2024年11月22日

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『-龍神・龍王- 金子 富之展』

-龍神・龍王- 金子 富之展
■2023年12月13日(水) ~ 2024年1月8日(月・祝)
■日本橋高島屋S.C. 本館6階 美術画廊X

《黄光飛龍》

日本橋高島屋S.C.では、2023年12月13日(水)より本館6階美術画廊Xにて「-龍神・龍王- 金子富之展」を開催いたします。

金子富之氏は東北芸術工科大学大学院修了後も山形県にアトリエを構え、東北地方や世界各地で語り継がれる妖怪や怪異、神話、精霊そして神仏など目に見えない存在を描いてきました。それらは自身の内包されたイメージと、宗教美術として流布されている図像のアマルガムとしてのかたちを平面作品として置き換え、日本画の技法に限らず様々な材料を用いて制作しています。
2015年に文化庁の制度による研修でカンボジアへ赴き、現地の宗教や信仰などの造形美術を取材しました。その経験と前後するように、神や精霊などのイメージが形成される以前の根源的な存在に取り組み続けています。

本展では、水資源が豊富な日本において、様々な地域で水神として伝承され、信仰の対象となっている龍蛇をテーマとした大作から小品まで、約10点の作品を一堂に発表いたします。空間を覆い尽くさんばかりの壮大かつ渾身の作品をぜひご高覧ください。

  • 出品内容(予定)

《黄光飛龍(おうこうひりゅう)》2018年
岩絵具、墨、透明水彩、アクリルペン、箔、吉祥麻紙/480×230㎝/(2019年台北當代)

《沙羯羅龍王(しゃがらりゅうおう)》2018年
岩絵具墨、透明水彩、アクリルペン、金泥、あかし紙、吉祥麻紙/640×230cm/

(2018年アートフェア東京)

《沙羯羅龍王》

山形県天童市の雨呼山(あまよばりやま)標高905メートルの中腹あたりに「ジャガラモガラ」という直径100メートル程のすり鉢状の異様な景観の地があり、地表に空いた無数の風穴から冷風が噴出しています。ジャガラモガラの語源は仏法守護の八大竜王の一人、娑羯羅龍王であるともされています。名前の意味は〝大海〟を意味し、八大竜王の源流は古代インドの蛇神ナーガであるとされます。

《闇罔象神(くらみつはのかみ)》2017年

墨、ペン、吉祥麻紙/640× 230cm /(2017年KAAT)

《闇罔象神》

罔象とは水に住まうものを意味し、龍や子供の様な姿の神とされます。また「水つ早」と同意で、始め・端・初期といった意味で水の出始めを表す言葉でもあります。雨師神(うししん)として降水現象を司る神とされています。福井県の岡太神社では紙漉きを伝えた紙の祖神として伝わっています。越前和紙の起源になり川上御前とも呼ばれています。

《暗龗(くらおかみ)》2016年/墨、ペン、吉祥麻紙/230×480cm

上記、過去近作以外に、新作中品3点(70×170㎝程度)、新作小品6点を出展予定。

  • 【イベント】

■トークイベント: 金子富之 × 岡田 瑛里(アーティスト)

■12月17日(日) 午後3時から
■ 「-龍神龍王- 金子富之展」会場内

  • 作家ステートメント

夕闇の水際、私の足下のすぐ近くを巨大なチョウザメが横切った事がありました。不気味な迫力と得体の知れない高揚感があり、それは暗闇の冷たい地底湖に潜む龍が鱗をくねらせている様にも見えました。
湖沼や川にはどの地域でも必ずと言って良いほど龍蛇の伝説が残っています。蛇もまた水神でもあり、蛇神信仰が盛んであった日本は龍を生み出す母胎としてひときわ機能し、大陸の龍の図像をベースに日本的な感性が加わり独自の龍のイメージが創造されました。
眼に見えない龍を、個人的な心情による形ですが作品として視覚化いたしました。何卒ご高覧下さいますようお願い申し上げます。

金子富之

  • その他関連販売

金子富之 作品集『金子富之画文集―幻成礼賛―』

ミヅマアートギャラリーにて11月22日より開催中の金子富之氏の個展「辟邪神(へきじゃしん)」に併せて刊行される作品集を販売いたします。10代からの心象を描き連ねた山のようなノート群から自選作品200点までを、全篇書き下ろしテキストとともに構成した境界を越える画文集です。

定価: 4180円(本体3800円)/著者: 金子富之
アートディレクション: 中島雄太/判型: B5変/総頁: 192頁/
製本: 並製/発行元:青幻舎

■お問い合わせ先 日本橋高島屋:03-3211-4111(代表)