2023年11月 大手百貨店4社売上高
全て増収、高級品の堅調続き気温低下で秋冬物にも動き
大手百貨店4社の11月売上高は、全て前年比でプラスとなった。阪急阪神百貨店が18.0%増、大丸松坂屋百貨店が10.9%増、高島屋が9.4%増、三越伊勢丹が8.6%増。10月に引き続きラグジュアリーブランドなどの高額品が好調だった。
三越伊勢丹は、法人外商事業やEC事業、小型店舗を含む伊勢丹新宿本店、同じく三越日本橋本店、三越銀座店、伊勢丹立川店、伊勢丹浦和店の合計が10.9%増、地域事業会社の合計が4.3%増、全体は8.6%増と11カ月連続でプラス。ラグジュアリーブランドやデザイナーズブランドを中心に、冬物やハンドバッグ、宝飾、化粧品が売上げをけん引した。
店舗別では、三越銀座店(30.0%増)が2桁増で、商品別では衣料品その他(1.9%減)、その他(2.8%減)を除いた全ての項目がプラス。特に身の回り品(23.7%増)、化粧品(21.2%増)の伸長が目立った。
大丸松坂屋百貨店は、直営店の合計が11.0%増、法人・本社等が12.5%増、関係百貨店の博多大丸と高知大丸を含めた百貨店事業の合計が10.9%増と11カ月連続で2桁増となった。中旬以降の気温の低下により秋冬物の売れ行きが伸びたことに加え、ラグジュアリーブランドが売上げをけん引した。
店舗別では、中でも心斎橋店(24.9%増)と札幌店(23.3%増)が大きな伸び率だった。東京店(14.0%増)と京都店(12.0%増)も2桁増。入店客数は百貨店事業合計で11.4%増だった。
商品別では、主要5品目のうち衣料品(13.9%増)、家庭用品(13.8%増)、身の回り品(10.1%増)、特に化粧品は主要ブランドを中心に売上げを伸ばし26.6%増と12カ月連続の2桁増だった。
紳士服・洋品はジャケットやコートなどが売上げを伸ばしたが、品番移管の影響でマイナスとなった。身の回り品(10.1%増)は、インバウンド需要の多いアクセサリー、ハンドバッグ、旅行用品が堅調だった。食料品(4.2%増)は、惣菜が9.8%増、菓子が7.6%増と好調に推移した。
高島屋の9.5%増にはクロスメディア事業(12.6%減)が含まれており、それらを除くと9.2%増。国内外共に好調で前年と新型コロナウィルス禍前の18年を上回った。高額品が引き続き堅調に推移し、気温低下に伴いコートやマフラー、手袋などの冬物雑貨も好調だった。
店舗別では、大阪店(18.9%増)、京都店(17.3%増)、新宿店(12.4%増)が2桁増だった。大宮店(9.2%減)、堺店(4.4%減)、柏店(3.9%減)、泉北店(2.0%減)を除いた店舗がプラス。免税売上高は121.4%増で、コロナ禍前の19年比でも75.5%増、18年比では52.7%増とどちらも大きく上回った。免税を除いた店頭売上高は3.9%増、19年比は5.9%増。店頭売上高は9.4%増、19年比は10.1%増、入店客数は1.7%増だった。
商品別では主要5品目のうち家庭用品(0.3%減)を除いて全てプラス。雑貨(18.9%増)、衣料品(14.1%増)、身の回り品(13.0%増)は2桁増だった。衣料品では婦人服・洋品(15.6%増)、家庭用品では家電(18.4%増)、雑貨では化粧品(20.9%増)の伸びが目立つ。
阪急阪神百貨店は、阪急うめだ本店が16.1%増、阪神梅田本店が50.0%増、支店の合計が12.0%増、全店合計は18.0%増と16カ月連続で2桁増。入店客数は全店計で16.0%増だった。支店では高槻阪急(12.7%増)、西宮阪急(9.2%増)、あまがさき阪神(9.2%増)、千里阪急(6.5%増)、阪急メンズ東京(6.4%増)、中でも阪神・にしのみや(20.8%増)、神戸阪急(20.1%増)、博多阪急(17.2%増)が2桁増と大きな増収を遂げた。
商品別では、全てのカテゴリーが前年をクリアした。中でもその他衣料(58.0%増)、サービス(40.0%増)、身の回り品(37.3%増)の伸び率が高かった。