2023年10月 全国百貨店売上高
20カ月連続増、インバウンドが過去最高を更新
日本百貨店協会が調査した全国百貨店(72社・180店)の10月売上高は4531億円余で、前年比(店舗調整後)は6.1%増となり、20カ月連続でプラス。気温が高く推移し、秋冬物・防寒用品の動きは鈍かったが、高付加価値商材やインバウンドが好調だったほか、物産展などの食品催事やイベントの効果もみられた。新型コロナウィルス禍前の2019年との比較では、19.9%増。同年10月に消費増税があり、その反動による高伸長だが、18年比では同水準の数字で、回復基調は鮮明だ。
3カ月移動平均値は直近の8~10月が8.8%増、7~9月が9.8%増、6~8月が9.0%増、5~7月が7.4%増、4~6月が7.3%増、3~5月が8.3%増。着実にプラスを堅持する。
国内と海外の顧客別では、インバウンドが円安効果や国慶節・中秋節休暇などによる客数増もあり、178.9%増と19カ月連続でプラス。売上高は383億円と、14年10月に調査を開始して以来の最高額を更新した。シェアは国内が91.5%、インバウンドが8.5%で、国内は20カ月連続プラスの0.4%増となった。19年比ではインバウンドが49.7%増と、4か月連続でコロナ禍前の実績を上回った。
地区別では、都市は8地区が前年クリアで9.1%増と25カ月連続でプラス。地方は5地区が前年割れとなり、4カ月ぶりにマイナスに転じた。
商品別では、主要5品目のうち家庭用品(0.3%減)を除く4品目がプラスとなった。身の回り品(12.7%増)と雑貨(12.7%増)は好調で2桁増かつ25カ月連続プラス。ラグジュアリーブランドのバッグや時計、宝飾品など高額商材(14.8%増)や化粧品(15.2%増)は、国内外共に好調に推移している。主力の衣料品(4.4%増)は20カ月連続プラスで、ジャケットやカットソーなどの軽衣料が好調だった。ギフトや手土産の需要が高い和洋菓子は3.5%増で26カ月連続プラスとなり、年末年始の需要に向けて視界は明るい。