2024年11月22日

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西武池袋本店、バレンタインは会場で楽しむ“ショコラケーション”

1月5日に今年の「チョコレートパラダイス 2024」のラインナップを発表した

西武池袋本店の今年のバレンタインデー催事「チョコレートパラダイス 2024」は、イートインメニューと実演販売を強化する。パフェやソフトクリームなどから、カカオをアップサイクルしたカレーやコーラまで、催事会場のみで楽しめるラインナップを充実。販売商品では、デパ地下で人気の和菓子店がつくるスイーツをはじめ、チョコレート以外の焼き菓子なども拡充する。会期は19日~2月14日で、30日以降は出店数を増やして展開。西武池袋本店は前年比0.8%増の売上げを目指し、そごう・西武全体では同5%増を目指す。

今年のキーワードは“ショコラケーション”。そごう・西武リーシング本部の杉田大樹バイヤーは「女性から男性へ贈るという文化から、誰かと一緒にチョコレートを楽しむ年に1回のイベントに年々変化してきた。バレンタインの買い方、選び方、楽しみ方が進化してきている」と語る。チョコレートやスイーツを通して会場でのリアル体験を一層味わえる催事構成で、多様化するバレンタインの楽しみ方を提供する。

前年は、売上げと客数共に全体で10%増。イートインや実演販売の売上げも同20%増と伸長した。今年は新型コロナウイルス感染症が5類に移行して初めてのバレンタイン。さらに多くの来店客を見込み、「前年以上にその場で楽しめる“できたて”や“焼きたて”の商品を強化した。イートインや実演販売のブランド数は、全体で約2倍増やした」(杉田氏)。約100ブランド、1000種類以上の商品を揃え、万全の体制で臨む。

イートインでは、「アトリエ ドゥ ゴディバ」「ピエール マルコリーニ」「ラ・メゾン・デュ・ショコラ」の見た目にも豪華で特別感のあるパフェや、カカオの果肉の酸味が効いた「ゴディバ」のソフトクリーム、「ブノワ・ニアン」のショコラと発酵バターの香りが楽しめるクッキー、「カカオサンパカ」のチョコスムージーなど、限定商品を多く揃える。

バレンタインには“異色”の商品も初登場。「グッドカカオ」の「たっぷりトマトとゴルゴンゾーラの濃厚ビーフカレー」と「カカオ生コーラフロート」も、イートインで堪能できる。どちらもチョコレートの製造過程で不要とされるカカオ豆の種皮「カカオハスク」を使用したアップサイクルメニュー。コスタリカ産カカオを隠し味に加えたカレーは、トマトの酸味やゴルゴンゾーラの風味が感じられ、国産黒毛和牛のすね肉が満足感をプラスする。9種のスパイスにカカオをブレンドしたクラフトコーラは、風味豊かな味わいが楽しめる。

隠し味のカカオがカレーの濃厚な味わいをさらに深める

スパイスや柑橘といった複雑な味と香りが楽しめるコーラ

グッドカカオを展開するビオスタイルEC・外販事業部サブマネージャーの白井健太氏は「“キワモノ”だけど、カレーとコーラをイートインで出すのは面白いのではないか」と狙いを話す。元々は、今回の催事でも販売する「カカオ京せんべえ抹茶くりぃむサンド」の展開について、西武池袋本店と打ち合わせしていた。しかし、これだけではバレンタイン商品としては弱い。そこで、カカオハスクを生かした商品をラインナップに加えた。様々な商品が集まる催事会場で「まずお客様に足を止めてもらう」(白井氏)ためにも、匂いのあるカレーは絶好のメニューだ。

デパ地下の人気売場「諸国銘菓 卯花墻」の和菓子店がつくる「大人の和チョコ」

今年はチョコレート以外のスイーツも前年の1.5倍に増やす。杉田バイヤーは「バレンタインが『今年はどんなお菓子を買おうか』といったスイーツの祭典になってきている」と、理由を口にする。全国の銘菓を扱う自主編集売場「諸国銘菓 卯花墻」では、「和チョコ」と称して京都の「紫野和久傳」や石川の「アンフィニ」、新潟の「百花園」などがつくった、果物やあんこ、琥珀糖と合わせたチョコレートの和菓子を提案する。

人気のクリエイターやアーティストとのコラボ商品で、バレンタインを盛り上げる

毎年人気のアーティストとのコラボ商品も、限定品として集客には欠かせない。今年はイラストレーターのチョコムー氏が、男性ダンス&ボーカルグループのワトウィンのメンバーを描き下ろしたオリジナルパッケージでアピール。日本を代表するショコラティエやパティシエ達がセレクトしたショコラアソート、クッキー生地とメレンゲを重ねて焼き上げたメレンゲサンドクッキー、メンバー6人のDECOチョコ缶を販売する。

そごう・西武のインターネット通販サイト「e.デパート」は、昨年12月1日から受注を開始。本会期は2月6日までで、約100ブランド、約600種類の商品を揃える。

(中林桂子)