2024年11月25日

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J.フロント リテイリング、湯島天満宮の梅の再生をサポート

メディア向け発表会の様子。左から松坂屋上野店の渡辺智邦店長、梅まつり実行委員会の小能大介実行委員長、湯島天満宮の禰宜(ねぎ)の押見友仁氏、パルコの堀岡幸喜氏

J.フロント リテイリングは、湯島天満宮(東京・文京)の梅の木の植え替えをサポートする。パルコが展開するクラウドファンディングサービス「ブースター」で支援を募集。期間は2月1日~4月20日で、目標金額は500万円とした。松坂屋上野店も返礼品のアイデア提供や情報発信で協力する。湯島天満宮は梅の名所として知られるが、近年は梅の咲く量が減少していた。そこで梅園の再生プロジェクトが立ち上がり、近隣に構える松坂屋上野店と、パルコも参加することになった。

湯島天満宮は学問の神様として知られる菅原道真を祭る神社で、江戸時代から梅の名所として親しまれてきた。現在の梅の木は戦後に植えられたもので、樹齢は50年を超える。毎年春に「文京梅まつり」を開催しているが、そこで梅が咲く量が減少していた。

そこで、菅原道真の没後1125年という節目の年を迎える2026年に向けて、「梅園再生プロジェクト」を立ち上げた。第1期は07年に梅園の一部を整備し、庭園化した。今回は第2期として残りの部分を庭園化し、梅の木の植え替えや土壌の入れ替えを行う。湯島天満宮の禰宜(ねぎ)の押見友仁氏は、「先人が守ってきた湯島の地にこれまでの情緒を残しつつ、これからもより多くの方々に愛し親しんでいただけるような華やかな梅園に再生したい」と意気込みを述べる。

「志を共有する方々と共に梅園再生を成功させたい。その方達に意味のあるものをお届けしたい」(梅まつり実行委員会の小能大介実行委員長)という考えから、募金ではなく購入型クラウドファンディングで資金の一部を賄うことにした。湯島天満宮と松坂屋上野店は地域活性化のために協力してきた過去があり、そこから松坂屋上野店、同グループのパルコも参加することになった。

庭園化することで、観光資源の強化を目指す

J.フロント リテイリングは以前から、クラウドファンディングを通じて地域の魅力を高める取り組みを行っており、そのノウハウを生かす。パルコの宣伝部ソーシャルビジネス担当プロジェクトリーダー堀岡幸喜氏は「クラウドファンディングは、ページに載せる文章の作成やスケジュール管理、返礼品の用意など、やるべきことが非常に多い。そこを経験のある私達がマネジメントさせていただくことで、プロジェクトを完遂させたい」と話す。

クラウドファンディングの期間は2月1日~4月20日で、目標金額は500万円。5月以降は返礼品を届けながら庭園化の工事を行い、2025年の梅まつりの時には再生した梅が見られるようにする。目標金額の500万円は当面の目安として設定したもので、達成した場合はさらなる目標を立てていく意向だ。

返礼品はオリジナルデザインのボールペンやノート、支援者銘板への名前掲載、絵画作品のレプリカなどがあり、いずれも月に1回の活動報告が付く。価格帯は1000円~20万円。

松坂屋上野店はこれらの返礼品のアイデア提供や一部商品の手配、プロジェクトの情報発信などを担う。情報発信は店内のポスターやサイネージに加え、ウェブサイトや各種SNSなど、リアルとデジタルの両方面で行う。松坂屋上野店の渡辺智邦店長は「J.フロント リテイリングや大丸松坂屋百貨店にとって、CSR(企業の社会的責任)活動は重点戦略の1つ。当店もそれをしっかりと行うことでエリアの活性化に貢献し、当店がサステナブルな存在になっていければと思う」と語った。

(都築いづみ)