博多大丸、九州の事業者を応援する「未来共栄プロジェクト」始動
博多大丸は、九州の生産者・事業者を応援する「未来共栄プロジェクト」を始める。生産者・事業者がオーナーとなって発行する「トークン」を支援者が購入、保有することで、プロジェクトを応援できる。大丸福岡天神店を起点に九州のモノやコトを紹介する「九州探検隊」が、トークン発行型クラウドファンディング「FiNANCiE」を提供する株式会社フィナンシェと共同で行う。
同プロジェクトは九州エリア内の生産者・事業者が主役となり、全国から支援を募る地方創生モデル。トークンを保有しているサポーターは、トークン保有者限定でのコミュニケーション、投票機能を使ったプロジェクトの意思決定などに参加できる。トークン保有条件に応じた特典も受けられる。
トークンはFiNANACiE独自のサービスで、同社が発行するトークンは金融商品取引法上の有価証券ではなく、資金決済法上の暗号資産でもない。サービス上でいつでも売買でき、需要に応じてトークン自体の価値が変動する。
博多大丸は、サポーターへのトークン販売による活動資金の調達や、オーナーとサポーターによるコミュニティ醸成を支援する。具体的には、百貨店のリアル店舗を活用したトークン販売のプロモーションやトークン保有者向けのイベント企画、生産者・事業者による販売会の実施、未来共栄プロジェクトに参加するオーナー同士のコラボ商品の開発などに取り組む。
また、トークンの保有条件に応じた特典として、「大丸松坂屋オンラインショッピング」における優待価格での購入や、プロジェクト限定商品の購入ができる仕組みを構築する。サポーターがオーナーの提供する商品・サービスを購入することで、オーナーを継続支援する独自のモデル設計も盛り込んでいく。
第1弾企画として、宮崎県を拠点にチョウザメ養殖とキャビア製品事業を展開する株式会社キャビア王国がサポーター募集を開始する。第1弾を皮切りに、九州エリアの特産品・名産品に焦点を当てたプロジェクトを順次公開し、中期的には九州探検隊自体のプロジェクトの開設も計画する。
18日に、福岡市内で発表会を行った。J.フロント リテイリング執行役常務グループデジタル統括部長の林直孝氏は「トークンを活用したクラウドファンディングの取り組みは、百貨店や流通業としては全国初。百貨店のリソースとデジタルの先端技術を活用し九州・沖縄を活性化する、本プロジェクトにぜひご期待ください」と意気込んだ。