2024年11月25日

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ルックの「マリメッコ」、来春は60周年のウニッコ柄全開

60年代からインスピレーションを得たVMDで、「Unikko(ウニッコ)」柄の歴史を伝える

ルックの「マリメッコ」は来春、アイコン柄の「Unikko(ウニッコ)」を多彩に表現したアイテムを展開する。1964年にデザイナーのマイヤ・イソラ氏がケシの花をモチーフにデザイン。2024年に60周年を迎えることから、カラーリング、パターン、スケールなどバリエーションに富んだウニッコ柄のシャツやスカート、ワンピース、バッグなどを取り揃える。記念すべき年を祝う華やかなコレクションで、ブランドの世界観を発信し、訴求を強める。

得意とする大胆なプリントとカラーに加え、多様なスケールでウニッコ柄を表現。

プレスプリングコレクションでは、大きなウニッコ柄を左右の胴前にプリントしたキュプラ素材のブラウスや、全面に小さなウニッコ柄を散りばめたプリーツスカート、両袖に大きなウニッコプリントを施したシャツなどをラインナップ。「ウニッコプリントが大小様々なサイズで用いられているのが特徴」と、事業本部ブティック事業部マリメッコ課宣伝・広報担当の乾力斗氏は説明する。

テーマは「実用主義とミニマリズム」で、厚手のキャンバスやコットンツイルなど重みや厚みのあるワーク系の素材に、シルクやキュプラといった軽やかな素材のアイテムを合わせたスタイリングを提案する。「しっかりとした素材と柔らかな素材を組み合わせた時に生まれる、“女性らしさ”や“無骨さ”がファッショナブルなコレクション」(乾氏)。

刺繍のテクニックでミニマリズムを感じさせるポピーを表現

ウニッコ柄をブラッシュアップした2つの新しいウニッコ柄も誕生した。「Piirto Unikko(ピィイルトウニッコ/ドローイングポピー)」は、花の形状をグラフィカルなラインで際立たせてアレンジ。シャツとスカートのセットアップは、花のラインを繊細な刺繍のステッチでかたどった。「Heijastus Unikko(ヘイヤストゥスウニッコ/リフレクション・ポピー)」は、花柄を簡略化・形式化し、ミニマルな印象を与えるウニッコデザインに仕上げた。

日本人初のマリメッコのテキスタイルデザイナー、脇坂克二氏による池をモチーフにした「Lammet(ラメット)」柄や、ヘンナ‐マリ・アスンタ氏による斑点柄の「Pilkku(ピルック)」といったアーカイブプリントを使用したウエアも、周年に花を添える。

マリメッコの世界観を存分に味わえるカラフルで楽しいコレクション

スプリングサマーコレクションは、今年8月にコペンハーゲンファッションウィークに参加した際の内容を元に再現。マリメッコならではの豊かな色彩とプリントを生かしたニットトップスやワンピース、パンツなどを揃える。フィンランドのアーティスト、アンティ・ケッキ氏がウニッコ柄の抽象的な要素を元にデザインした「Helakka(ヘラッカ/明るい)」「Kolmikko(コルミッコ/三つ子)」「Malja(マルヤ/乾杯)」「Nokturno(ノクトゥルノ/夜想曲)」「Poimint(ポイミント/採取)」の5つの花柄に加え、太さの異なるストライプ柄も品揃えにアクセントを効かせる。

60年前の色やシルエットを意識したレトロ風のワンピースも投入。オレンジとピンク、オレンジとブルーを組み合わせたカラーは、クラシックな雰囲気を演出する。ひざ丈はマリメッコが創業した頃に出していたワンピースの長さで、乾氏は「新規のお客様は知らないと思うので、新鮮さを感じてもらえるのでは」と期待を寄せる。

環境にも配慮したリサイクル素材で仕立てた、新シリーズのニットバッグ

新作のニットバッグは、ハンドル部分が自立する程の丈夫でハリのある高密度な素材感が特徴。たっぷり収納できる大型のタイプとミドルサイズのボックス型のトートバッグ、使い勝手の良いハンドバッグを揃える。柄は、オレンジとピンクでカラーリングしたウニッコ柄と、グリーンとブルーのストライプ柄。乾氏は「最近、色々なブランドでニットバッグを販売しているが、マリメッコのプリントとカラーリングでオリジナリティのある商品になっている」と推す。素材にはリサイクルポリエステルを使用し、環境への配慮もうたう。

エントリーラインと位置付ける「KIOSKI(キオスキ)」も、ウニッコ柄とストライプ柄を色や配置、描写で工夫。ストライプ柄にワンポイントでウニッコの花柄を付けたソックスや、縦横にストライプを組み合わせたハンカチ、淡い色調のウニッコ柄のスニーカーなどで、普段使いや手持ちの服とも組み合わせしやすい商品を充実させる。

「KIOSKI(キオスキ)」のニット帽はギフト向けにも人気

ほかのラインと比べて特に安価ということはなく、ソックスでも5000円程度だが、マリメッコの価値観を理解した上での購入がみられるという。25~35歳のファッション感度の高い客がコア層。新客もターゲットに含めてはいるものの、ピンバッジやキーチェーンなどの雑貨は「全部揃えたい」というマニアの購入が多いという。

来年は「ウニッコ60周年」にフォーカスしたイベントなどを計画中で、5月には一般客も招いたファッションショーを予定している。「初めての人にとってウエアなどはハードルが高いが、60周年をきっかけに色々な人に着ていただければ」と乾氏。2024年はマリメッコにとって、さらにファンを拡大する年となりそうだ。

(中林桂子)