揃える。

東京・日本橋のアパレル企業、hapが手掛ける「COVEROSS(カバロス)」は、最新テクノロジーを用いて服のアップサイクルを行う。サービス内容は「PROOF(撥水・速乾・防汚・抗花粉)」「ANTI-SHEER(透け防止・汗じみ軽減・遮熱)」「BREEZE PLUS(UVカット・抗菌、防臭・接触冷感・吸水拡散・消臭)」の3つから希望する機能をセレクトすると、手持ちの衣類に加工してくれるというもの。これまでtoBビジネスがメインだったが、今後はtoCにも注力するとして、顧客一人一人が求める服の快適性を届ける。

洗練されたデザインと履き心地を兼ね備える「スタンドゥール トウキョウ」のスニーカー

2つ目のInner Luxury-内なる豊かさ-では「“ボーダーレス&フェーズフリー”場所・シチュエーションを問わずフレキシブルに活躍するプロダクト」を揃える。

「STANDOOL TOKYO(スタンドゥール トウキョウ)」は、神奈川県川崎市にあるアパレルEC企業、スタンドゥ―ルのフットウエアブランド。ブランド名は「背筋を伸ばして立つ、自信を持つ」という意味の「STAND TALL」から名付けた。スニーカーに内蔵された厚みのあるインソールが「プラス6.5cmのスタイルアップ」を叶える。スカートやパンツの丈が合わないなど、服に悩みがちな小柄な人に向けて「ファッションを楽しんでほしい」との想いが込められた商品だ。足をしっかりとホールドする仕立て、シンプルでユニセックスなデザインも特長。ネガティブな印象のある“シークレット”ではなく“スタイルアップ”へのサポートとして訴求する。

自然光だけでなく様々な光を蓄えることができる「スフェラー」のライト

3つ目のAnytime Anywhere-いつでもどこでも-は「“シンプル&スペシャル”感性のラグジュアリーを高める素材・機能・美学を持つアイテム」を集める。

太陽電池を製造、販売する京都のスフェラーパワーの「SPHELAR(スフェラー)」は、画期的な技術を搭載したスタイリッシュなライトを揃える。従来の太陽電池が平面で発電するのに対し、同社が開発したのは、球の上下に電極を配置した世界初の「球状太陽電池」だ。砂時計をモチーフにした「ランタン」は、上部に太陽電池、下部にLEDを配し、上下を返すと発光する。スティック状の「ペンライト」も、500ルクス(光源から1m地点)の照度で点灯でき、付属の木製スタンドに立てても楽しめる。気軽にオブジェとして飾れるペンギン型、キューブ型の商品も用意する。「光が強過ぎないため夜でも優しく、心にちょっと明かりをともしてくれる。非常時の使用はもちろん、インテリアにも適したデザインで実用性と遊び心を兼ね備えたアイテム」(長谷氏)として打ち出す。

そのほか、「繋ぎ目のない心地よさ」がコンセプトのウエアブランド「equalment(イコールメント)」も出店。デザイナーがホテルのルームウエアに着想を得て、デザイン性と着心地を両立させた服をつくり上げた。肌触りが良く伸縮性のある生地で、こだわりのディテールを施したワンピースやトップスは、オンとオフいずれのシーンにも着用を促す。

明日見世では、タームの開始日に毎回ブランド出店者が集まる。これを契機に、コラボ商品が誕生したり、出店者同士の交流が続いたりと、明日見世ならではの役割を果たしてきた。今回も過去最多となる15の出店者が集合。カテゴリーは異なるものの、木材など同素材を扱うブランド同士で話が弾む場面もみられたという。

長谷氏は「新しい出会いの創出を価値として提供できていると思う。今は“情報の海状態”になり過ぎている。新しくすてきなブランドは多くあるので、明日見世での出会いをきっかけに(コラボレーションなどが)自然発生的に増えていくといい。思いも寄らなかった展開が生まれるのを、これからも楽しみにしている」と、期待を高める。

今秋に向けて新たな計画も進んでいるという。次なる“NEW”が待ち遠しい。

(中林桂子)

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